【設計事務所×構造設計】なぜ、建築家は“構造設計事務所”と協働する?ー耐震性と自由設計を支える役割

はじめに|構造設計も家づくりの主役

家づくりには、
意匠(デザイン)・構造(安全)・法規・性能
など様々な側面があります。

どれも欠けてはならない主役です。

だからこそ、
建築家と家づくりを進めるときには、
その背後に、
もう一つ大切な存在がいることも多いもの。

その存在が、
“構造設計事務所”です。

 

 

建築家に依頼した場合は、
「建築家が全て1人で解決するものだ」
と、思われている方も多いかもしれません。

もちろん、
建築家は全体を束ね、設計の中心に立ちます。

しかしながら、
本当に自由度も精度も高い住宅設計を求めると、
各分野の専門家の知識・知恵を借り、
協働する場面が増えてきます。

その最も代表的な専門家が、
構造設計者・構造設計事務所です。

 

 

そこで本記事では、
なぜ建築家は構造設計事務所と協働するのか」
という視点から、
“自由設計と耐震性の関係”について解説します。

具体的には、

・意匠と構造の役割
・自由設計と耐震性の両立
・協働がもたらす精度と合理性

といった論点を整理していきます。

 

 

結論からいえば、

自由な設計は、構造によって担保されるものであり、

デザインと耐震性は対立ではなく、
補完の関係として扱う。

それが、本来のセオリーです。

 

 

本記事が、
建築家との家づくりを検討されている方にとって、
住宅設計の“見えない部分”を理解する一助となれば幸いです。

 

愛知県・名古屋市の設計事務所・建築家としての
考え方や取り組みは、こちらにまとめています。

▶ トップページ:Tabi タビ|愛知県名古屋市の設計事務所

 

 

■ 意匠(デザイン)と構造(耐震性)-領域の異なる専門家

まずは、
意匠(デザイン)と構造(耐震性)について整理します。

意匠(デザイン)は、
空間体験・体感、素材、光、暮らしやすさ
などが関わる領域です。

構造(耐震性)は、
力学的な流れ、耐震性、構造部材、接合部
などの検討が関わる領域です。

このように、
それぞれ扱う領域と尺度は異なります。

 

 

たとえば
吹き抜け、中庭、大開口、
軽やかな階段、広い屋根、片持ちのバルコニー。

暮らし・空間を豊かに見せるアイデアは、
意匠(デザイン)から出てくるものです。

けれど、
それを成立させる技術は、
「構造」に集約されることも多い。

対立ではなく、
意匠と構造は、補完の関係です。

 

 

■ 自由設計は“構造”で成立する

建築家が空間を提案し、
構造設計者が成立性を担保する。

その協働こそが、
自由設計の“裏側を支える技術”と言えます。

 

開放的な空間などの自由設計は、
構造で支えられ、

吹き抜けも大開口も、
構造が整ってはじめて形になるものです。

 

 

■ 耐震性は“前提”

構造の話になると、
耐震性が心配という言葉が出てきます。

地震のある国だからこそ、
安全性は揺るぎない前提です。

ただし、耐震性はただ強ければ良いわけではない。

強さ / バランス / 合理性

構造設計は、この3つを整えながら成立させることがセオリーです。

 

 

■ 美学×力学=“合理性”という考え方

自由設計で扱われる空間は、
ただ成立すれば良いわけではありません。

暮らしやすさ、空間の魅力、
構造の無理のない成立、
コスト、工期、施工性など

このような
全条件を整合させ、一つに束ねる必要がある。

 

 

このとき重要になるのが、
“合理性”という視点・考え方です。

建築が合理的に成立するには、
意匠だけ、構造だけ、
片側が良ければいいというものではありません。

美学と力学が交わるところで、
建築は“建築として立ち上がる”のです。

 

 

■ 建築家×構造設計事務所|協働がもたらす精度

構造設計事務所との協働は、
単に安全性を確保するためだけの仕組みではありません。

空間の解像度や精度を高めるプロセスです。

 

 

意匠側から、
吹き抜けや開口などの要望やアイデアが出る。

構造側から、
合理的な部材寸法、梁成、スパン、耐力壁の位置、
基礎寸法、接合部の検討が出る。

この往復を繰り返す中で、
空間の納まりが決まり、
天井のラインが整理され、
建築が整っていきます。

一見すると地味な作業ですが、
完成した住宅の見え方や使い勝手に
大きく影響します。

 

 

■ 現場の迷いが減る|スムーズな施工

構造が整理されている住宅設計は、
現場でも迷いが少なくなります。

梁成や寸法、壁の位置が曖昧であれば、
現場判断が増えるものです。

現場判断が増えれば、
意匠と構造の調整も増え、
品質のばらつきが起きやすくなる。

逆に、
構造の詳細まで、設計段階で十二分に整理されていれば、
現場は淡々と進みます。

淡々と進む現場は、結果的に精度と品質が出やすい。

協働には、“現場の精度”を上げる効果もあります。

 

 

■ 構造設計で“全体のコストも整う”

構造設計を依頼すると、
費用が増えると考える方は少なくありません。

しかし、自由度の高い住宅ほど、
構造は、全体のコストに大きく関わる問題。

構造設計が合理的であれば、
全体のコストも整います。

 

 

たとえば、
優れた構造設計は、次のような“無駄”を減らします。

・無理のある納まり
・現場での判断
・変更や手戻り
・仕上げの調整
・過剰な梁成や部材

 

 

部材寸法やスパンが整理し、
優れた構造設計は、次のような“合理性”へ導きます。

・材料の最適化
・施工手順の簡素化
・工期の安定
・精度の均一化

 

 

結果として、
構造設計の費用は、単純に、
その分が加算されるものではなく、

むしろ、
“無駄”を削除し、全体が合理的になるケースが多い。

自由設計の住宅では、

無理を通す、よりも
「筋を通す」方が、コストと品質が噛み合います。

 

 

■ Q&A|建築家×構造設計事務所に関するよくある疑問

ここからは、
建築家と構造設計事務所の協働について、
家づくりの検討段階で寄せられることの多い疑問を
Q&A形式で整理します。

 

Q1|建築家に依頼すれば、構造も全部やってくれるの?

A|設計全体の統括は建築家が行います。
自由度の高い設計や開口計画などがある場合は、
構造の専門家と協働することがあります。
これは役割分担ではなく、精度と合理性のための協働です。

 

Q2|構造設計事務所に頼むと費用が上がる?

A|内容や規模により異なります。
構造設計の介入は、
“無理のある納まり”・“現場での手戻り”などを減らす効果もあります。
結果として、総合的な合理性を生みやすいです。
費用は単純に加算とは限りません。

 

 

Q3|構造を強くするとデザインが制限される?

A|逆です。
自由な空間ほど構造の視点が不可欠です。
デザインと耐震は対立ではなく補完です。

 

Q4|吹き抜けや大開口は耐震的に弱い?

A|“吹き抜けそのもの”が弱いのではなく、
構造検討を省略した吹き抜けが弱いだけです。
設計と構造が整理されていれば成立します。

 

 

Q5|家づくりのどの段階で協働するの?

A|自由設計の場合は、
プラン段階から構造側と往復することが多いです。
後工程に回すほど、無理が出ます。
前工程で整理する方が合理的です。

 

Q6|構造設計の介入で施工はどう変わる?

A|曖昧さが減り、現場の迷いが減ります。
結果として品質のばらつきが小さくなりやすいです。

 

 

■ まとめ|自由設計は“意匠と構造”の重なりで成立する

自由設計は、意匠だけでは成立しません。

構造と重なった時に、
はじめて、デザインに自由が生まれる。

住宅には、様々な領域があり、
その全てを同時に整えた時に、
建築は、建築として、合理的に立ち上がる。

建築家と構造設計者の協働は、
そのためのごく自然な方法です。

 

 

“自由設計”に、デザインだけでなく、
暮らしやすさ・構造の合理性も求めたい方へ。

私たち、設計事務所 Tabi(タビ)は、
意匠・構造・暮らしを一つに束ね、
空間に自由度を与えます。

無理を通すのではなく、
筋を通す家づくり。

素直なデザイン、
暮らしやすい機能性と合理性。

それが私たち、Tabiの家づくりです。

 

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初回のご相談・ご提案は無料です。

暮らしや土地、価値観に合う住まいを
無理のないペースで検討したい方。

ぜひ、お気軽にご相談ください。

 

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