建築家・設計事務所との家づくりや建築設計の依頼を希望していても、その流れや手順になるのか分からず、不安な方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、建築家・設計事務所に家づくりを依頼した場合、
お問い合わせ→相談→依頼→設計→工事→建築完成後まで、
どのような流れ・手順になるのか網羅的に詳しく解説。
各タイミングごとの注意点、建築家・設計事務所の役割やメリットなどの概要も紹介します。
ぜひ、最後まで読んで参考にしてみてください。

本記事の執筆者
愛知県名古屋市の設計事務所 Tabi タビ 代表
和田貴裕|一級建築士・建築家
『おすすめの設計事務所』と、口コミ・高評価多数。
豊富な施工事例・間取りアイデア・設計の哲学の他、
『特別な設計事務所』と圧倒的に支持される理由と、
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全体の流れ
まずは、全体の流れをご説明致します。
お問い合わせ→相談→依頼→設計→工事→建築完成後まで、
どのような流れ・手順になるのか網羅的に詳しく解説します。

1.お問い合わせ
1.お問い合わせ
まずは、お問い合わせフォーム、メール、電話などで、連絡してみましょう。建築家・設計事務所の仕事に距離は関係ありません。遠方の方でも問題なく対応します。昨今では、ZOOMやLINEなどウェブでの面談や打ち合わせも簡単に出来るようになりました。

また、土地が決まっていない場合は、ぜひ、土地探し・土地選びから相談することをおすすめします。その方がおすすめな理由は、こちら↓の記事で詳しく説明していますので、ぜひ、参考にしてみて下さい。
【土地と建築会社、どちらを先に決めるのが正解?失敗しない注文住宅・土地探しの秘訣を解説!】
「設計事務所にもいろいろあって、どの設計事務所にしようか迷っている」という方は、こちら↓の記事を参考にしてみて下さい。
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2.初回面談
2.初回面談
まずは、相談することから始めましょう。そして、初回の面談で良心的な建築家・設計事務所かどうかを判断しましょう。
ここで最も重要なポイント・注意点は、
・建築家がよく話を聞いてくれるかどうか。
・上手く言葉にならない想いも丁寧に汲み取ってくれるようなヒアリングをしてくれるかどうか。
つまり、建築家が相手のことを知ろう、相手の想いに応えようと、まずは話を聞くことを徹底しているかどうかです。

徹底して聞く姿勢が重要である理由は、家づくりのパートナー選びの際、大切にして欲しいのは次の2つだからです。
1.価値観がマッチする。
2.何が起きたとしても対応してくれる。要望に応えようとしてくれる。(誠実さ)
この2つをもってして、信頼出来る相手との家づくりでなければ、家づくりを進める間も、そして完成後も大きなストレスがかかります。自分達の要望を叶え、理想の住まいを実現したいのであれば「まずは話を聞こう。」という姿勢を持つ建築家に設計を依頼するのが一番でしょう。
▼こちらの記事も参考にしてください。
【設計事務所×注文住宅】建築家選びで後悔しないために|相性の見極め方・よくある失敗と依頼のコツ

相談に行った際、その建築家・設計事務所が好印象であれば、初回面談の最後に、間取りなどの提案を依頼してみましょう。ちなみに、初回の間取りの提案は、良心的な設計事務所であれば、無料のところが多いです。私たちの設計事務所でも、2~3回までの提案は無料でおこなっています。
▼具体的なご依頼の流れなどは、こちらのページを参考にしてみてください。

3.プレゼンテーション・ご提案
3.プレゼンテーション・ご提案
相談で、要望をうかがった後、プレゼンテーション・ご提案になります。建築家・設計事務所は、「建築主の想い・要望・条件」と「建築家・設計事務所の想い」を掛け合わせ、間取りをイメージ画像などと共にご提案致します。
案をつくる前には、設計事務所の方で、敷地の現地調査、役所への調査・協議なども済ませています。間取りの提案の際には、設計案の内容だけでなく、整理した土地の建築条件なども伝えてもらいましょう。
設計事務所も、初めの提案から変更を重ねて、一緒にいいものをつくりたいと考えています。追加の要望など言いたいことは、気軽に伝えていきましょう。

ここでアドバイスです。特別気に入った設計事務所を見つけたとしても、他社も2~3件あたってみましょう。できれば、設計事務所・ハウスメーカー・工務店、それぞれ1社以上、面談だけでも行くと良いと思います。なぜなら、各社の違いや自分達に合う建築会社のジャンルがより鮮明に見えてくるからです。それぞれの違いを理解した上で、設計事務所を選んだクライアントの方が最終的な満足度は高い傾向にあると感じています。
設計事務所のメリット・デメリットについては、こちら↓の記事でも詳しく解説しています。参考にしてみて下さい。
【設計事務所・建築家の特徴、メリット・デメリットなどを徹底解説!】

4.基本設計
4.基本計画
間取りやイメージ画像などを使ったプレゼンテーション・提案を受けて、その設計事務所が気に入れば、「家づくりをお願いしたい」その旨を伝えましょう。
その上で、ご納得いくまでプランを修正し、間取りを決めていきます。お打合せは、2週間に1度が目安です。

良心的な設計事務所であれば、ここまでの設計に関しては、特別なケースを除き、設計料などの費用を支払う必要性は無いことが多いです。
けれども、多くの設計事務所が、1つの案につき1か月程度の時間をかけて、丁寧に想いを込めて計画を練り上げています。「家づくりをお願いしたい」その旨を伝えた後は、計画案を練り上げていくと同時に、お互いの信頼関係を築き上げていく期間です。基本的には、その設計事務所に最後までお願いしましょう。この期間に、他社に相談に行ったり、提案を受けたりすれば、設計事務所の方からお断りされることもあります。
▼こちらの記事もおすすめです。
【完全ガイド】注文住宅は何から始める?失敗しない流れと進め方|家づくりの全体像と8つのステップ

ここまでは良心的な設計事務所であれば無料です。ここからは有料です。

6.設計契約
5.設計契約
基本計画を経て、間取りが決まり、一緒に家づくりを楽しむことが出来そうだと判断すれば、設計契約を検討しましょう。契約前には、判断材料として、設計事務所に総工費の概算見積を用意してもらうことも可能だと思います。設計監理料は、基本的には総工費の15%程度のところが多く、依頼内容次第のところもあります。私の設計事務所では総工費の11%を基本としています。
この段階で、その内の30%を契約料として請求する設計事務所が多いと思います。
▼設計契約については、こちらの記事で詳しく解説しています。
【設計契約とは?】注文住宅の“最初の契約”を建築家が解説|工事請負契約との違い・費用・流れ【設計事務所の完全ガイド】

設計契約の前には、その設計事務所が本当に安心できるのか詳しく話を聞き、保証内容なども確認しましょう。
こちら↓の記事で詳しく解説していますので、参考にしてみて下さい。
【設計事務所に依頼しよう!安心要素や保証内容について徹底解説!】

7.実施設計
7.実施設計
設計契約をした後は、見積用の詳細な図面を作成します。この過程でも、素材や設備等、詳細部分のお打合せを重ねていきます。見積の頻度は、基本2週間に1度です。打ち合わせに時間がかかること、打ち合わせ回数が多いことは、設計事務所に依頼する際の唯一とも言える大きなデメリットだと個人的には思います。

逆に、建築家・設計事務所であれば、何度でも、長時間でも、お打合せに対応します。じっくりと腰を据えて、専門家・スペシャリストと対話を重ねられることは人生設計を考えるための良い機会でもあるでしょう。時間をかけた分、より多くの要望を叶え、自分達の理想の暮らしを実現する可能性が高くなるのは間違いありません。ぜひ、建築家と一緒に楽しんで、打ち合わせにのぞんで、設計事務所・建築家との家づくりのメリットを存分に享受してください。
▼こちらの記事も参考にしてください。
建築家とつくる「完全自由設計」の注文住宅|制約を活かす家づくりの工夫-設計事務所が導く“自由へのプロセス”

8.見積依頼
8.見積依頼
実施設計の設計図面が完成した後は、設計事務所が独自のネットワークから数社の施工会社を選定し、全社に御見積を依頼します。施工会社の選定基準は、技術力の高さ、コストパフォーマンスの高さ、融通が利く対応力の高さなどです。すべての施工会社からの見積が出揃った上で、最もお値打ちなど、条件よく建てられる施工会社に施工を依頼します。これを競争入札・相見積といいます。
そして、このシステム全体を分離発注と呼びます。
▼分離発注については、こちらの記事で詳しく解説しています。
注文住宅は“分離発注”が正解?|建築家とつくる家の進め方と“設計施工一括”との違いをやさしく解説

建築家・設計事務所の設計から工事契約までの流れは、次のようになります。
1.建築家が、お施主様の理想の家・建築を設計する。
2.建築家・専門家の知見・実績・実感から判断して特別にコストパフォーマンスが高い数社、全てに見積をとる。(競争入札・相見積)
3.全社の見積が出揃った上で、最もコストパフォーマンスが高いなどの条件の良い施工会社を選ぶ。
4.さらに、御見積が届き次第、建築家が専門家の目線で厳正に金額が適正かをチェックする。
5.予算が合わない場合は、建築家・設計事務所の方から、見た目・クオリティ・機能性を著しく損なうことなく、低コストに変更するアイデアをご提案し、ご相談しながら採用・不採用を決める。

前述した流れからご理解頂けると思いますが、
理想の家づくり、こだわりを詰め込みたいのであれば、初めから1社に設計施工を依頼する工務店・ハウスメーカーと比べれば、システム上、建築家・設計事務所の方がコストパフォーマンスが高く、妥当な金額になる可能性は非常に高いのです。
▼建築家・設計事務所のコストパフォーマンスなど費用面については、こちらの記事で詳しく解説しています。
【建築家・設計事務所が最もコストパフォーマンスに優れる!?設計料など費用面を徹底解説!】
本当に高い?|建築家の注文住宅は高額ではなく“納得価格”──設計事務所のリアルな価格と価値

9.確認申請
9.確認申請
工事の内容が決まり次第、行政の許可が必要な場合には、確認申請が必要です。
審査機関への申請料は、設計料には含まれていません。数万円程度、別途必要になります。申請手続きにかかる手間は、設計料に含まれています。

10.工事契約
10.工事契約
工期・支払条件等を決め、工務店と工事契約を結びます。設計事務所も立会います。
ここで、設計料の30%を請求されることが多いです。
▼工事契約については、こちらの記事で詳しく解説しています。
【必読】工事請負契約とは?|注文住宅で後悔しないために知るべき“契約の核心”-流れ・費用・落とし穴を建築家が徹底解説
▼こちらの記事も参考にしてください。
【注文住宅の「契約」完全ガイド】契約の流れ、費用、注意点、設計契約と工事請負契約の違い-失敗しないために徹底解説

11.工事着工・現場監理
11.工事着工・現場監理
工事着工後、週に1度、現場監理を行います。この間も、素材・設備等のお打合せを行います。
家具やカーテン等のインテリアのコーディネートも依頼すれば無料で対応してくれる設計事務所が多いです。
ぜひ、お気軽にご相談ください。
▼インテリア設計術については、こちらの記事で詳しく解説しています。
“最高のインテリア”とは?|注文住宅の「内装設計」を成功させる7つのポイント-建築家が実践するインテリアデザインの設計術

12.竣工・お引渡し
12.竣工・お引渡し
確認申請が必要であった場合は、完了検査を受け、建築検査済証を受領します。
設計事務所・建築主・施工会社の最終検査を行い、手直し完了後、竣工・お引渡しとなります。
このタイミングで、設計監理料の残りの40%を請求されることが多いです。

13.アフターケア
13.アフターケア
引渡し後も、定期的な点検を行います。
一般的には、1年点検で終わりです。けれども、適切なメンテナンスのためにも、末永くお付き合いさせて頂くのが建築家・設計事務所です。
何かお困りの際は、生涯に渡って、お気軽にご相談ください。

ちなみに、こちらの諸経費は設計料に含まれないことが多いです。別途請求されることが多いので、ご注意ください。
・敷地測量費
・地盤調査費/地盤補償費
・建築確認検査機関への手数料
・その他各種申請料
・構造/設備設計費
・消費税

まとめ
今回は、建築家・設計事務所に家づくりを依頼した場合、
お問い合わせ→相談→依頼→設計→工事→建築完成後まで、
どのような流れ・手順になるのか網羅的に詳しく解説し、各タイミングごとの注意点、建築家・設計事務所の役割やメリットなどの概要も紹介しました。
けれども、今回の記事と、システムや流れが異なる設計事務所もあります。気になる設計事務所があれば、ぜひ、一度は相談し、詳しい話を聞いてみましょう。
▼こちらの記事もおすすめです。
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私たちの設計事務所では、ご相談・間取りなどの提案は無料です。もちろん、土地探しからのご相談も歓迎です。
施工をしない・建築家の家づくりは、工務店・ハウスメーカーなどとは大きく違います。
少しでも家づくりにこだわりたい気持ちがあり、建売などではなく注文住宅を採用されるのであれば、まずは建築家に相談してみること、それから色々と考えるのがおすすめです。
その際、私たちのような、機能・デザイン・コストなど全方位でバランスの良い住まいを目指す建築家であれば、より相談できることは多いことでしょう。
建築家の仕事に距離は関係ありません。私も全国から依頼を承っております。
遠方の方でも距離を気にせずに、建築のことであれば何でもお気軽にお問い合わせ頂けると幸いです。
▼私たちの設計事務所については、こちらのページで詳しくご紹介しています。
About Tabi|愛知県名古屋市の設計事務所Tabi タビについて―非常識な正論とは?

最後に。
住宅設計は、人生のデザイン。
住まいは、生涯の大半を過ごすであろう空間です。
皆様が妥協・後悔・失敗することなく、豊かな暮らしを送れますように。
夢の実現を全力でサポートする、良きパートナー・建築会社が見つかることを願っています。
名古屋の設計事務所 Tabiでは、家づくりに必要な情報や予備知識をブログにまとめ発信しています。
ぜひ、参考にしてみて下さい!
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