北側斜線制限とは?|建築基準法の規制内容と土地購入前の注意点

新しい住まいを計画する際、建築基準法によって面積や高さが制限されることがあり、注意が必要です。
その中でも該当すると最も厄介な法規制の1つが「北側斜線制限」です。非常に厳しく、この制限のおかげで建物の形が限定されたという方も多いのではないでしょうか?

 

 
土地を探す際や建築を計画する際には、「北側斜線制限」の規制が無いか、ぜひとも、チェックしてください。

そこで、今回は「北側斜線制限」とは、どのようなものなのか、規制内容や調べ方、該当する土地を購入する際の注意点などを解説します。

 

 

YouTube

この記事を執筆した建築家が手掛けた住まいは、こちら↓の動画でご覧頂けます。 

 

その他の動画・ルームツアーは、こちら↓からご覧頂けます!

【 YouTube 一覧 】

 

 

【土地探し情報 まとめ】は、こちら↓

【SITEー土地を探す:土地探しに関するブログ一覧】

 

 

 

〈規制の概要〉
北側斜線制限とは、敷地北側に対して、その隣地の日当たり・日照環境を保全するために設けられている規制のことです。その規制内容は、「敷地北側の隣地境界線から、斜線状に設定された建物の高さ上限を超えてはならない」というものです。

 

 

該当エリア〉
北側斜線制限は、建物の高さを厳しく規制します。そのため、すべての地域に制限されている訳ではありません。
低層の住宅地としての利用を誘導するエリア、すなわち、
第1種・第2種低層住居専用地域
第1種・第2種中高層住居専用地域
田園住居地域
上記のエリア内の建築に適用されます。
これらのエリアは、北側斜線制限によって、建物高さは制限されますが、日照環境は保全されるエリアになります。

 

 

 

具体的な規制内容を図解と表で解説します。

 

北側斜線制限とは?規制内容と土地を購入する際の注意点を解説します!

 

第一種・第二種低層住居専用地域・田園住居地域の場合
→真北方向の水平距離×1.25+5M

 

第一種・第二種中高層住居専用地域の場合
→真北方向の水平距離×1.25+10M

北側斜線制限によって制限された範囲の外側にはみ出す部分は建築できません。
その場合は、傾斜をつけて、北側隣地の日当たりを妨げないようにします。

 

用途地域北側斜線制限による制限
第一種・第二種低層住居専用地域
田園住居地域
真北方向の水平距離×1.25+5M
第一種・第二種中高層住居専用地域真北方向の水平距離×1.25+10M

 

 

 

北側斜線制限の規制がかかる場合には真北に対して測定し、その水平距離で計算する必要があります。
真北測定器・TOMIO式などで測定しましょう。

 

北側斜線制限とは?規制内容と土地を購入する際の注意点を解説します!

 

 

建築地と北側隣地に高低差がある場合には、次のように、北側斜線制限を計算します。

〈北側隣地が建築地よりも高い
北側隣地が建築地よりも1M以上高い場合は、「(高低差-1M)÷2」の高さ、敷地の地盤面が高いとみなして北側斜線の計算をします。

北側隣地が建築地よりも低い〉
北側隣地が建築地よりも低い場合は、考慮しません。高低差はないものとして、北側斜線制限の計算をします。

 

 

 

最後に、北側斜線制限の土地を購入する際のリスクについて解説します。

北側斜線制限の規制がかかるエリアでは、建物の高さが厳しく制限されます。
2階建ての住宅が建てられない、というケースは稀ですが、少なからず影響することは十分ありえるでしょう。
3階建て以上の階数を希望される場合には、建物の形状や間取りが限定されるどころか、そもそも建築できない可能性すらあります。

 

 

3階建て以上の建築を希望される際は、「北側斜線制限」「道路斜線制限」「隣地斜線制限」「日影規制」など建築の高さ関係の制限・規制は、あらかじめ網羅的にチェックしておきましょう。
希望される建築や暮らしを実現するためにも、土地購入前に、綿密な調査や具体的な建物の計画をしておくことが必要です。

 

北側斜線制限とは?規制内容と土地を購入する際の注意点を解説します!

 

 

今回は「北側斜線制限」とは、どのようなものなのか、規制内容や調べ方、該当する土地を購入する際の注意点などを解説しました。
北側斜線制限の他にも、建築基準法によって、面積や高さが厳しく制限されることがあります。
そのため、土地と建築は同時に計画するのがセオリーです。
土地探しの際には、まずは不動産会社ではなく、住宅会社に相談しましょう。
土地と建築を総合的に提案してもらえるよう、お願いするのがおすすめです。

 

 

私たちの設計事務所では、ご相談・間取りなどの提案は無料です。もちろん、土地探しからのご相談も歓迎です。

施工をしない・建築家の家づくりは、工務店・ハウスメーカーなどとは大きく違います。
少しでも家づくりにこだわりたい気持ちがあり、建売などではなく注文住宅を採用されるのであれば、まずは建築家に相談してみること、それから色々と考えるのがおすすめです。

その際、私たちのような、機能・デザイン・コストなど全方位でバランスの良い住まいを目指す建築家であれば、より相談できることは多いことでしょう。

建築家の仕事に距離は関係ありません。私も全国から依頼を承っております。
遠方の方でも距離を気にせずに、建築のことであれば何でもお気軽にお問い合わせ頂けると幸いです。

 

 

最後に。
住宅設計は、人生のデザイン。
住まいは、生涯の大半を過ごすであろう空間です。
皆様が妥協・後悔・失敗することなく、豊かな暮らしを送れますように。
夢の実現を全力でサポートする、良きパートナー・建築会社が見つかることを願っています。

 

名古屋の設計事務所 Tabiでは、家づくりに必要な情報や予備知識をブログにまとめ発信しています。
ぜひ、参考にしてみて下さい!

土地に関する絶対に把握しておいて頂きたい内容はこちら↓のリンク・記事にまとめています。ぜひ、こちらの記事も合わせて、参考にしてみてくださいね!

【SITEー土地を探す:土地探しに関するブログ一覧】

【失敗しない!土地探しはコレが正解!土地の購入方法まとめ!】

【土地と建築会社、どちらを先に決めるのが正解?失敗しない注文住宅・土地探しの秘訣を解説!】

【土地探しのチェックポイント・注意点を解説!後悔や失敗しない土地選びのためのチェックリスト!】

関連記事

おすすめ記事
特集記事
  1. 注文住宅で失敗しない窓の選び方|開閉方法・形状・位置別に種類・特徴・メリット・デメリット

  2. 【耐震構造】木造注文住宅-耐震性を高める7つの設計ポイント|地震に強い家にする間取り・形状・注意点

  3. “最高のインテリア”とは?|注文住宅の「内装設計」を成功させる7つのポイント-建築家が実践するインテリアデザインの設計術

  4. “暮らしやすい家”のつくり方|建築家が語る-性能では測れない“注文住宅の本質”と“設計の考え方”

  5. 【大きな家・小さな家】どちらが正解?徹底比較|注文住宅の大きさ・面積・広さで失敗しないための考え方

  6. 【注文住宅の「契約」完全ガイド】契約の流れ、費用、注意点、設計契約と工事請負契約の違い-失敗しないために徹底解説

  7. 注文住宅の土地探しで後悔しない方法|失敗を防ぐ選び方と確認すべき注意点

  8. 建築家にもタイプがある?|設計事務所の3分類 – 前衛・匠・大御所の違いとあなたに合う依頼先の見つけ方

  9. 【注文住宅】最もコストパフォーマンスに優れるのは”建築家”?|設計料と費用の真実

  10. 坪単価の「落とし穴」とは?|比較で後悔する前に知るべき“相場のウソと本質”

  1. 「高断熱=快適」は真実か?|断熱等級4でも“心地よい家”をつくる注文住宅の賢い戦略 ─ オーバースペックは大きな損?

  2. 土地探しで損しない!値引き交渉の成功術と土地選びの注意点

  3. 【省エネ住宅の真実】断熱・気密・換気・設備・設計|“快適とエコ”を両立する家づくり・注文住宅-5つの核心

  4. 家事動線がいい家の間取りとは?|注文住宅で家事がラクになる設計の工夫・5つのポイント

  5. 【後悔しないために】長期優良住宅は本当に損しない?|補助金・資産価値・寿命のウソと真実【注文住宅の落とし穴】

  6. 【必読】工事請負契約とは?|注文住宅で後悔しないために知るべき“契約の核心”-流れ・費用・落とし穴を建築家が徹底解説

  7. 吹き抜けは本当に危ないのか?|注文住宅で失敗しないための構造設計と補強の考え方(吹き抜け編)

  8. 構造設計と構造計算でつくる“本当に地震に強い家”|耐震性能を“数値で証明”する設計の力とは?

  9. 建築家の設計事務所 vs 設計士の工務店-“決定的な違い”とは?|注文住宅で後悔しない選び方

  10. 本当に高い?|建築家の注文住宅は高額ではなく“納得価格”──設計事務所のリアルな価格と価値

TOP
オープンハウス イベント 資料請求 お問い合わせ