傾斜地・高低差のある土地はやめたほうがいい?|購入前に知るメリット・デメリットと土地の特徴を活かす設計の工夫

土地探しや家づくりの際に、傾斜地や高低差のある土地って、どうなの?と思ったことはありませんか?
「メリットよりもデメリットが大きい!」「建築計画や設計が難しく制限が強い」という考えに囚われ、土地選びの選択肢から除外される方も多いことでしょう。
しかしながら、傾斜地や高低差のある土地には大きなメリットがあり、その特徴を活かすことで、傾斜地・高低差のある土地ならではの魅力的な家をお値打ちに建てることも可能です。

 

 

そこで今回は、傾斜地や高低差のある土地のメリット・デメリット、注意点を解説!
傾斜地や高低差のある土地での家づくりの際、おすすめの間取りや工夫も建築設計のポイントとして紹介します!

 

 

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高低差のある土地とは、一般的には、「前面道路や周辺の隣地」と「敷地」の地面の高さが異なっている土地、高い位置あるいは低い位置にある土地のことを指します。
また、その敷地自体が傾斜地であったり、高低差がある場合もあります。

 

 

高低差のある土地は、坂道の多い住宅街や、山林部での土地など、周辺に崖地や傾斜が多い場所でよく見られます。
注意が必要なのは、このようなエリアは、「宅地造成規制区域」のエリア内であることが多いのです。
宅地造成規制区域に該当すると、家づくりの前に必要となる造成工事の内容に「宅地造成等規制法」という制限がかかり、届出・許可・検査なども必要になります。
このことを知らなかったり、調査不足だったりすると、思いがけない出費やトラブルが生じることもあるでしょう。

宅地造成工事に関しては、こちら↓の記事で詳しく解説していますので、ぜひ、チェックしてみて下さい。
「宅地造成工事とは?規制区域内の許可・申請、注意点を解説!」

 

 

また、傾斜地や高低差のある土地の周りには、がけ・崖があることも多いです。こちらも注意が必要で、一定の規模以上の崖が計画する建物のそばにあると、「がけ条例」の規制対象となり、建築計画の内容が制限されることもあります。
こちらも、知識不足・調査不足の場合には、大きな問題に発展することも十分あり得ます。

がけ・崖、がけ条例に関しては、こちら↓の記事で詳しく解説していますので、ぜひ、チェックしてみて下さい。
「土地探し、崖土地・崖のある土地はやめた方が良い?がけ条例などの注意点も詳しく解説!」

 

傾斜地や高低差のある土地のメリット・デメリット、注意点や建築設計のポイントを解説!

 

 

ここからは、傾斜地や高低差のある土地には、どのようなメリットがあるのかを解説します。
高低差のある土地では、デメリットばかり頭に浮かんでしまうかもしれませんが、当然、大きなメリットもあります。
傾斜地や高低差のある大きなメリットは、3点です。

 

 

傾斜地や高低差のある土地のメリット1.土地価格がお値打ち。
傾斜地や高低差のある土地は、平坦で整形な土地よりも、断然お値打ちな金額で購入できることが多いです。 

傾斜地や高低差のある土地のメリット2.水害の対策として有効。
前面道路よりも敷地の地面が十分に高い土地である場合には、洪水による浸水などの水害の対策として有効です。
近年では、ゲリラ豪雨と呼ばれるような局所的な豪雨の発生は多くなっています。特に、河川の近くに、新築物件を計画する際は、水害対策を講じておきたいところでしょう。市街地においても、下水道の排水能力が超過し、水害が起きるケースも全国的によく見かけるようになりました。
水害の対策として有効な高低差のある土地は、選択肢の一つとして、一考の価値があります。

 

 

傾斜地や高低差のある土地のメリット3.周囲からの視線を遮り、良好な眺望を確保できる。
周囲よりも敷地の地面が十分に高い土地である場合には、その土地の高いがゆえに、周囲からの視線を遮ることができ、プライバシーが守られます。
さらに、家の中からの視線は通りますので、良好な眺望を確保し、開放感を高まります。

 

傾斜地や高低差のある土地のメリット・デメリット、注意点や建築設計のポイントを解説!

 

 

ここからは、傾斜地や高低差のある土地には、どのようなデメリットがあるのかを解説します。
代表的な大きなデメリットは、次の2点です。

傾斜地や高低差のある土地のデメリット1.高い設計力・提案力・技術力が求められる。
傾斜地や高低差のある土地での建築計画は、難易度が高く、その特性を有効活用するには、高い設計力・提案力が求められます。
そのような能力が低い会社、細かなニーズに応えられない建築会社では、建築計画に制限されることが多く、自由に要望を叶えることは難しいでしょう。
さらに、もしも要望に応えてもらえたとしても、高い技術力・傾斜地や高低差に関連するノウハウや対応力がなければ、莫大な費用がかかってしまいます。

 

 

傾斜地や高低差のある土地のデメリット2.がけ条例・宅地造成等規制法による制限。
前述した通り、傾斜地や高低差のある土地は、「宅地造成等規制法」がかかる宅地造成規制区域に該当したり、近くにがけ・崖があり、「がけ条例」がかかることがあります。
「宅地造成等規制法」「がけ条例」がかかると、建築計画に大きな制限が発生することもあります。
「宅地造成等規制法」「がけ条例」の詳しい説明は「特徴」の項で前述した通りです。

 

傾斜地や高低差のある土地のメリット・デメリット、注意点や建築設計のポイントを解説!

 

 

ここからは、傾斜地や高低差のある土地を実際に購入する際の注意点を紹介します。

傾斜地や高低差のある土地の注意点は5つあります。それぞれ詳しく解説します。

 

 

傾斜地や高低差のある土地の注意点1.売却が難しい。
将来的に売却する際には、傾斜地や高低差のある土地は売却が難しいとされています。
「難しそうな土地」とされ、敬遠されがちだからです。

 

 

傾斜地や高低差のある土地の注意点2.土地情報の詳細に調査する。
傾斜地や高低差のある土地を購入する場合は、事前に、土地情報の詳細を調査しましょう。
崖崩れ・土砂災害による被害防止のための対策を必要とする「急傾斜地崩壊危険区域」に該当していないか?
「がけ条例」・「宅地造成等規制法」の規制はかからないか?
また、既存擁壁がある場合には、確認申請書や検査済証もあるのか?現在も基準を満たす擁壁として使えるのか?
このあたりは、必ず事前に調査しておきましょう。
建築計画に大きな制限がかかるかもしれませんし、関連する工事によっては、建築コストが大きく変わることがあります。

 

 

傾斜地や高低差のある土地の注意点3.現地に行って、確認する。
傾斜地や高低差のある土地を購入する場合には、必ず、現地に行って、その土地の状況を確認しましょう。
既存の擁壁があるのであれば、その劣化状況などを確認しましょう。劣化した擁壁をそのまま使用すると、建物や人に被害の危険が生じます。国土交通省が公開している「宅地擁壁老朽化判定マニュアル」などを活用すれば、ひび割れ・膨張の具合などをチェックできます。
また、その土地の周り・近辺も実際に歩いてみて、状況を実際にその目で確認しましょう。土地情報だけでは分からなかった、見落としていたことに気付くかもしれません。

 

 

傾斜地や高低差のある土地の注意点4.専門家に調査依頼する。
前述した注意点は、実際には、建築知識が特にない方には難しいと思います。事前に、早い段階で建築士など専門家に相談し、調査を依頼しましょう。

 

 

傾斜地や高低差のある土地の注意点5.土地探しと建築計画は同時に進める。
どのような土地であっても共通することですが、土地を購入する前に、早い段階で建築会社に相談しましょう。
専門家に調査を依頼するだけでなく、建築計画も同時に進めれば、土地探しも家づくりも失敗しません。
傾斜地や高低差のある土地は、お値打ちに購入できるかもしれませんが、地盤改良・土留・擁壁築造・盛土/切土などの造成工事に莫大な費用がかかるかもしれませんし、「がけ条例」・「宅地造成等規制法」の規制により、建築計画に大きな制限があるかもしれません。
家づくりの費用はトータルで考え、どのような建築計画が可能なのか、実際にかかる費用はいくらなのか、事前に知っておけば安心です。

 

傾斜地や高低差のある土地のメリット・デメリット、注意点や建築設計のポイントを解説!

 

 

傾斜地や高低差のある土地のメリットを生かし、デメリットを克服する建築設計のポイントは無数にあります。
土地は一つとして同じものはありませんので、その土地ごとの個性、ストロングポイント・ウィークポイントに合わせて、設計を変えていく必要があるからです。
今回は、その中でも、特徴を生かす建築設計のポイントとして代表的なものを3つご紹介します。

 

 

ステップフロア
その土地自体に傾斜や高低差がある土地に対して、できるだけ造成の規模を小さくすれば、総工費を抑えることができます。
そのための代表的な工夫がステップフロアです。
ステップフロアなどで、その土地自体が持つ傾斜や高低差に応じて、建物の床レベルを設ければ、造成の規模を小さくし、総工費を抑えることができます。

 

 

眺望の良さを活かす
周囲よりも敷地の地面が十分に高い土地である場合には、その高さを生かし、プライバシーが守りつつも、開放感のある計画が可能です。
大きな窓を設けることで、眺望の良さを活かすことも出来ますし、家族の憩いの場・四季の移ろいを感じられる場としてのアウトドアリビングやテラスなどを設けるのも良いでしょう。

 

 

地下室を設ける
前面道路などの周囲よりも敷地の地面が低い場合には、逆に、低層部分を利用することで地下室を設けることもおすすめです。

 

傾斜地や高低差のある土地のメリット・デメリット、注意点や建築設計のポイントを解説!

 

 

今回は、傾斜地や高低差のある土地のメリット・デメリット、注意点を解説しました。
傾斜地や高低差のある土地での家づくりの際、おすすめの間取りや工夫も建築設計のポイントも整理できたのではないでしょうか?

 

 
失敗しない土地探し・土地購入のためには、土地と建物を同時に計画することが一番の秘訣だと言えます。
特に、傾斜地や高低差のある土地では、建築計画に厳しく規制がかかることもあり、建築計画の難易度が高い土地であると言えます。このような土地での家づくりの成功するか失敗するかは、設計力・提案力・技術力によるところが大きいです。早い段階で、建築会社に相談・確認してみましょう。

 

 

私たちの設計事務所では、ご相談・間取りなどの提案は無料です。もちろん、土地探しからのご相談も歓迎です。

施工をしない・建築家の家づくりは、工務店・ハウスメーカーなどとは大きく違います。
少しでも家づくりにこだわりたい気持ちがあり、建売などではなく注文住宅を採用されるのであれば、まずは建築家に相談してみること、それから色々と考えるのがおすすめです。

その際、私たちのような、機能・デザイン・コストなど全方位でバランスの良い住まいを目指す建築家であれば、より相談できることは多いことでしょう。

建築家の仕事に距離は関係ありません。私も全国から依頼を承っております。
遠方の方でも距離を気にせずに、建築のことであれば何でもお気軽にお問い合わせ頂けると幸いです。

 

 

最後に。
住宅設計は、人生のデザイン。
住まいは、生涯の大半を過ごすであろう空間です。
皆様が妥協・後悔・失敗することなく、豊かな暮らしを送れますように。
夢の実現を全力でサポートする、良きパートナー・建築会社が見つかることを願っています。

 

名古屋の設計事務所 Tabiでは、家づくりに必要な情報や予備知識をブログにまとめ発信しています。
ぜひ、参考にしてみて下さい!

土地に関する絶対に把握しておいて頂きたい内容はこちら↓のリンク・記事にまとめています。ぜひ、こちらの記事も合わせて、参考にしてみてくださいね!

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参考リンク①|国土交通省「都市計画制度の概要」

傾斜地や高低差のある土地では、用途地域・斜線制限・擁壁工事など、都市計画に関わる法制度が複雑です。以下は、国土交通省がまとめた都市計画制度の概要ページです。開発許可や土地利用に関する基本的な考え方を確認できます。

https://www.mlit.go.jp/toshi/city_plan/toshi_city_plan_tk_000043.html

参考リンク②|国土地理院「地理院地図」

土地の傾斜や高低差を視覚的に確認したい方は、国土地理院の「地理院地図」が便利です。標高・斜面の角度・地形分類などを地図上で確認でき、傾斜地を検討する際の判断材料になります。

https://maps.gsi.go.jp

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