オーダー建具・造作建具とは?既製品との違い、メリット・デメリット、施工事例。

注文住宅・家づくりのドアや引き戸、戸などを既製品だけで考えていませんか?
要望を実現したいのであれば、ぜひ、オーダー建具・造作建具を採用しましょう。採用・不採用で、デザインのみならず、間取りの自由度や収納などの使い勝手が段違いに変わります。

とは言っても、オーダー建具・造作建具のことをよくご存じなく、具体的に、どのような魅力があるのかわからない方も多いのではないでしょうか?

 

 

そこで今回は、下記の5点を施工事例と共に解説します。

1.建具とは?
2.既製建具・既製品の建具の特徴・メリット・デメリット。
3.オーダー建具・造作建具の特徴・メリット・デメリット。
4.既製建具とオーダー建具、どちらが良いのか?
5.注意点

ぜひ、最後まで読んで参考にしてみてください。

 

 

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まずは、「建具」の概要について解説します。

建具(たてぐ)とは、壁や屋根の開口部に設けられる、戸やドアのことを指します。
出入りや通風、採光、間仕切り、防犯などの役割を持った可動部分とそれを支える枠の総称です。

 

 

建具には、次のような種類があります。

引き戸:2枚の戸を2本のレールで左右に引く戸
開き戸:蝶番で前後に開閉する扉
引込戸:壁の中に引き込む戸
折戸:扉自身が折りたためる戸
窓:引き違い窓、すべり出し窓、片開き窓、両開き扉など

 

 

引き戸については、こちら↓の記事で詳しく解説しています。
【引戸の種類、メリット・デメリット、注意点を解説。引き戸と開き戸はどちらの方が良いのか?】

 

開き戸については、こちら↓の記事で詳しく解説しています。
【開き戸とは?ドア?種類や特徴、メリット・デメリット。引き戸とは、どちらの方が良いのか?】

 

 

今回の記事は、窓は建具として扱いません。

窓については、こちら↓の記事で詳しく解説しています。
【「窓」で断熱・気密性能は決まる!サッシやガラスの種類、メリット・デメリット、注意点。】

 

【失敗しない窓の選び方。開閉方法・形状・位置。窓の種類ごとの特徴・メリット・デメリット。】

 

【最高の開口部・窓のつくり方。4つのポイントと手順。住宅の設計デザインが決まる。】

 

 

 

つづいて、オーダー建具の特徴を紹介する前に、既製品の建具について整理しておきましょう。

既製建具・既製品の建具の特徴・メリット・デメリットについて解説します。

既製建具の特徴
既製建具・既製品の建具とは、住宅建材のメーカーが工場などで大量生産する建具のこと。
建売住宅やお値打ちな住宅で多く採用されます。

 

 

既製建具のメリット
・比較的お値打ち。
・品質が一定で、故障や不具合が生じにくい。

既製建具のデメリット
色や柄、ハンドルや把手のデザインを選ぶだけの変更に留まり、その種類にも限りがある。
○○調といった本物・天然でない素材が多い。

 

  

 

既製建具・既製品の建具について整理できたところで、オーダー建具について紹介します。

オーダー建具・造作建具には、次のような特徴・メリット・デメリットがあります。

オーダー建具の特徴
オーダー建具・造作建具とは、大きな工場ではなく、建具職人さんが製作所で手作業でつくる建具。
要望に応じてつくる、唯一無二の特注・オーダー品。
大半が既製品だけれども、1箇所だけというオーダーも可能です。

 

 

オーダー建具のメリット
・色・素材を自由に選ぶことができる。
・本物、天然の木を面材に使えたり、細かな色の指定ができる。
・ハンドルや把手も自由に選ぶことができる。
・寸法やギミックも自由自在に選ぶことができる。

オーダー建具のデメリット
既製品よりもコストが高い。
品質が一定ではなく、故障や不具合が生じることもある。

 

 

 

ここまでで、既製建具とオーダー建具について、それぞれの特徴・メリット・デメリットを理解して頂けたことと思います。

では、実際、どちらが良いのでしょうか?

基本的には、

「オーダー建具」の方が断然良い。

 

 

理由は4つあります。

1.オーダー建具の方が自由度が高い。
2.上質なインテリア空間を実現できる。
3.さほどコストも変わらない。
4.故障や不具合を心配する必要はない。

それぞれ詳しく解説します。

 

 

 

1つ目の「オーダー建具」の方が断然良い理由は、「オーダー建具の方が自由度が高い。」ということです。

私の考えるオーダー建具・造作建具の最大の魅力は、寸法やギミックを自由自在に設計することができることです。
建具の寸法やギミック(仕掛け・工夫・からくり)の自由度が高ければ、住まい手のライフスタイルや使い方に合わせた設計をすることが出来ますよね。
当然、建具の使い勝手や機能性、使い心地などの基本スペックは高まります。

 

 

つまり、オーダー建具は、そのデザイン性のみが取り上げられがちですが、実は、建具の寸法やギミックの自由度は、間取りや計画全体の自由度をも大きく左右するのです。

オーダー建具のように、建具の寸法やギミックの自由度が高ければ、間取りや計画全体の自由度は断然高くなります。一方で、既製品の建具のように寸法やギミックに強い制限がかかると、間取りや計画全体にも強い制限がかかってしまいます。

 

 

例えば、廊下の幅、収納の幅、出入口の高さなどに少しでも特殊なことが求められると、既製品の建具だけでは要望通りにできないことも多いです。
結果として、建築全体が既製品の建具という細部に合わせることになり、例えば、面積が無駄に増えるなどの不具合が生じます。トータルで見ると、非常に多くの無駄が生まれていることもあり、住まい手はその多くの無駄に大金を費やすことになってしまうかもしれません。

 

 

建具に限らず、既製品の寄せ集め出来てしまっている住まいというのは、多数の既製品(家具・建具など)という大量の細部一つ一つに建築全体が依存してしまい、どうしても無駄が多くなってしまう傾向があるように感じます。

恐ろしいのは、既製品の寄せ集めの図面しか描けない設計士は「無駄が多いことに気付けない」つまり無自覚であることです。オーダー建具を自由自在に扱え、無駄のない質の高い図面を描ける方にしか、その図面に無駄が多いのか少ないのかが分からないのは当然だとは思いませんか?

 

 

つまり、オーダー建具を採用し、自由自在に使いこなすことは、空間の有効利用・全体の計画に無駄をなくすことにつながります。そして、それは家づくりトータルのコストを調整するとともに、家全体の使い勝手や機能性を高めることにもつながるのです。

少なくとも適材適所にオーダー建具を上手く採用しなければ、コスト面でも大きな損をしてしまうかもしれません。

 

 

 

2つ目の「オーダー建具」の方が断然良い理由は、「上質なインテリア空間を実現できる。」ということです。

上質なインテリア空間を実現するために大切なことの1つが「統一したデザインコンセプト空間全体を調和させる」ことです。

しかしながら、既製品の建具では、フローリングなどと素材が微妙に異なっていたり、壁や家具の素材感と合わない、ということがよくあります。

 

 

けれども、オーダー建具であれば、素材を厳選できます。
そのため、統一した仕上げにしたり、逆に空間に合わせたアクセントとなるような素材にすることもできますよね。
いずれにしても、細かな差異までこだわれるので、結果として、トータルでバランスのよい、より上質な空間づくりが実現出来るのです。

上質なインテリア空間のつくり方は、こちら↓の記事でも詳しく解説しています。
【最高のインテリア・上質な内装とは?内部空間をデザインする7つのポイント。施工事例集。】

 

 

 

3つ目の「オーダー建具」の方が断然良い理由は、「さほどコストも変わらない。」ということです。

オーダー建具は、既製品よりも、どうしても高額になることが多いです。
建築会社に採用したいことを伝えれば、多くの場合、仕様や中身に関わらず、非常に高い金額を提示されることでしょう。
その金額は、数が多かったり、仕様が高ければ、何百万~1000万円以上になることもあります。
けれども、その費用は、依頼する建築会社によって全く異なります。

 

 

そこで、オーダー家具に特別得意な設計事務所に家づくりを依頼することをお勧めします。
例えば、自社で家具の設計デザイン・施工図を作成する技術力、1人親方の家具職人さんに直接発注することができるようなルート・コネクションを持っている設計事務所が望ましいです。
このような設計事務所であれば、数百万円かかる家具工事を半値程度にすることが可能です。
それだけのインパクトがあれば、住宅全体にかかるトータルコストを大幅に削減することにつながりますよね。

 

 

数社の建築会社を比較する際には、住宅全体にかかる費用だけでなく、造作家具・オーダー家具などの詳細な内容と具体的な費用を確認しましょう。

このような確認を怠ると、後からオプションで追加費用が大きくかかることになり、思い描いた通りにいかず、後悔してしまうことにつながります。むしろ、このような結果で家づくりを失敗・後悔されている人の方が多いかもしれません。

 

 

 

4つ目の「オーダー建具」の方が断然良い理由は、「故障や不具合を心配する必要はない」ということです。

既製品の建具には、「品質が一定で、故障や不具合が生じにくい。」というメリットがあります。
一方で、オーダー建具の場合、「品質が一定ではなく、故障や不具合が生じることもある。」というのが実際のところです。
そのため、故障や不具合を心配する方も多いかもしれませんが、その必要はありません。
なぜなら、たとえ、故障や不具合が生じたとしても、建具職人さんが調整してくれるからです。
定期点検の度に調整を重ねれば、年数と共に落ち着いてきますので、ご安心ください。

 

 

 

 

最後に、注文住宅で「オーダー建具」を採用する際の注意点を解説します。

ここまで「オーダー建具」の魅力やメリットを紹介してきました。
けれども、実は「オーダー建具」を得意としている会社はごく一部の建築会社に限られています。
得意でない会社でも製作は出来るかもしれませんが、無理に依頼すれば、大きな費用がかかったのにもかかわらず、イメージとは違うクオリティの低いものとなり、残念な結果となってしまうかもしれません。

 

 

「オーダー建具」を得意としている会社か見分けるためには、次のことに注意してみてください。

ヒアリング力
住まい手の要望を上手く引き出し、オーダー建具の可能性を引き出せる「ヒアリング力」

設計力
既製品の建具よりも優れたデザイン性・機能性、特別なギミックを提案し、設計出来る「設計力」

コストパフォーマンス
既製品とほぼ変わらないような費用感を実現する「コストパフォーマンス」

コーディネート力
既製品とオーダー建具の採用・不採用、使い分けを上手くする「コーディネート力」

 

 

 

今回は、オーダー建具・造作建具、既製品の建具について、次の5つのポイントについて解説しました。

1.建具とは?
2.既製建具・既製品の建具の特徴・メリット・デメリット。
3.オーダー建具・造作建具の特徴・メリット・デメリット。
4.既製建具とオーダー建具、どちらが良いのか?
5.注意点

 

 

より心地よい素敵な住まいにするには、造作家具・オーダー家具が最適であり、最もおすすめしたいものの一つです。

しかしながら、機能性・性能とデザイン性を両立するようなデザイン性・クオリティの高い、丁寧に設計されたオーダー家具を実現するには、特別な専門知識が必要です。住まい手だけの力だけでは非常に難しく、専門家や本当に設計力のある設計士・建築家ならではのものでしょう。

 

 

しかしながら、設計事務所に依頼すると、どうしても「費用」も高くなると考える方も多いと思います。けれども、建築家・設計事務所によっては、そのようなことはありません。

実は、「設計力」も「コストパフォーマンス」もどちらも優先し、高いクオリティを実現出来るのが「建築家のいる設計事務所」との家づくりです。ぜひ、一度は相談に行ってみましょう。

こちら↓の記事で詳しく解説していますので、ぜひ、参考にしてみて下さい。
【建築家・設計事務所が最もコストパフォーマンスに優れる!?設計料など費用面を徹底解説!】

 

 

私たちの設計事務所では、ご相談・間取りなどの提案は無料です。もちろん、土地探しからのご相談も歓迎です。

施工をしない・建築家の家づくりは、工務店・ハウスメーカーなどとは大きく違います。
少しでも家づくりにこだわりたい気持ちがあり、建売などではなく注文住宅を採用されるのであれば、まずは建築家に相談してみること、それから色々と考えるのがおすすめです。

その際、私たちのような、機能・デザイン・コストなど全方位でバランスの良い住まいを目指す建築家であれば、より相談できることは多いことでしょう。

建築家の仕事に距離は関係ありません。私も全国から依頼を承っております。
遠方の方でも距離を気にせずに、建築のことであれば何でもお気軽にお問い合わせ頂けると幸いです。

 

 

最後に。
住宅設計は、人生のデザイン。
住まいは、生涯の大半を過ごすであろう空間です。
皆様が妥協・後悔・失敗することなく、豊かな暮らしを送れますように。
夢の実現を全力でサポートする、良きパートナー・建築会社が見つかることを願っています。

 

名古屋の設計事務所 Tabiでは、家づくりに必要な情報や予備知識をブログにまとめ発信しています。
ぜひ、参考にしてみて下さい!

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