“流行の間取り・デザイン”は本当に正解か?|注文住宅で失敗しない―設計事務所の視点・建築家の判断基準

はじめに|時間軸が異なる“流行”と“暮らし”

どうやら、注文住宅の界隈にも
“流行”と呼べるものがあるようです。

SNSを見れば、
吹抜け・中庭、アイランドキッチン、グレー色のインテリアが並び、
今の住宅文化の輪郭が見えてくる、
そんな気がする方も多いのではないでしょうか?

魅力的な写真で、生活が豊かになりそう、
そんな印象を持たれる方もいらっしゃることでしょう。

 

 

とはいえ、建築設計の視点から見ると、
ここは少し慎重に考えたいポイントでもあります。

理由は、
“流行”と“暮らし”では時間のスケールが全く違う
からです。

流行は短期で終わり、暮らしは長期で続くもの。

住まいは30年、40年と存在し続けるのに対し、
流行は、およそ3〜5年の周期で移り変わってしまうのです。

 

 

そこで本記事では、
「流行の間取りやデザインを追いかける」
ではなく、
「建築家・設計事務所の“判断基準”を起点に考える」

という視点から、住宅デザインについて解説します。

具体的には、

・なぜ住宅に“流行”が生まれるのか
・流行をそのまま採用したときの典型的な失敗例
・建築家が流行をどう扱っているのか
・設計事務所の“普遍性の基準”とは何か
・流行を生活に適用する際のチェックポイント

といった論点を整理していきます。

 

 

結論からいえば、
流行を否定するのではなく、
流行を“素材”として適切に扱い、
自分たちの暮らしに接続できるかどうかが鍵です。

本記事が、
「流行に合わせるのではなく、自分たちの暮らしを起点に考えたい」
という方にとって、
間取りやデザインを選ぶ際の判断材料となれば幸いです。

 

建築家・設計事務所を検討する際の
考え方や取り組みは、こちらにまとめています。

▶ トップページ:Tabi タビ|愛知県名古屋市の設計事務所

 

 

■ 流行には必ず背景がある

まず、流行は偶然に生まれるものではありません。
そこには必ず背景があります。

・共働き世帯の増加
・都市部の敷地の狭小化
・家事負担の分担意識の変化
・省エネ意識の高まり
・SNSなど“メディア”の変化

こうした社会条件や市場環境の変化が、
住宅に新しい解法を与え、
その一部がデザインや間取りの流行として広まります。

その点においては、
流行には理由があり、価値があります。

単なる“見た目”だけの問題ではないでしょう。

 

 

■ 流行の“そのまま採用”におけるリスク

ただし、
“流行”に目がくらみ、
表面上の理由だけで選ぶことは危険です。

それは、他者の正解をそのまま輸入するようなものです。

よくある例を挙げてみます。

吹抜けは開放感を生みますが、
音や熱が抜けやすいことも。

中庭は採光に有効ですが、
本当に中庭が最適なのか?

アイランドキッチンも、
生活動線や片付けの習慣と噛み合わないケースもある。

グレーの内装は、写真では上質に見えますが、
照明計画や素材の選択を誤ると、空間が暗く沈む印象に。

このようなズレは珍しいものではありません。

家づくりでは頻繁に起こりうる“ギャップ”です。

 

 

■ 建築家は“条件”で考える

建築家は、流行よりも先に条件を見ます。

敷地や周囲の建物。
風の通り方、光の方向、視線の抜け。
音の伝わり方、家族の動線、収納の粒度。
温湿度、断熱・気密、構造の成立性。
そして法規や施工性。

このような条件に対して、
「何が、“合理的”に成立するか?」を考えます。

そして、それをととのえる。

それが、建築設計のデザイン。

“流行を採用するかどうか”は、
その後の話です。

 

 

つまり、デザインの本質においては、
流行であるかどうかよりも、

合理的であるか?
手段よりも、意味・目的を重要視します。

結果的に、流行のものを使うことになる、
ということも、もちろんあるでしょう。

 

 

■ 判断基準に“普遍性”を

流行がある一方で、

設計事務所が重視している価値基準は、
“普遍性”に近い領域です。

・素材は経年変化に耐えるか。
・メンテナンスは現実的か。
・設備は将来交換しやすいか。
・可変性は確保されているか。
・家族の変化に対応できるか。
・日常動線が破綻しないか。

どれも目立つ視点ではありません。

しかし、暮らしが続いた時、
確かに効いてくる。

流行は、“魅力”。
普遍は、“安心”。

その両方が成立する場所を探すこともまた、
設計デザインに近い感覚かもしれません。

 

 

■ 流行を正しく使う方法

流行を否定する必要はありません。
むしろ、適切に扱えば価値があります。

 

正しい使い方は次の3つではないでしょうか?

  1. 流行を“素材”として扱う。
  2. 暮らしとの相性を見る。
  3. 長期の視点で負担を評価する。

 

特に、“素材化”できれば、流行は設計のアクセントにもなります。

ただし、あくまで手段です。
“答えそのもの”にしてしまうと、生活が苦しくなりやすいので注意しましょう。

 

 

■ 家は自分に合わせた方が良い

住宅の本質は、
他人ではなく自分に合わせることです。

そしてそれは、
“生活の粒度”をどこまで設計段階で落とし込めたか?
によって決まります。

・家事は朝に集中?夜に分散?
・洗濯は室内?外干しか?
・料理は毎日?週末だけ?
・子どもは何歳差?
・働き方は固定?変動?
・収納は隠したい?見せたい?

このような違いは、一見小さく見えます。
しかし、暮らしの中で、シームレスにつながるものです。
設計内容もつみかさなるもの。

最終的には、「大きな差」になります。

“選択の積み重ね”と暮らしが噛み合った時、
初めて機能する——それが住宅です。

 

 

まとめ|流行の間取りを採用する前に考えること

流行の間取りやデザインは、魅力があります。

背景には社会や生活の変化があり、時には、
最も理に適う選択となることもあるでしょう。

ただし、“流行のデザイン”は、あくまで手段。

目的そのものにしてしまうと、
生活との間に小さなズレが積み重なりやすい。

その点は注意したいところです。

 

 

住まいは短い時間で消費するものではなく、
長い時間を受け止める器です。

そのため、建築家や設計事務所は、
まず“条件”を優先します。

敷地、光、風、生活動線、温湿度、構造、法規、施工性。

これらに対する合理的な解答こそが、デザインです。

 

 

そして、それは“普遍性”にもつながります。

住宅の正解は他人の暮らしではなく、
自分たちの暮らしの中にあります。

流行を参考にしつつも、
生活の粒度に沿って選択して欲しい。

それが、長く快適に暮らすための近道になるはずです。

 

 

流行ではなく、
自分たちの暮らしを基準に家づくりを考えたい方へ。

私たちTabiでは、最初の段階から
「生活の粒度」を丁寧にヒアリングし、
受け止めて、設計を進めています。

流行に合わせるのではなく、
暮らしに合わせて整える。

それが私たち、Tabiの家づくりです。

 

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初回のご相談・ご提案は無料です。
住まいづくりを検討されている方は、
どうぞお気軽にご相談ください。

 

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