はじめに|間取りは人生の設計図
子育て世代にとって、家づくりは「人生の設計」。
中でも鍵を握るのが、暮らしの土台となる“間取り” そして、それは
家事の流れ、子どもの安全、家族のつながり、将来の変化──すべてに影響します。
「後悔したくない」「正解がわからない」
多くの人が、設計段階で最も悩むのがこの間取り・プラン計画でしょう。

そこでこの記事では、設計事務所の視点から、子育て世代に選ばれている注文住宅の間取りを5つのポイントに整理して紹介します。さらに、よくある失敗例や建築家ならではのアドバイスも交えながら、「後悔しない家づくり」のための実践的なヒントをお届けしますので、ぜひ最後まで読んで参考にしてください。

子育て世代に選ばれる!注文住宅の間取り5つのポイント
それでは早速「子育て世代に選ばれる!注文住宅の間取り5つのポイント」をご紹介します。
【5つのポイント】
1.玄関から洗面室へ直行できる「ただいま動線」
2.見守りやすい「一体型LDK+対面キッチン」
3.回遊動線で家事も育児もストレスフリー
4.家族全員で使える「ファミリークローゼット」
5.リビング階段で「自然に顔を合わせる暮らし」
それぞれ詳しく解説します。

1. 玄関から洗面室へ直行できる「ただいま動線」
まず、1つ目のポイントは「ただいま動線」
中でも、子どもが外から帰宅した際、リビングを通らずにそのまま洗面室や脱衣所に行ける動線はとても人気があり、おすすめです。感染対策や泥汚れの防止にも有効で、特に花粉症や風邪予防が気になるご家庭では、「玄関→洗面→着替え」というルートが高く支持されています。
設計上のポイントは、玄関横に手洗い・収納・着替えを集約させること。帰宅後すぐの行動をスムーズにすれば、親の声かけ負担も減り、子どもが“自分でできる”動線になります。

2. 見守りやすい「一体型LDK+対面キッチン」
2つ目のポイントは「対面キッチン」
子育て世代に圧倒的な人気を誇るのが、LDKが一体となった空間です。キッチンに立ちながら、子どもの遊び・勉強・食事の様子を同時に見守れるのが最大の魅力。孤立しない家事空間=家族をつなぐ設計です。
さらに、ダイニングとスタディコーナーを併設すれば、食事後の学習や作業がスムーズに。子どもがリビング学習を自然と行うようになったという声も多く寄せられています。

3. 回遊動線で家事も育児もストレスフリー
3つ目のポイントは「回遊動線」
キッチン、洗面室、物干し、収納スペースが「ぐるっと一周できる動線」でつながっている家は、渋滞のない家事・育児導線を実現します。
洗濯機で洗って→干して→しまうまでがワンループで完結することで、家事時間の短縮にも貢献。特に朝の時間帯など、家族全員が動く時間に回遊動線があると、動きやすさがまるで違います。

動線については、こちら↓の記事で詳しく解説しています。
【家事動線とは?家事が楽な間取りの事例やメリット、設計のポイントを解説】

4. 家族全員で使える「ファミリークローゼット」
4つ目のポイントは「ファミリークローゼット」
ファミリークローゼット(FCL)とは、家族の衣類や日用品を一か所にまとめて収納できる共有収納スペースのことです。衣類だけでなく、ランドセル・おむつ・季節用品などもまとめて管理でき、家族全員で“使いやすく・片付けやすい”収納が実現します。
とくに便利なのが、洗濯物を乾かした後、全員分を一括で収納できること。各部屋に運ぶ手間がなくなり、家事の時短につながります。設置場所は、洗面室や脱衣室の横がベスト。洗濯→収納の流れがスムーズになるので、日々の負担が大きく減ります。

収納計画については、こちら↓の記事で詳しく解説しています。
【注文住宅の収納計画。失敗・後悔しない7つのポイント。適切な収納量・割合とは?】

5. リビング階段で「自然に顔を合わせる暮らし」
5つ目のポイントは「リビング階段」
リビング階段とは、2階に上がるための階段をリビング内に設置する間取りです。子どもが外から帰ってきたときに自然と顔を合わせる動線となり、思春期以降もコミュニケーションが絶えない家庭環境をつくりやすくなります。
さらに、リビングの一部に吹抜けや高窓を設ければ、開放感も演出でき、光や風の通りも良くなるなどデザイン性・機能性の両面で効果を発揮することにも貢献するのがリビング階段です。

注文住宅でよくある間取りの失敗例とその対策
ここで、注文住宅でよくある間取りの失敗例とその対策をご紹介します。
失敗例1:動線が交差してストレスがたまる
最も多いのが「動線」に対する不満です。たとえば、「洗面室に行くのにキッチンを横切る」「物干し場に行くのに階段を2回上り下りする」など、生活動線が複雑になると日々のストレスが蓄積されている方が多いようです。
対策:動線は「回遊+分離」が鉄則
家事動線(キッチン〜洗面〜物干し)と生活動線(トイレ〜リビング〜玄関)は可能な限り干渉しないように設計しましょう。さらに、回遊性をもたせて渋滞を防げば、暮らしの効率は大幅に向上します。

失敗例2:収納の「点在」で片付かない家に
「収納計画」も最も多い失敗の一つでしょう。「とりあえず空いている場所に収納をつけた」という設計では、使い勝手が悪くなり、“あるのに使えない収納”になってしまいます。
対策:収納は「使う場所」に「まとめて設置」
ランドセルは玄関周り、服は脱衣室横など、行動と収納をリンクさせた設計が必要です。1つの大型収納に“まとめてしまう”ファミリークローゼットなども有効です。

失敗例3:部屋数にこだわって、機能性を犠牲にした
とにかく何も考えずに仕切ってしまって、使いにくい、というのもよくある失敗。「とにかく4LDKが欲しい」といった考えから、各部屋が狭くなったり、動線が悪くなるケースにも多いようです。
対策:部屋数より“用途と柔軟性”
将来どう使うかを見据えて設計し、無駄な空間をつくらず、暮らしにフィットした間取りを計画しましょう。LDKや収納の広さを優先することが、実は満足度の高い家につながります。

建築家が教える|子育て世代の間取り設計で意識すべきこと
ここからは、建築家の視点から、子育て世代の間取り設計で意識すべきポイントをご紹介します。
ポイントは次の3つです。
1.テンプレートではなく「自分たちの暮らし」から考える
2.土地選びの段階から間取りを考える
3.「今」だけでなく「未来」を見据えた設計
それぞれ詳しく解説します。

1. テンプレートではなく「自分たちの暮らし」から考える
1つ目のポイントは、「自分たちの暮らし」を考えることからはじめることです。
ハウスメーカーの提案にある“よくある間取り”をベースにしても、実際の暮らしと噛み合わないことはよくあります。たとえば「朝は何時に起きて、誰がどこを通るか」「週末はどの部屋で過ごすことが多いか」など、生活のリズムと動線を重ねていくことが設計の出発点です。
建築家との家づくりでは、住まい手の1日を“時系列でヒアリング”し、それに沿って間取りを構成していくため、自分達の暮らしに寄り添った住まいを実現できます。

2. 土地選びの段階から間取りを考えるべき理由
2つ目のポイントは、土地選びの段階から間取りを考えることです。
多くの人が土地を購入したあとに「どんな家を建てよう?」と考えますが、それでは遅いケースもあります。なぜなら、土地の形状や高低差・周辺環境によって最適な間取りは大きく変わるからです。
たとえば南側に隣家が迫っている土地では、リビングの窓は東か西に向けた方が光が入りやすいなど、“土地に合わせた設計力”が家づくりの成功を左右します。建築家に相談するのは、土地を決める「前」がベストです。

土地選び・土地探しについては、こちら↓の記事で詳しく解説しています。
【失敗しない!土地探しはコレが正解!土地の購入方法まとめ!】

3. 「今」だけでなく「未来」を見据えた設計
3つ目のポイントは、「今」だけでなく「未来」を見据えた設計をすることです。
子どもが小さい時期に家を建てる場合、今の暮らしだけを基準にして間取りを考えると、将来的に不便になるリスクがあります。
たとえば、ベビーカーやおむつ収納を重視して玄関や脱衣所を広くしても、中学生になればまったく違うニーズが生まれます。成長による変化を前提に、空間に“余白”や“用途変更の余地”を持たせることが非常に重要です。

よくある質問|子育て世代の注文住宅の間取りについて
ここからは、子育て世代の注文住宅の間取りについて、よくある質問と回答をご紹介します。
Q1. 注文住宅で子育てしやすい間取りにするには?
A:収納・動線・一体感の3要素が鍵です。
子育てに適した家をつくるには、「片付けやすい」「家事がしやすい」「子どもがどこにいるかわかる」という3点が重要です。ファミリークローゼット、対面キッチン+一体型LDK、そして回遊動線の設計で、家族のストレスがぐっと減ります。

Q2. 子どもが小さいときと大きくなったとき、どちらに合わせて間取りを考える?
A:どちらにも対応できる“柔軟性”が大切です。
最初から固定的に考えるのではなく、後から用途を変えられるように設計しておくことが正解です。例えば、2階のフリースペースをあとから間仕切りで子ども部屋に変更できるようにしておくと、成長後にも対応可能です。

Q3. 建売住宅と注文住宅、子育てに向いているのはどっち?
A:カスタマイズできる注文住宅の方が圧倒的に向いています。
建売住宅は万人向けに設計されているため、動線や収納が子育て世帯に最適化されていないことが多く、結果として暮らしのストレスになりやすいです。注文住宅なら、家族の人数・習慣・生活パターンに合わせて設計できます。
建売住宅と注文住宅の違いについては、こちら↓の記事で詳しく解説しています。
【建売住宅・自由設計・注文住宅・完全自由設計とは?各特徴やメリット・デメリット!】

Q4. 子どもが安全に暮らせる工夫ってどんなもの?
A:視認性・段差・安全装備・素材がポイントです。
たとえば、キッチンから全体が見渡せる構造、段差のない床、開閉制限のある窓や扉、安全な素材(角が丸い、滑りにくい床材)など。家そのものが“安全教育の場”にもなり得ます。

まとめ|間取りで後悔しないために「家族の暮らし」を設計しよう
子育て世代の間取り設計においては、“正解の型”は存在しません。ですが、「こうすれば後悔しにくい」という法則は確かにあります。
それが今回紹介した5つのポイント──
・ただいま動線
・一体型LDKと対面キッチン
・回遊動線
・ファミリークローゼット
・リビング階段
これらはすべて「家族の時間」「家事の効率」「子どもの成長」を支えるための設計デザインです。

本質的に大切なのは、「自分たち家族に合った間取りをゼロから考える」という姿勢。設計事務所は、そのプロセスを伴走してくれるパートナーでもあります。
「今」だけでなく「未来」も見据えた間取りを設計し、家族の人生にとってかけがえのない住まいを形にしていきましょう。

子育ての暮らしを、建築家と一緒に考えてみませんか?
子どもを見守れる間取りや、家事がしやすい動線、将来まで使える設計──
子育て世代の家づくりには、特有の工夫が求められます。
私たちの設計事務所では、子育ての今と未来に寄り添った間取り設計をご提案しています。
「子育て目線で間取りを相談したい」
「暮らしやすさを大切にした家をつくりたい」
そんな方も、どうぞお気軽にご相談ください。
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