性能・構造・耐久性(メンテナンス)についてのご質問

設計事務所Tabiの家づくりに関する、よくあるご質問をまとめました。
このページでは特に「性能・構造・耐久性(メンテナンス)」にまつわるQ&Aを掲載しています。

家の快適性や安全性を支える“見えない部分”こそ、設計者として最も大切にしたい領域。
耐震性・断熱性・気密性などの住宅性能、構造計画、メンテナンスに関する考え方など。
私たちの価値観と技術を、わかりやすくご紹介します。

「デザイン重視=性能に妥協」ではなく、“美しさと機能美”を両立した家づくりを。
そんなTabiの姿勢に共感いただける方は、ぜひ参考にご覧ください。

その他のQ&A(性能・費用・土地・流れなど)についてはこちらをご覧ください。
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建築において、構造は、最も大切な要素のひとつ。
特に地震の多い日本では「どれだけ強い構造であるか」は安心して暮らすための土台です。

地震への強さ、美しいプロポーション、自由な間取り。
Tabiでは「どれか一つ」に特化するのではなく、すべてを丁寧に整えることを大切にしています。

ここでは、構造に関するご質問にお答えします。

 

 

Q1. 地震に強い家にしたいです。耐震性についての考え方を教えてください。

Answer.
住まい・建築の安全性は、構造の精度によって支えられています。
全件、構造計算やその他、必要な計算を実施し、設計上の根拠を明確にするのが私たちの方針です。

具体的には、柱・梁・耐力壁などの配置や剛性のバランス、接合部の強度、水平構面の検討など、建物全体の力の流れを一貫して計画し、耐震性に優れた構造を構築します。

また「とにかく強くする」のではなく、構造上の無理をつくらず、設計の初期段階から合理的に組み立てることが、地震に強い家づくりには何より重要です。

必要に応じて、構造設計者との協働も行いながら、将来起こりうる大地震にも耐え、暮らしが継続できる強さを備えた住宅・建築をご提案します。

 

 

Q2. デザイン性と構造強度のバランスは、どう考えていますか?

Answer.
構造は、建築の美しさを内側から支えるものだと考えています。

そのため、Tabiでは、成り立ちに無理のあるデザインは採用しません。
構造から素直に導き出した合理的なカタチこそ、本質的に美しいと信じているからです。

設計初期から構造と意匠を一体で考えるため、どちらかに負担が強いられることもありません。

構造は制限ではなく、設計を導く軸です。
構造が強ければ強いほど、設計の自由度は広がります。

両立ではなく、統合するという意識で設計しています。

 

 

Q3. 吹き抜け・大開口・中庭など、複雑な形は構造的に不利ですか?

Answer.
設計事務所の役割は、空間の自由度と構造の安定性を合理的に両立させることです。
複雑なかたちであっても、無理なく成立させる方法を考え、設計としてまとめ上げていく。
その過程には、個別の検討も工夫も伴いますが、それを可能にするのが私たちの仕事です。

自由な空間に挑むことと、安全性を確保することは矛盾しません。
そのバランスを整えることこそが、設計の技術であり、建築家に求められる姿勢だと考えています。

 

 

Q4. 耐震等級は取得できますか?

Answer.
ご希望があれば、耐震等級3まで取得可能です。
ただ、設計の初期段階から等級の取得を前提とした検討が必要です。

Tabiでは、等級の有無にかかわらず、構造計算によって根拠ある設計を行い、
本質的に無理のない安全な構造であることを重視しています。

 

 

Q5. ハウスメーカーや工務店の方が安心に感じるのですが、設計事務所との違いは?

Answer.
量産型や、かたちが一定の規格品であれば、ハウスメーカーや工務店の方が合理的で、コスト面でもメリットがあります。
一方で私たちは、住まいを一つひとつゼロから考え、暮らしに合わせて最適なカタチ・構造・性能を計画する立場です。

その都度異なる条件のもとで、必要な強さと合理性を見極めながら、最適なかたちへと導いていく。
汎用的な基準では対応できない領域があるからこそ、自由度の高い設計には、私たちのような専門家の知見が必要になります。

 

 

 

住まいの快適性は、断熱性や気密性といった性能によって支えられています。

「数値」も重要ですが、私たちが特に大切にしているのは、
その性能が暮らしの中でどう機能するか」という視点です。

夏の暑さ、冬の寒さ、風の通り道、素材の機能性・相性など。
このような多面的な要素を丁寧に整え、本質的に心地よい暮らしを設計しています。

ここでは、性能に関するご質問にお答えします。

 

 

Q6. 断熱性能や気密性についての考え方を教えてください。

Answer.
快適な室内環境をつくるうえで、断熱性と気密性は欠かせない性能です。
外気の影響を最小限に抑え、温度差によるストレスやエネルギー消費を減らすこと。
それが結果として、身体にも家計にもやさしい暮らしにつながると考えています。

私たちは、高性能な断熱材や気密工法を“選ぶこと”ではなく、
どう設計に組み込むかを重視しています。

開口部の位置や大きさ、日射の制御など、
建物全体とのつながりの中で、心地よさをかたちにしていきます。

数値に過剰に依存するのではなく、
必要な性能を、必要なかたちで、合理的に備える。

ちょうどいいバランスで、抜群に快適に。

 

 

Q7. 夏の暑さ・冬の寒さに配慮した設計はしていますか?

Answer.
断熱や気密といった性能に加え、
自然の力にどう寄り添うかを設計の中で考えています。

日射の入り方、風の通り道、窓や軒のあり方など。
季節の移ろいを受け止めながら、快適さが持続する建築のありようを整えていく。

設備に頼りきるのではなく、
建築そのものが、夏も冬も静かに働くように設計しています。

 

 

Q8. 長期優良住宅やZEHにも対応していますか?

Answer.
はい、どちらも対応しています。
ただし、等級や基準を満たすことだけを目的とはしていません。

住宅の性能や省エネ性は、その住まいにとって無理のない形で備えることが大切だと考えています。

断熱・気密・設備のバランス、ライフスタイルとの相性、コストとの関係など、
あらゆる要素を踏まえたうえで、必要であれば認定取得にも柔軟に対応しています。

 

 

Q9. 建築家と相談しながら、性能面の要望も出せますか?

Answer.
もちろん可能です。

断熱や気密、換気や設備のことまで、初期段階から、ご要望を共有しながら一緒に整理していきます。

性能をどう確保するかは、設計の自由度やコストにも関わる部分です。
だからこそ、どこにどれだけの性能が必要か、一緒に見極めていくことが大切だと考えています。

必要な性能を、無理なく、合理的に備える。
そのために、性能の考え方も、間取りやデザインと同じように、対話を重ねながら一緒に決めていきます。

 

 

Q10. 吹き抜けや大開口、中庭など、複雑な形の家は性能面で不利ですか?

Answer.
「自由な空間構成」と「性能の確保」は、本来、対立するものではありません。

たとえば、大開口や吹き抜けといった開放的な設計も、
断熱・気密・日射制御といった要素を適切に組み込めば、十分に快適性を保つことができます。

大切なのは、空間の魅力を損なうことなく、
その建築にふさわしい“ちょうどいい性能の備え方”を見極めること。

自由なかたちを前提に、性能も自然に織り込んでいく。
そのバランスを整えるのが、私たち建築家の役割だと考えています。

 

 

 

住まいは、完成して終わりではありません。
そこから続く長い時間にこそ、本当の価値が試されるもの。

だからこそ私たちは、耐久性とメンテナンス性にもしっかりと目を向けています。

素材の選定、劣化しにくい納まり、防水や通気の工夫など。
年月を経ても、安心して暮らせる住まいを前提に、将来の維持管理まで見据えて設計しています。

ここでは、耐久性やメンテナンスに関するご質問にお答えします。

 

 

Q11. 耐久性やメンテナンス性について、どのように考えていますか?

Answer.
住まいは「完成したら終わり」ではなく、暮らしの時間とともに成熟していくものです。
だからこそ、劣化に強く、手入れしやすい設計が大切だと考えています。

私たちは、水に弱い部分の納まり方や、風雨にさらされやすい素材の使い方に配慮し、将来のメンテナンスコストまで見据えた提案を行います。

「できるだけ長く、安心して暮らせるかたち」を前提に、美しさと耐久性を両立する設計を心がけています。

 

 

Q12. 住宅の寿命を伸ばすために、どんな工夫をしていますか?

Answer.
外壁や屋根には、風雨や紫外線に強い素材を選びつつ、自然素材を使う場合も、軒下や風雨が直接当たらない場所に用いるなど、劣化を抑える設計的な工夫を施しています。雨仕舞や通気・防水の納まりも、将来的な補修や点検がしやすいよう、シンプルかつ確実に整えています。

私たちは、「完成した瞬間がゴールではない」という視点で、日々の環境変化や将来のメンテナンスも見据えながら、できるだけ長く、安心して暮らせる住まい・建築を設計しています。

 

 

Q13. 自然素材はメンテナンスが大変ではありませんか?

Answer.
たしかに自然素材は、工業製品のように“まったく手間がかからない”というわけではありません。けれども、適切な場所に使い、風雨を避ける設計的な配慮を重ねることで、過度なメンテナンスを求められることはほとんどありません。

たとえば、木材や左官壁は、庇の下や室内など紫外線や雨の影響を受けにくい場所に用いることで、美しさを長く保ちやすくなります。

また、経年変化によって少しずつ味わいや深みが生まれることも、自然素材ならではの魅力です。時間の流れとともに表情が育っていくその過程も、住まいとともに時を重ねていく楽しみのひとつだと、私たちは考えています。

 

 

Q14. 経年変化について、どのように考えていますか?

Answer.
私たちは、基本的には「耐久性や対候性の高い素材やデザイン」を前提に、長く美しさが保たれる設計を心がけています。できるだけメンテナンスに追われず、いつまでも清潔感と品のある佇まいを維持できることは、暮らしにおいて大きな安心につながると考えています。

一方で、すべてを「変わらない状態」に閉じ込めるのではなく、部分的には経年による“味わい”も取り入れています。たとえば、庇の下や内装の一部など、風雨の影響を受けにくい場所には自然素材を用い、ゆっくりと深まっていく表情を楽しめるように設計しています。

変わらない美しさと、変化する美しさ。その両方を丁寧に織り交ぜながら、長い時間の中で成熟していく住まいを目指しています。

 

 

Q15. 雨漏りや構造の劣化が心配ですが、防ぐための設計上の工夫はありますか?

Answer.
雨仕舞や防水、通気の計画は、建物の耐久性を左右する根幹部分です。デザインが美しくても、数年で劣化や漏水が起きてしまっては意味がありません。

私たちは、屋根の勾配や軒の出、開口部の位置や風の流れまで丁寧に読み取りながら、雨水が溜まらず、内部に侵入しない納まりを細部まで設計しています。

さらに、防水層や通気層の確保により、壁体内に湿気がこもらない構成とし、構造材の腐朽や断熱材の劣化を防止。外壁の見た目だけでなく、内部の“呼吸”まで整える設計を徹底しています。

私たちが大切にしているのは、表面的な意匠ではなく、見えない部分にこそ宿る本質的な安心です。
住まいの寿命をのばし、家族の暮らしを静かに支え続けるために。
設計段階から「見えない部分」をおろそかにしないこと。
それが、建築家の責任であり、Tabiの設計姿勢です。

 

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