狭小地とは?やめたほうがいい?メリット・デメリット・注意点、設計のポイント。

これから家づくりを始める方や土地探しをしている方で、都心の利便性の高いところに住みたい方は、たくさんいらっしゃることでしょう。けれども、より都心で利便性が高くなるほど、土地の価格は高騰します。
このことに、頭を悩ませる方も多いのではないでしょうか?

そのような方は、立地条件が最高でも価格は控えめな「狭小地」を選択肢に入れてみませんか?

 

 

「狭小地」を敬遠されている方の多くは、大きなメリットをご存じなかったり、デメリットを大きな問題として捉えすぎている傾向があるように感じます。けれども、実は、「狭小地」は土地探しで抱えている悩みを意外とサラッと解決する可能性を持っているのです。

そこで、今回は、狭小地のメリット・デメリットや注意点、設計のポイントを解説!
狭小地の家づくりの際、おすすめの間取りや工夫も紹介します!

 

変形地の土地購入は、やめたほうがいい?変形地のメリット・デメリット・注意点を解説!

 

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「狭小地」に細かな定義はなく、面積の小さな土地を総じて「狭小地」と呼びます。
とはいえ、一般的には、20坪以下の土地を指します。
狭小地は、都市計画などで意図してできた土地であることは少なく、古い土地であったり、正方形や長方形といった整形でないことが多いです。都心部などの人口密集地に多いのも特徴の一つです。

 

狭小地とは?やめたほうがいい?メリット・デメリットや注意点、設計のポイントを解説!

 

 

最近では、狭小地ならではのメリットを活かした「狭小住宅」や「狭小地」にも人気が出ています。どのようなところが魅力で人気が出ているのでしょう?

ここからは、狭小地のメリットを解説します。

メリットは、5つあります。それぞれ詳しく解説します。

 

 

 

狭小地のメリット・一つ目は、利便性が高い場所にあることです。

狭小地は、首都圏や都心部、駅近に位置することが多いです。つまり、利便性が高く、人気がある立地に多いのです。そのような狭小地を選択することで、生活圏を便利な場所にして、暮らしやすさを得ることが出来ます。

 

 

 

狭小地のメリット・二つ目は、土地購入費を抑えられることです。

土地購入費を抑えられるのも、狭小地を選ぶ際の大きなメリットです。
利便性の高い場所、首都圏や都心部、駅近などは、非常に人気が高く、坪単価が高騰します。けれども、狭小地であれば、坪単価が高くとも面積が小さいので、土地購入費を抑えられます。

 

 

 

狭小地のメリット・三つ目は、税金を抑えられることです。

土地が狭いことで、固定資産税・都市計画税などの税金が安くなることもメリットの一つです。
固定資産税・都市計画税は、税額を計算する際、固定資産税評価額を基準とします。この固定資産税評価額は、土地や家屋の面積に応じて変わります。つまり、土地や建物の面積が小さければ小さいほど、固定資産税・都市計画税などの税金は安くなるのです。さらに、固定資産税には「住宅用地の面積が200平米以下であれば、課税標準額は価格の1/6となる」という特例措置があります。
狭小地であれば、税金は、それ以外の土地と比べて、かなり安く抑えられます。

 

 

 

狭小地のメリット・四つ目は、掃除が楽なことです。

狭小地の場合、土地の面積が小さいので、家の外の掃除が楽です。
また、狭小地に「狭小住宅」を建てた場合でも、フロアごとの床面積は小さいので、家の中の掃除も楽です。
面積が小さいことは掃除やメンテナンスの面でメリットです。

 

 

 

狭小地のメリット・五つ目は、ランニングコストが抑えられることです。

生活すれば、光熱費・設備・修繕費などの様々お金がかかります。そのようなコストをランニングコストといいますが、狭小地・狭小住宅はランニングコストの面も抑えられます。
例えば、部屋の面積が小さければ、エアコンの効率がよく、電気代・光熱費は抑えられますし、ハイスペックなエアコンも必要ありません。設備機器の費用も抑えられます。
狭小住宅であることを活かし、外壁などのメンテナンス・修繕費を抑えられるような建築計画も可能です。

 

狭小地とは?やめたほうがいい?メリット・デメリットや注意点、設計のポイントを解説!

 

 

ここからは、狭小地のデメリットを紹介します。
狭小地には、一般的には知られていない、大きなデメリットもあります。知らないまま購入して後悔する、といったことがないように、本記事で、デメリットと対策を整理していきましょう。

狭小地のデメリットは、3つあります。それぞれ詳しく解説します。

 

 

 

狭小地のデメリット1つ目は、融資・住宅ローンの審査で不利になる可能性があることです。

住宅ローンなどの融資を受ける際には、不動産を担保にしますので、審査の際は、担保にする不動産の資産価値も問われます。例えば、融資の条件には、土地の面積・住宅の床面積の下限が定められていることもあり、狭小地・狭小住宅では基準に満たず、希望の金融機関では融資を受けられない可能性があるのです。
けれども、金融機関ごとに条件が違いますので、どうやっても住宅ローンを組めない、融資を受けられない、というケースは非常に稀です。まずは、不要なトラブルを避けるためにも、事前に希望の金融機関へ確認しておきましょう。

 

 

 

狭小地のデメリット2つ目は、売却の際、買い手が見つかりにくいことです。

前述した通り、狭小地・狭小住宅は、融資・住宅ローンの審査で不利であったり、そもそも、狭いことが原因で、敬遠されがちです。そのため、売却時には、買い手が見つかりにくいです。
ただし、狭小地を専門、あるいは得意とした不動産会社に仲介を依頼する方法もあります。

 

 

 

狭小地のデメリット3つ目は、建築計画は制限されることが多いことです。

「狭小地」は、首都圏や都心部、駅近に位置することが多いですが、このようなエリアは防火地域・準防火地域に該当することが多く、仕上げや構造などの建築計画に制限が出ます。
また、そうではない場合であっても、「北側斜線制限」「道路斜線制限」「隣地斜線制限」といった高さの制限、加えて、「容積率」「建蔽率」といった面積の制限には、特に注意が必要です。
3階建てに出来ない可能性や形状に制限がある可能性があり、これらの制限を土地選びの際に見落とすと、希望の建物が計画できない可能性が高いです。

 

 
建築計画に対する制限の内容の確認方法としては、役所の窓口で確認する、などがありますが、一番いいのは、土地探しの早い段階から、住宅会社に相談することです。

土地と建築は、同時に計画するのがセオリーです。早い段階で建築会社に相談し、土地と建築を同時に計画すれば、家づくりの成功に着実に近づくことが出来ます。

 

 

 

建築地が狭小地であっても、設計・建築計画次第で、心地よく機能的な住まいは実現可能です。
ここからは、狭小地での設計・建築計画のポイントを紹介します。

土地の面積は小さくても、居住スペースを広くするいくつかの方法をご紹介します。

 

 

階数を3以上にする。
建物の階数を3以上にするのは、居住スペースの床面積を確保する上で、最も単純で効果の高い方法です。その中でも、3階建てがメジャーですが、木構造にこだわらなければ、3階建て以上も検討可能です。

屋上
屋上を有効利用するのもいいでしょう。
例えば、狭小地では十分な庭を設けることは難しいですが、建物には、必ず、ある程度のスペースを持った屋根・屋上があります。その屋上を庭の代わりに使い、家族の憩いの場とするのも良いでしょう。

 

 

ロフト・床下収納
ロフトや床下収納を有効活用し、収納などのスペースを確保することも可能です。
ある程度、大きな面積を持つロフト・床下収納を確保できれば、収納を集約することもできます。その分、居住スペースの収納スペースは省くことができると考えれば、生活空間は広くなります。

吹抜
狭小地の建築計画では、狭小住宅となることが多いので、圧迫感が出やすいです。その打開策としては、吹抜をつくり、居住スペースの体積を広くすることも有効でしょう。
また、狭小地では周囲の建物が密集していて、採光をどうやって取り入れるか課題になることも多いです。そのような場合にも、吹抜を活用し、天窓やハイサイド窓を設ければ、採光の課題を解決できます。

 

 

 

今回は、狭小地の特徴や注意点、設計のポイントを解説しました。
狭小地のようなメリットもデメリットも大きい特徴的な土地では、設計力がものをいいます。間取りや工夫次第で、デメリットを克服した心地よい家づくりは可能です。狭小地だからといって、悪い土地というわけでもなく、土地購入をやめたほうがいいわけでもありません。良い土地であるかどうかは、建築計画・設計次第です。

 

 
土地と建築は、同時に計画するのがセオリーです。土地探しの段階から、早めに建築会社に相談しましょう。土地と建築を同時に計画することで家づくりの成功に着実に近づくことが出来ます。

 

 

私たちの設計事務所では、ご相談・間取りなどの提案は無料です。もちろん、土地探しからのご相談も歓迎です。

施工をしない・建築家の家づくりは、工務店・ハウスメーカーなどとは大きく違います。
少しでも家づくりにこだわりたい気持ちがあり、建売などではなく注文住宅を採用されるのであれば、まずは建築家に相談してみること、それから色々と考えるのがおすすめです。

その際、私たちのような、機能・デザイン・コストなど全方位でバランスの良い住まいを目指す建築家であれば、より相談できることは多いことでしょう。

建築家の仕事に距離は関係ありません。私も全国から依頼を承っております。
遠方の方でも距離を気にせずに、建築のことであれば何でもお気軽にお問い合わせ頂けると幸いです。

 

 

最後に。
住宅設計は、人生のデザイン。
住まいは、生涯の大半を過ごすであろう空間です。
皆様が妥協・後悔・失敗することなく、豊かな暮らしを送れますように。
夢の実現を全力でサポートする、良きパートナー・建築会社が見つかることを願っています。

 

名古屋の設計事務所 Tabiでは、家づくりに必要な情報や予備知識をブログにまとめ発信しています。
ぜひ、参考にしてみて下さい!

土地に関する絶対に把握しておいて頂きたい内容はこちら↓のリンク・記事にまとめています。ぜひ、こちらの記事も合わせて、参考にしてみてくださいね!

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