【二階建て注文住宅】総二階・部分二階の違いとは?|メリット・デメリット・平屋との比較・施工事例も紹介

家づくりを始めるにあたって、まずは「新しく暮らす家は、平屋・二階建て、どちらにするか」から考える方も多いのではないでしょうか?
平屋にも、二階建てにもメリット・デメリットがありますので、それぞれ整理して考えたいところです。

 

 

そこで今回は「平屋 or 二階建て」どちらが良いか判断しやすいように、二階建てのメリット・デメリットを詳しく解説。二階建ての種類や可能性、弱点なども紹介します。

ぜひ、最後まで読んで、参考にしてみて下さい。

 

 

YouTube

この記事を執筆した建築家が手掛けた住まいは、こちら↓の動画でご覧頂けます。 

 

その他の動画・ルームツアーは、こちら↓からご覧頂けます!

【 YouTube 一覧 】

 

 

間取り・これだけは知っておきたい基礎知識・まとめは、こちら↓

【PLAN-間取り・これだけは知っておきたい基礎知識・まとめ・ブログ一覧】

 

 

 

まずは、二階建ての住宅の概要から整理しましょう。

二階建てとは、階数が二階までの建築のことです。
重要なのは、二階建てには、総二階建て」「部分二階建ての二種類がある、ということです。

それぞれ詳しく解説します。

 

 

 

総二階建て」「部分二階建てを解説するにあたり、まずは、それぞれ比較してみましょう。

「総二階建て」「部分二階建て」を比較すると、次のようになります。

 

面積比自由度形状デザインコスト
総二階建上下階同面積シンプル
部分二階建1階が大きい複雑

 

面積比
2階建ての住宅で、1階と2階の面積が等しい住宅が「総二階建て」です。
対して、1階部分の方が2階部分よりも面積が大きい住宅は「部分二階建て」と呼びます。

計画の自由度
「総二階建て」は1階と2階を同じ面積にする必要があるため、「部分二階建て」よりも計画の自由度が制限される傾向があります。
「総二階建て」の1階に諸室や設備を集中させると、2階が空いてしまい、非効率となりますので注意しましょう。1階と2階に効率よく部屋を割り当てていく必要があります。

形状
「総二階建て」の方が「部分二階建て」よりも形状がシンプルになる傾向があります。

デザイン
「部分二階建て」の方が、形状に凹凸をつくりやすいです。
「総二階建て」よりも「部分二階建て」の方が奥行感のある素敵な外観を演出するには有利だと言えます。

コスト
「総二階建て」の方が外壁の面積が少なくなります。外壁は、塗料・断熱材など使用する建材が多いので、外壁が少なければ、コストが安くなります。
そのため、同じ延べ床面積部分である場合には、「部分2階建て」よりも「総二階建て」の方がコストの面では有利だと言えます。

 

 

 

ここまで「総二階建て」「部分二階建て」について解説しました。

ここからは、どちらも含めて、「二階建て」の場合のメリットを解説します。

結論としては、

二階建ての最大のメリットは、広い土地が必要ないこと。

 

 

二階建て住宅の場合、平屋とは違い、2階にも諸室を配置できるので、狭い土地でも十分な居住スペースを確保しやすいです。縦の空間を使って、限られた敷地面積を有効に活用することができます。

二階建てのメリットは、「広い土地が必要ない」これだけ覚えておけば良いでしょう。

 

【土地探し情報 まとめ】は、こちら↓

【SITEー土地を探す:土地探しに関するブログ一覧】

 

 

その他のメリットを挙げるのであれば、平屋よりも、
・固定資産税の面で有利になる可能性がある。※土地や基礎部分の面積の面で有利。
・床上浸水のリスクが低くなる。※家全体が水浸しになるリスクは低い。
といったことが挙げられます。

 

 

 

二階建てのメリットは「広い土地が必要ない」これだけ覚えておけば良いでしょう、と説明しました。

その他にも、下記の点が2階建てのメリットとして挙げられます。
・上下階で機能などを分離できる。
・道路からのプライバシーが確保しやすい。
・二世帯で生活しやすい。
・周りの家の影響を受けにくい

 

 

しかしながら、「広い土地が必要ない」ということ以外は、設計次第で、平屋でも十分可能です。さらに、2階建てであることが逆に不利となることもあります。ケースバイケースで変わってくることで、実際には、具体的に敷地を見てみないと分からないことだと言えるでしょう。

 

 

建築費用が2階建ての方がお値打ち。」というように考えられていますが、設計力次第では、そんなことは無いと考えて良いでしょう。
たしかに、平屋の方が、基礎・屋根の面積が大きくなるので、坪単価は高くなりやすいです。
けれども、2階建ては「階段」が必須で「廊下」も生まれやすいです。両方合わせると、約3~4坪ほどは生まれると考えておいた方が間取りの自由度が制限されることがありません。

 

廊下については、こちら↓の記事で詳しく解説しています。
【廊下のない家?そのメリット・デメリット、後悔しないための間取り、設計のポイントを解説。】

 

 

一方で平屋であれば、LDK・玄関が全ての動線を兼ねるような間取りも可能で、階段・廊下が必要ない間取りも十分可能です。
そのため、部屋数・各部屋の大きさ・機能・要望・収納量などが同じ条件であれば、トータルで考えれば、2階建ての方がコストが上がることも、十分あり得ます。

 

坪単価については、こちら↓の記事で詳しく解説しています。
【坪単価に騙される人、もうさすがにいない?相場・平均・比較に意味あるの?】

 

 

 

続いて、二階建てのデメリットについて解説します。二階建てのデメリットは、

平屋の方が、楽(ラク)で楽しい(たのしい)。

つまり、階段がないために、平屋の方が暮らすのが非常に楽(ラク)、バリアフリーで動線がコンパクトで機能的です。また、全てが1階に集約されるので、家族間のコミュニケーションがとりやすく、外部・庭が身近なものとなり、平屋の方が暮らすのが非常に楽しい(たのしい)家になりやすいと言えます。

 

 

平屋のメリット・デメリットは、こちら↓の記事でも詳しく解説しています。
【平屋での注文住宅が人気の理由!メリット・デメリットや二階建てとの比較、施工事例を紹介。】

とはいえ、二階建てでも、楽しい家は十分可能です。

最後に、私の事務所が設計した2階建ての実例をご紹介しますので、参考にしてみてください。

 

 

「2階建ては、台風・強風・地震などの震災・災害に弱い」ということを2階建てのデメリットとして考えている方も多いかもしれませんが、これは誤解です。たしかに、平屋建ての方が有利ですが、2階建ての家であっても、震災・災害に強い家は設計出来ます。特に問題はありません。

 

木造の構造・耐震性については、こちら↓の記事で詳しく解説しています。
【木造で地震に強く耐震性の高い家をつくる7つのポイント、間取り・形状の注意点。】

 

 

 

最後に、私の設計事務所の二階建ての施工事例を2つ紹介します。

 

【HOME-YO】

部分2階建ての住宅。(※ほぼ総二階建て。)
のどかで豊かな田園風景を存分に楽しめる伸び伸びとした住まい。
リビングの吹抜と大きなハイサイド窓、ダイニングと土間テラス、バルコニーや大きな窓によって、外部の空や庭と内部空間緩やかに繋がります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【HOME-YO】のその他の写真は、【こちら】からどうぞ。

 

続いては、こちら↓の作品の紹介です。

 

【HOME-IW】

総二階建ての住宅。

コンパクトな敷地、周辺は住宅の密集地に建つため、
・どうやって、内部に光や風を導くか。
・どうプライベート感と解放感を両立させるか。
この2つが課題となりました。
中庭を設けるとともに、オリジナル造作の窓・障子・格子戸によって、街中・住宅の密集地の中にあるとは思えない、現代の「市中の山居」のような住まいを実現しました。

 

 

 

 

 

 

 

 

HOME-IW】のその他の写真は、【こちら】からどうぞ。

 

その他の施工事例は、こちら↓からご覧頂けます。 

【WORKS-作品事例】

 

 

 

今回は、家づくりをはじめるにあたって、「平屋 or 二階建て」どちらが良いか判断しやすいように、二階建てのメリット・デメリットを詳しく解説しました。実は知っているようで見落とされることが多い、二階建ての種類や可能性、弱点なども紹介しました。

 

 

「二階建て」にも「平屋」にも、それぞれメリット・デメリットがあります。ただ、あくまでも基本的な話であり、実際には、ケースバイケースで変わってきます。「家づくり」というのは単純なものではなく、複雑な要素や条件が幾重にも絡み合っていることが多いからです。

大切なのは、それらを統合的に、単純明快に解く、設計力・アイデア・提案力です。

 

 

「設計力」が高くなれば「費用」も高くなると考える方も多いと思います。しかしながら、そのようなことはありません。

「設計力」も「コストパフォーマンス」もどちらも優先し、高いクオリティを実現出来るのが「建築家のいる設計事務所」との家づくりです。ぜひ、一度は相談に行ってみましょう。

こちら↓の記事で詳しく解説していますので、ぜひ、参考にしてみて下さい。
【建築家・設計事務所が最もコストパフォーマンスに優れる!?設計料など費用面を徹底解説!】

 

 

私たちの設計事務所では、ご相談・間取りなどの提案は無料です。もちろん、土地探しからのご相談も歓迎です。

施工をしない・建築家の家づくりは、工務店・ハウスメーカーなどとは大きく違います。
少しでも家づくりにこだわりたい気持ちがあり、建売などではなく注文住宅を採用されるのであれば、まずは建築家に相談してみること、それから色々と考えるのがおすすめです。

その際、私たちのような、機能・デザイン・コストなど全方位でバランスの良い住まいを目指す建築家であれば、より相談できることは多いことでしょう。

建築家の仕事に距離は関係ありません。私も全国から依頼を承っております。
遠方の方でも距離を気にせずに、建築のことであれば何でもお気軽にお問い合わせ頂けると幸いです。

 

 

最後に
住宅設計は、人生のデザイン。
住まいは、生涯の大半を過ごすであろう空間です。
皆様が妥協・後悔・失敗することなく、豊かな暮らしを送れますように。
夢の実現を全力でサポートする、良きパートナー・建築会社が見つかることを願っています。

 

名古屋の設計事務所 Tabiでは、家づくりに必要な情報や予備知識をブログにまとめ発信しています。
ぜひ、参考にしてみて下さい!

名古屋の設計事務所 Tabiのブログは、こちら↓です。

【 BLOG-名古屋設計事務所 Tabi 】

関連記事

おすすめ記事
特集記事
  1. 【オーダー建具-再考-】なぜ“既製品の建具”では設計に限界があるのか?|注文住宅が劇的に変わる-“造作建具”の真価とは?

  2. 【注文住宅】最もコストパフォーマンスに優れるのは”建築家”?|設計料と費用の真実

  3. 【設計契約とは?】注文住宅の“最初の契約”を建築家が解説|工事請負契約との違い・費用・流れ【設計事務所の完全ガイド】

  4. 北欧インテリアの注文住宅|自然素材・無垢材・白壁で“ととのえる”内装設計

  5. 【設計手法】“緩急とグラデーション”でつくる感性に響く家|建築家が手掛ける注文住宅・空間デザイン

  6. 【注文住宅×オーダー家具】名古屋の建築家が提案|“造作家具のすすめ”-魅力・費用・事例・注意点まとめ

  7. 建築家にもタイプがある?|設計事務所の3分類 – 前衛・匠・大御所の違いとあなたに合う依頼先の見つけ方

  8. 家づくりで後悔しないために|注文住宅で絶対知るべき7つの家づくりポイント

  9. 機能美とは?|暮らしを整えることで生まれる“本当の美しさ”-建築家が語る住宅デザインの核心

  10. 自然素材のインテリアで叶える、五感にやさしい注文住宅|健康的な暮らしを包む“心地よさ”の設計術

  1. 【断熱・完全ガイド】注文住宅の断熱を徹底解説|基本・性能・種類・メリット・注意点-“世界で最も優秀な断熱材”とは?

  2. 建築家の設計事務所 vs 設計士の工務店-“決定的な違い”とは?|注文住宅で後悔しない選び方

  3. 【断熱性能】断熱等級の正解は?|G1・G2・G3 ─ “暮らしに合った基準”で判断する注文住宅-最適なバランス設計とは?

  4. 【必読】工事請負契約とは?|注文住宅で後悔しないために知るべき“契約の核心”-流れ・費用・落とし穴を建築家が徹底解説

  5. 注文住宅で失敗しない窓の選び方|開閉方法・形状・位置別に種類・特徴・メリット・デメリット

  6. 【 ZEHの落とし穴 】「補助金が出る=得」は本当か?|一級建築士が語る“損しない家づくり”-注文住宅の真実

  7. 建築家とつくる「完全自由設計」の注文住宅|制約を活かす家づくりの工夫-設計事務所が導く“自由へのプロセス”

  8. 「高断熱=快適」は真実か?|断熱等級4でも“心地よい家”をつくる注文住宅の賢い戦略 ─ オーバースペックは大きな損?

  9. 構造設計と構造計算でつくる“本当に地震に強い家”|耐震性能を“数値で証明”する設計の力とは?

  10. 【省エネ住宅の真実】断熱・気密・換気・設備・設計|“快適とエコ”を両立する家づくり・注文住宅-5つの核心

TOP
オープンハウス イベント 資料請求 お問い合わせ