【必読】中古住宅×リノベーションで“買ってはいけない家”を見抜く方法|建物・土地・書類で判断する購入前チェックリスト

「中古住宅を購入して、自分たちらしい住まいへとリノベーションする。」
というのは、自由度の高さやコスト面の魅力から、いま多くの人が注目している家づくりの手法です。

しかし、その一方で「買った後に想定外の問題が見つかり、理想のリノベができなかった」という失敗も後を絶ちません。

実は、中古住宅リノベの成功可否は、“物件選び”の時点ですでに8割決まっていると言っても過言ではないのです。

 

 

購入を検討中の中古住宅が、リノベーションに適しているか?
その見極めには「見た目」や「価格」では判断できない落とし穴がいくつもあります。

・建物の構造がリノベに向いていない
・書類が揃っておらず確認申請が通らない
・敷地内に違法な物置や蔵がある
・境界が不明瞭で、隣地トラブルの火種を抱えている

このような問題は、不動産広告にも内覧時にも現れてきません。そして「買ってからでは遅い」というのが、中古住宅の怖いところでもあります。

そこでこの記事では、建築設計者の視点から「買ってはいけない家を見抜く方法」を徹底的に解説します。
設計やリノベの知識がない方でも、最低限知っておくべきチェックポイントを網羅しましたので、ぜひ購入前にお読みください。

 

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【建て替え・新築 vs リノベーション】どちらが正解?判断基準・費用・寿命・価値の比較|見極めチェックリスト付
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Table of Contents

 

中古住宅を購入し、リノベーションを前提に計画を進める方は少なくありません。 しかし実際には、「買ってから問題が発覚した」「計画通りに進められなかった」という失敗例も多くあります。

そこでまずは、設計者の立場から「購入前に見落としがちな」代表的な5つのリスクを紹介します。

 

 

リスク①|「間取り変更ができなかった」

1つ目に紹介するリスクは、「広々としたLDKにしたい」「壁を取り除いて開放的な空間にしたい」といった希望が、構造上の制約によって叶わない、というものです。

とくに注意が必要なのが「壁式構造」の住宅。鉄筋コンクリート造に多く見られるこの構造は、壁そのものが建物を支える役割を担っており、間仕切り壁であっても取り除くことができない場合があります。購入後に「この壁は抜けません」と判明し、設計プランが根本からやり直しになることも。

間取りの自由度を求める場合は、購入前に構造形式を確認することが必須です。外観や内装だけで判断せず、建築の専門家による構造チェックを受けることをおすすめします。

 

 

リスク②|「想定外の補強費用が発生」

2つ目に紹介するリスクは、建物の見た目が良かったために安心して購入したものの、内部に劣化が隠れており、結果として多額の補強費用がかかってしまう、というものです。

築年数の古い木造住宅では、シロアリ被害や基礎のひび割れ、土台の腐食といった問題が、見た目だけでは判断できないことがあります。とくに床下や屋根裏など、購入前に確認しにくい場所に劣化が潜んでいることは珍しくありません。

いざリノベーション工事を始めた段階で構造補強が必要になり、数百万円単位の想定外コストが発生してしまう例もあります。予算オーバーにより、希望していた内装や設備のグレードダウンを余儀なくされるケースも。

購入を検討する際は、表面的な内装のきれいさだけでなく、建物全体の劣化状況を専門家とともに調査・確認することが重要です。

 

▼リノベーションの構造については、こちらの記事で解説しています。

【リノベーション×構造】“構造への不安”を解消|調査・補強の限界と実践的アドバイス-建築家・設計事務所が徹底解説
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リスク③|「確認申請が出せなかった」

3つ目に紹介するリスクは、リノベーションに必要な法的手続きができず、工事そのものが制限されてしまう、というものです。

大規模な間取り変更や耐震補強を予定していたものの、「確認済証」や「設計図書」など、建築確認に関する書類が一切残っていない住宅では、役所への申請ができないことがあります。

特に築年数の古い物件や、昔ながらの工務店で建てられた家では、このような書類が紛失しているケースが多く、耐震改修の補助金や減税制度も使えなくなる可能性も。

法的なリノベーションを実施するためには、図面や確認済証などの書類の有無を事前に調べておくことが重要です。ない場合は、再調査や図面復元のコスト・時間も含めて検討しておく必要があります。

 

  

リスク④|「敷地内の物置が“違法建築”だった」

4つ目に紹介するリスクは、主建物ではなく“敷地内の付属物”に関する問題です。母屋は法的に問題がなくても、敷地の片隅にある物置や蔵、ガレージなどが未登記・未確認申請のまま建てられているケースは意外と多く見られます。

このような“違法建築物”が敷地内に存在すると、全体として建築基準法に適合していないと判断され、増改築の申請が通らない場合があります。是正のためには、解体や登記、許可申請といった余分な手間と費用がかかることに。

リノベーションを前提とした中古物件を検討する際は、母屋だけでなく敷地内のすべての建築物に対して、法的な適法性をチェックすることが大切です。

 

 

リスク⑤|「境界線が確定していなかった」

5つ目に紹介するリスクは、「敷地の境界があいまいだったために、設計や工事が進められなかった」というものです。

測量図や境界杭が存在しない場合、隣地との境界が不明瞭なまま工事を進めることになり、思わぬトラブルにつながる可能性も。たとえば、隣家の塀や建物が越境していた、あるいはこちらの敷地が侵食されていたといった事例も実際にあります。

境界問題が発覚すると、隣地所有者との協議や測量、登記のやり直しなど、解決に多くの時間と費用がかかることも。場合によっては、計画していたリノベーション自体が中断することもあります。

物件を購入する前には、必ず登記簿・公図・測量図を確認し、境界の状況を明確にしておくことが不可欠です。

 

 

まとめ|購入前に確認すれば防げるリスクばかり

ここまで紹介したような失敗やトラブルは、いずれも「購入する前に気づいていれば避けられた」ものばかりです。

しかし、構造の知識や法的な手続き、敷地調査の重要性について、一般の方がすべてを把握して判断するのは現実的ではありません。目に見えにくいリスクほど、あとから大きな後悔を生む可能性があります。

次章では、そうしたトラブルを未然に防ぐための“見極めポイント”として、「買ってはいけない家の特徴」について詳しく解説していきます。購入を検討する前に、ぜひ知っておいてください。

 

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中古住宅購入+リノベーションの流れ・落とし穴|物件選び・スケジュール・ローン・予算-“見えないリスク”を徹底解説
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ここでは、設計者の立場から「これはもう設計以前の問題」として、購入そのものを推奨しない物件の特徴を紹介します。

一見するとお得に見えても、法規制や敷地条件、将来的な計画の実現可能性まで含めて精査すると、「この家では理想の暮らしは叶わない」と判断せざるを得ないケースが存在します。

設計相談の現場では、こうした物件に対して“やんわり購入を止める”ようなアドバイスをすることも珍しくありません。

 

 

❶ 建ぺい率・容積率が限界、もしくは大幅にオーバーしている

古い住宅では、既存建物がすでに法的な建ぺい率・容積率をオーバーしているケースがあります。

その場合、将来的な増築・建て替えはもちろん、減築を強いられる可能性もあり、「今より悪くなる」方向の選択肢しか取れなくなります。

特に市街化区域の第一種低層住居専用地域などでは、この制限が厳しく、“今の建物はたまたま建っているだけ”という状態の物件は、購入をおすすめできません。

 

▼建蔽率・容積率については、こちらの記事で詳しく解説しています。

建ぺい率・容積率とは?|土地選びで後悔しないための法規制の基本・計算方法と注意点
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❷ インフラ(上下水道・電気・ガス)が未整備、または異常がある

「敷地は広いし建物も悪くない」…そんな物件でも、給排水設備が整備されていない、または違法な接続状態になっているものは設計者から見て“即NG”対象です。

典型例としては、

・汲み取り式トイレのまま
・下水道が未整備で浄化槽を設置できない
・前面道路が私道でライフラインの引き込みに承諾が必要
・水道の引き込み管が13mmで容量不足(20mmに変更が必要)

といった事例があり、想定外の初期コストや行政手続きが発生する可能性が極めて高いため、設計計画そのものが成り立たなくなります。

 

 

❸ 土地が変形・狭小・高低差・法面などで「プランが入らない」

図面上では“整形地”に見えても、実際に現地を訪れてみると…

・崖地・法面・高低差があり、安全に建てられない
・極端な旗竿地で、車が入れない
・北側斜線が厳しすぎて2階建てが成立しない
・地盤改良が不可避な軟弱地盤(沼地跡・盛土等)

このような「建築的に成立しない土地」であるケースは非常に多くあります。

“間取りの自由”以前に、物理的に設計不可能である土地は、どれだけ立地や価格が魅力的でも即除外すべきです。

 

 

❹ 災害リスク(浸水・液状化・土砂災害)指定区域に該当

ハザードマップの確認は当然ですが、それ以上に設計者が重視するのは「その土地で災害対策が構造的に成立するか」です。

・1階が完全に水没する浸水想定区域(5m以上)
・液状化リスクが高く、杭基礎が必要なエリア
・土砂災害特別警戒区域で擁壁工事が必須

これらは建築費用が大幅に上がるだけでなく、計画の自由度も制限され、保険料・維持管理費も高騰します。

「住めないわけではないが、住まない方が合理的」と言えるリスクが高いため、プロの目線では“買わない”という判断になります。

 

▼こちらの記事も参考にしてください。

失敗しない土地選びのチェックリスト|注文住宅のための現地確認ポイントと注意すべき落とし穴まとめ
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❺ 近隣環境・日照条件・騒音など、住環境に決定的な難がある

物理的・法的には建築可能であっても、以下のような「生活環境としての致命的な欠点」がある土地に建つ既存建物では、設計者として購入をおすすめしません。

・すぐ隣に大型駐車場・工場・学校・線路など騒音源がある
・南側が高い建物で、一日中日照ゼロ
・路地裏・暗がり・防犯面に不安のある立地
・近隣からの視線ストレスが強い

建築の工夫である程度カバーは可能ですが、それには多大な設計コスト・施工費用がかかるため、そもそもスタート地点として不適切なこともあります。

 

 

まとめ|図面・法令・立地だけではわからない「設計の盲点」に注意

建築のプロとして設計の可否を判断する際には、「法律上できるか」だけでなく「意味ある家が建つか」まで踏み込んで考えます。

購入者自身が気づかない“設計上のNG条件”は、あとからでは取り返しがつきません。

価格や立地だけに惹かれず、その土地・建物で本当に理想の暮らしが実現できるかという視点で、検討候補を絞っていくことが重要です。

 

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リノベーション、やめたほうがいい?|後悔・失敗を招く“理想と現実”のズレと、本質的な価値・選ばれる理由
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ここまでは「買ってはいけない家」「設計以前に除外すべき土地」について見てきました。
ではその反対に、建築のプロが「この家なら理想に近づける」と判断するのは、どのような物件でしょうか?

設計者が見るのは、現状の完成度ではありません。
むしろ、「どこをどう変えれば、どれだけ伸ばせるか」という“設計上の余白”や“改善の可能性”を重視します。

ここからは、設計者の目線で“リノベ向き”と評価できる中古住宅の具体的な判断基準を紹介します。

 

 

❶ 間取り変更に柔軟に対応できる構造

まず最も重要なのは、「構造の可変性が高い」ことです。
一般的には、在来木造軸組工法の住宅が最も柔軟で、リノベーションに適しています。

この構造は、柱と梁で家を支える仕組みのため、壁の配置に制約が少なく、間取りの変更が比較的容易です。
反対に、壁式構造(RC造)や鉄骨ブレース構造などは、取り除けない耐力壁が多く、可変性が大きく制限されます。

また、梁の断面寸法(梁成)がしっかり確保されていること、床下や天井裏に点検口があり、配管や配線の更新がしやすい構造であることも、将来的な改修において重要な要素です。

 

 

❷ 建築確認関連の書類がきちんと残っている

設計者にとって、確認済証・検査済証・竣工図面の3点セットが揃っているかどうかは、設計可能性を判断する上での基本条件です。

これらの書類があることで、
・耐震補強の判断がスムーズにできる
・間取り変更の可否が明確になる
・確認申請や補助金申請の選択肢が広がる
といったメリットがあります。

築年数が古くても、図面や記録がきちんと残っている住宅は、構造的・法的な読み解きがしやすく、“当たり物件”と呼べることが多いのです。

 

 

❸ 増築・改築などで“いじられていない”シンプルな家

現況と図面の整合性が取れている住宅は、設計者にとって非常に扱いやすい存在です。
特に、これまでに無許可の増築や減築、用途変更などがされていない家は、法的整合性の確保がしやすく、スムーズな設計計画が可能になります。

「いじられていない家=完成度が低い」と捉えがちですが、むしろ“これから自由に育てられる素材”として、ポテンシャルが高い物件といえます。

 

 

❹ 解体・更新がしやすいシンプルな内装構造

床や壁の仕上げ材が単純で、取り外しやすいディテールであるかどうかも、リノベ向き物件かどうかを判断する一つの材料です。

たとえば、
・仕上げが合板やフローリングで施工されており、解体しやすい
・構造と内装が完全一体化しておらず、分離して更新可能
・床下・天井裏が点検可能で、設備系の更新が容易

こうした物件は、解体コストを抑えられ、工事中の変更やメンテナンスも行いやすいという大きな利点があります。

反対に、モルタル直貼り・構造一体型造作・特殊な素材が多用されている住宅は、解体費用や施工難易度が上がるため要注意です。

 

 

❺ 土地条件が整っており、将来の変更にも対応できる

建物だけでなく、敷地そのものの法的・物理的な整備状況も非常に重要です。

以下のような条件を満たす土地は、将来的な建て替えや増築、敷地利用の変更にも柔軟に対応できる可能性が高くなります。
・接道条件を満たしており、建築基準法上の“道路”に2m以上接している
・地積測量図や境界確認書があり、隣地との境界が明確
・用途地域・防火指定などの制限が適度で、建築可能範囲にゆとりがある
・法的な違反や越境がない

これらの条件が整っている土地は、将来のプラン変更にも強く、リノベーション後の資産価値も安定しやすいのが特徴です。

 

 

まとめ|設計者が見るのは「現状」ではなく「未来の設計可能性」

リノベに向く物件とは、見た目が綺麗な家でも、築浅な家でもありません。
設計者が見るのは、「この家を素材として見たとき、どれだけ自由に“再編集”できるか」という設計上のポテンシャルです。

たとえ築年数が古くても、構造・法規・土地条件が揃っていれば、“理想の住まいに育てられる家”と判断できます。

 

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「なるほど、見極め方はわかった。でも、それって自分でも判断できるの?」

多くの方が、ここでそう感じるはずです。
実際、中古住宅を購入しようとする際、「これは良さそう」「古いけど直せば大丈夫そう」といった直感や見た目だけの判断に頼ってしまうことも少なくありません。

しかし、リノベーションを前提とする物件選びでは、“見えないリスク”こそが致命的な落とし穴になります。
こうしたリスクの多くは、不動産仲介やインスペクションでは表層的なチェックに留まることが多く、建築のプロである設計者の視点でなければ見抜けない要素もあるところが厄介でしょう。

ここからは、「なぜ物件選びの段階で設計者に相談すべきなのか」を、具体的な観点から解説していきます。

 

 

❶ 建物は“見た目”だけでは判断できない

内覧や写真では内装が綺麗に見えても、構造体の劣化や隠れた不具合は簡単にはわかりません。

たとえば…
・床下の湿気による土台の腐食
・換気不足による断熱材のカビや腐敗
・筋交いや構造金物の欠損や不適切な施工

これらは壁や床をはがさない限り見えないため、不動産仲介でもインスペクターでも“表面上に問題がなければ見逃してしまう”のが現実です。

設計者は、間取りや劣化箇所の「兆候」からリスクを先読みする力を持っており、現地調査の段階で見逃しを最小限に抑えることができます。

 

 

❷ 図面・申請書類を「読める」かどうかが分かれ目

建築確認済証や竣工図面があるかどうかは当然として、それらの内容を正確に読み解き、現況と整合性を取れるかどうかが非常に重要です。

たとえば…
・「図面はあるが、現況が全く違う」=法的に大幅な制限が出る
・「図面が揃っていても、増築履歴が反映されていない」=確認申請ができない
・「平面図のみで、立面図や構造図が存在しない」=補強設計が不可能

こうした見落としは、表面的に「書類が揃っているように見える」状態でも起こりうることです。
設計者は、図面の“内容と正当性”までを判断し、リノベの可否を見極めることができます。

 

 

❸ 敷地条件の“見えない制限”に気づけるのは設計者だけ

接道義務(建築基準法第43条)を満たしていなかったり、再建築不可であったりといった法的リスクは、外観や現地だけでは判断できません。

・前面道路が建築基準法上の「道路」に該当しない
・越境や未確定境界があり、将来的な登記・工事に支障が出る
・セットバックが必要で、敷地面積が大幅に減る

これらの内容は、都市計画図・公図・測量図・法務局資料・条例などを横断的に読み解かないとわかりません。
不動産業者は販売が目的のため、リスクの「存在」は把握していても、設計上の「影響」までを精査しないケースが多いのが実際のところです。

 

 

❹ 設計者は「その家でできること・できないこと」を空間全体から判断できる

設計者の最大の強みは、「この家で“どこまで実現できるか”」という未来の可能性を空間単位で描けることです。

たとえば…
・「この壁は抜けるか?」
・「吹き抜けにしたいが、構造的に成立するか?」
・「南面にLDKを持ってきたいが、動線や法規制は?」

このような“希望と現実のすり合わせ”を、現地で瞬時にジャッジできるのが設計者です。

仲介やインスペクションでは、「現状の良し悪し」を伝えることはできても、「この家で理想はどこまで叶えられるのか?」その可能性と限界まで言及することはできません。

 

 

まとめ|設計者の役割は「未来を見抜く」ことにある

物件選びの本質は、「今の状態を評価すること」ではなく、「この家をどう変えられるか=未来を描けるか」を見抜くことにあるとは思いませんか?

設計者は、法規制・構造的制約・敷地条件・ライフスタイルの希望をすべて照らし合わせながら、“この物件で何ができるか”という可能性の上限値を描き出す役割を担っています。

だからこそ、購入前の段階でこそ、設計者の視点を導入すると、失敗や後悔を未然に防ぐことにつながるのです。

 

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「設計事務所には相談した方がいいのはわかった。でも、結局いつ相談すればいいの?

この問いに、明確に答えられるユーザーは、ほとんどいません。
しかし実は、中古住宅+リノベーションの成功・失敗を大きく分けるのが、“相談のタイミング”です。

設計者への相談が早ければ早いほど、選ぶべき物件の方向性が明確になり、手戻りのないスムーズな家づくりが実現しやすくなります。

ここからは、ベストな相談時期とその理由、準備すべき情報や資料までをわかりやすく整理します。

 

 

❶ ベストタイミングは「購入前」──理想は「内覧前」

設計者に相談するベストなタイミングは、「購入を決める前」。
できれば、物件探しを始めた段階から関わってもらうのが理想的です。

理由は明確で、最初に方向性を共有することで、
・「どんな物件を選ぶべきか」
・「どこまでなら設計で調整できるか」
・「何を優先すべきか」
このような判断基準を建築の視点から一緒に設計できるからです。

すでに候補物件がある場合は、図面や概要資料をもとに、事前アドバイスをもらうだけでも方向性が定まります。

内覧の予定がある場合は、事前に相談すれば「現地同行」という形でプロの視点からのチェックも可能です。

 

 

❷ 「買ってから相談」では遅すぎる理由

中古住宅購入後に「思っていたプランが実現できない」「予定外の補強工事で予算が足りなくなった」という後悔は少なくありません。なぜか?

その理由は、建物や土地には、素人には判断できない“見えない制約”が存在するからです。

たとえば…
・増築・減築履歴のせいで法的整合性がとれない
・耐震補強が必要で数百万円の追加コストが発生
・間取り変更が不可で理想のプランが成立しない
・ローンの手続きが設計とチグハグでスケジュールが破綻
このようなトラブルは、購入前に設計者が入っていれば防げたものばかりです。

 

 

❸ 設計事務所に早く相談することで得られるメリット

物件探しの初期段階から設計者を巻き込むことで、得られるメリットは決して少なくありません。
むしろ、その後の選択や判断の精度を大きく左右する重要な起点になります。

設計事務所に早く相談することで得られる大きなメリットは、次の3つです。

 

 

メリット1.「判断の軸」が明確になる

設計士に「どんな家ならリノベが成立するのか?」を、構造・法規・敷地条件・書類の整合性など、総合的な視点から評価してもらうことで、ブレない選択基準が生まれます。

住宅選びに迷いや不安が多いのは、「基準が不明確なまま探している」ことが原因のひとつです。
設計者と初期の段階で方向性を共有しておくことで、自分たちに合った家とは何かが、明確になります。

 

 

メリット2.無駄な内覧・物件探しを減らせる

設計士がいれば、初期段階で「見るべき家」と「見るまでもない家」がふるいにかけられるため、内覧や検索にかかる時間とエネルギーを大幅に削減できます。

「見に行ったけどダメだった」「買ってからNGだった」といった遠回りを避けることで、最短距離で良質な家に出会う可能性が高まります。

 

 

メリット3.設計・施工・資金計画を“ひとつの地図”で整理できる

設計者が早い段階から関与していれば、プランニング・補助金の適用可能性・施工会社の選定・住宅ローンのスケジューリングまで、すべてを一貫して構想することが可能になります。

これにより、「設計はできるけど施工費が出ない」「補助金を逃した」「ローン審査と工期がずれた」といった事態を未然に防ぐことができます。

 

 

❹ タイミング別|相談時に準備すべき資料とアクション

下記は、設計事務所に相談する際のタイミング別チェックリストです。
段階ごとに何を共有すべきか、どんなアドバイスが得られるかを整理しました。

タイミング設計者に伝えるべき情報・資料対応内容
物件検討前希望エリア/予算感/家族構成/ライフスタイル/将来像など探すべき物件の条件整理と優先順位の明確化
候補物件が出た段階物件概要資料(図面・公図・登記簿・仲介資料)/用途地域・法規制の情報法的制約の確認・設計可能性の初期判断
内覧前または直後図面/現地写真/気になったポイントのメモ/仲介担当からの補足情報など建物の状態やプランの余白・懸念点をその場で判断
買付・契約前金融機関の融資条件/資金計画書(あれば)/リノベ予算/完成希望時期など全体スケジュールの整備・次工程への橋渡し

このように段階的に情報を整理し、設計者と共有していくことで、物件選び〜設計〜施工までの工程が「点」ではなく「線」でつながっていきます。

 

 

まとめ|「設計相談=設計スタート」ではない

「まだ家を決めていないのに、相談してもいいのか?」
多くの方がそう不安に思われますが、実際には“決まっていない今こそ”が、もっとも価値ある相談タイミングです。

設計事務所の役割は、ただ設計図を描くことではありません。
中古住宅+リノベという複雑なプロジェクト全体を、“判断軸”と“見通し”を持って一気通貫で導くナビゲーターとして機能するのが、本来の設計者です。

だからこそ、「物件を買ってから」ではなく、「買う前から」設計者に関わってもらうことで、家づくり全体が理にかなったものへと整っていきます。

 

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中古住宅の購入を検討する際、設計者が内覧に同行してくれるサービスがあることをご存じでしょうか?

不動産仲介が「取引成立」を目的とするのに対し、設計者は「この家で理想の暮らしが実現できるか」を、設計・法規・構造のあらゆる面から冷静に見極める専門家です。

ここからは、実際の内覧同行で設計者がどのような視点でチェックを行っているのか、その具体的なポイントを紹介します。

 

 

❶ 見た目ではわからない構造・劣化リスクの確認

設計者は、天井・壁・床の状態を目視しながら、耐力壁の位置や梁構造の取り回し、間取り変更の自由度を判断します。

点検口があれば床下や天井裏を確認し、
・シロアリ被害
・木部の腐食
・配管・断熱材の劣化
・湿気や結露の痕跡
など、建物の健全性や耐久性に関わるリスクを重点的にチェックします。
さらに、床の傾き・クラック・不同沈下の有無など、長期的に住まう上での構造的なリスクも見逃しません。

 

 

❷ 図面と現況が一致しているかの検証

内覧前に入手した図面・登記資料と、実際の間取り・開口部・建物形状などが一致しているかどうかを現地で確認します。

・図面にない増築部分がある
・用途が変更されている
・構造的な位置関係がずれている
このような“ズレ”は、法的整合性の欠如や確認申請の妨げとなる可能性があります。

現況と図面の一致度は、設計の自由度や補助金の利用可否にも影響するため、早い段階で把握しておくことが重要です。

 

 

❸ 敷地条件・周辺環境の読み取り

建物だけでなく、敷地や周囲の状況も含めて確認します。

・前面道路の幅・種別・接道長さ
・セットバックの有無
・敷地の高低差や形状
・方位・隣接建物との関係

また、境界線の明確さ・越境物の有無(塀・屋根・配管など)も重要な確認ポイントです。

陽当たり・風通し・プライバシーの取りやすさといった、生活環境としての“ポテンシャル”と“制約”を見極めることで、リノベ後の暮らしを具体的にイメージできます。

 

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❹ 敷地内の未登記・違法建築物の有無

母屋以外に、敷地内にある物置・蔵・離れ・カーポートなどの建築物や構造物が法的に適正かどうかを確認します。

・面積制限に違反していないか
・登記されていない構造物がないか
・既存不適格や違反建築になっていないか

実務では、「母屋は問題ないが、脇にある物置が原因で確認申請が通らない」という事例も珍しくありません。
小さな構造物でも、法的には大きな障害になることがあります。

 

 

❺ インフラ・性能面のチェック

水道・ガス・電気などのライフラインの引き込み状況や更新可能性を確認します。

・配管の口径や材質、引込経路
・メーターの位置・容量
・電気・給湯・ガスの更新可否

また、断熱材の有無・サッシの仕様・換気性能など、リノベーションによる性能向上の可能性についても、この段階で目星をつけます。

改修の難易度や予算に関わるため、リノベの“伸びしろ”と“限界”を把握するための重要な要素です。

 

▼リノベーションの断熱については、こちらの記事で解説しています。

【リノベーション×断熱】失敗しない“リノベーション”で断熱・省エネ性能を高める方法|制度・設計・費用を徹底解説
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❻ その場で「何ができるか/できないか」の判断が得られる

設計者が内覧に同行する最大のメリットは、その場で「この家で何が実現できるか」の現実的な判断が得られることです。

・「この壁は抜ける/抜けない」
・「LDKは南面に配置可能」
・「水回りの移動には制限がある」
・「2階の増築は難しい」

このような判断を、法規・構造・動線計画の観点から即座にフィードバックします。

「買っていい家かどうか」を、感覚ではなく根拠を持って判断できることが、同行の最大の意義です。

 

 

まとめ|内覧同行は「この家を買うかどうか」の判断材料を得るためのもの

設計者の内覧同行は、診断でも営業でもありません。

あくまでその物件に対して、
・理想の住まいが実現できる可能性はあるか?
・無理なく設計・改修が進められる条件が揃っているか?

を最短で見極めるための行為です。

「この家、どう思いますか?」という問いに対して、
設計の視点から「できること」「できないこと」を明確に答えてくれる、唯一の立場が設計者です。

 

 

 

中古住宅+リノベーションという選択肢を考えるとき、
「まず物件を購入してから、設計者に相談する」
という流れが一般的だと思われがちです。

しかし、本当に失敗のない家づくりを目指すなら、物件を選ぶ前から設計者と動くというアプローチが、もっとも合理的で安心だと解説してきました。

ここからは、設計者と連携してリノベーションを進める際の理想的なステップを、段階ごとにわかりやすく解説します。

 

 

物件選定から始めるリノベーション-全体の流れ

全体の流れは、次のとおりです。

❶ ステップ①|ヒアリングと“理想像”の共有(物件探しの前)

❷ ステップ②|候補物件の資料チェック・内覧同行

❸ ステップ③|プラン検討と概算見積もり

❹ ステップ④|買付・契約・詳細設計へ

❺ ステップ⑤|工事・引き渡し・アフターケアまで

それぞれ詳しく解説します。

 

 

❶ ステップ①|ヒアリングと“理想像”の共有(物件探しの前)

まずは、物件を探す前の段階で、設計者と希望条件やライフスタイルについてのすり合わせを行います。

・家族構成・働き方・趣味・暮らし方の価値観
・希望エリア・広さ・価格帯・優先順位(陽当たり・間取りなど)
・「何を叶えたいのか」「何を避けたいのか」

このような対話を通じて、「どんな家を探すべきか」という選定基準が明確になります。
この軸があることで、不動産情報の読み方や内覧時の視点が大きく変わり、的確な判断がしやすくなるのです。

 

 

❷ ステップ②|候補物件の資料チェック・内覧同行

気になる物件が出てきたら、仲介会社から入手した図面・登記簿・公図・用途地域などの資料を設計者に共有します。

設計者は、これらの資料をもとに、
・法的な制限や申請の可否
・間取り変更の自由度や構造的リスク
・敷地や周辺環境の課題
などを事前に精査します。

さらに、必要に応じて内覧に同行すれば、現地で「この家で何ができるか・何ができないか」までを判断できます。その場で方向性がクリアになるため、無駄な買い付けや契約後の後悔を防ぐことにつながることでしょう。

 

 

❸ ステップ③|プラン検討と概算見積もり

内覧・調査を経て「この家で理想の暮らしが実現できそうだ」と判断できたら、
設計者が簡易的なプラン案や空間構成の提案を行い、可能性を確認していきます。

同時に、
・おおまかな工事費用
・設計料・申請費などの諸費用
・ローン手数料や登記費用の目安
といった資金計画の全体像も提示されるため、
「この家にいくらかかるか」だけでなく、「どこまで実現できるか」を具体的に把握することができます。

この段階で「リノベ一体型住宅ローン」などの金融相談にもスムーズに移行できます。

 

 

❹ ステップ④|買付・契約・詳細設計へ

設計者の判断や方針に納得できた段階で、ようやく買付申込・売買契約に進みます。
購入後は正式な設計契約を結び、以下のようなプロセスへと移行します。

・現地詳細調査(測量・構造確認)
・実施設計の作成
・行政手続き・建築確認申請
・施工会社の選定・見積もり精査

また、不動産会社・金融機関・施工会社との連携を、設計者が調整・中継することで、家づくり全体がスムーズに進行します。

 

❺ ステップ⑤|工事・引き渡し・アフターケアまで

工事が始まってからも、設計者は設計監理者として現場に関与します。
「図面通りに工事が進んでいるか」「設計変更が必要か」「追加費用が発生しそうか」といった判断を、施主の立場で確認・交渉・調整してくれます。

また、完成後も…
・定期点検やメンテナンス相談
・間取り変更や家具相談
・将来的な売却や資産活用のサポート
このように“暮らしの伴走者”としての設計事務所の関係性が続いていきます。

 

 

まとめ|“建てる”より前に、“選ぶ”段階から設計者と動く

中古住宅+リノベーションでは、建物がすでに存在しているからこそ、「選び方」こそが最大のポイントです。

設計者と最初から動くことで、
・無駄な内覧や誤った判断を防ぎ
・設計と費用のギャップを最小化し
・全体予算と暮らしの質を両立できる
という理にかなったプロセスが実現できます。

「設計図を描く前」に、設計者とつながることが、最も大きな安心と、最も効率的なコスト削減につながる。
これこそが、失敗しない家づくりの本質です。

 

▼こちらの記事もおすすめです。

【完全ガイド】建築家・設計事務所との家づくりの流れ|相談〜契約・見積・工事・完成後のアフターまで
https://studio-tabi.jp/architect_flow/

【完全ガイド】注文住宅は何から始める?|後悔しないための最初の一歩と正しい順番・注意点まとめ
https://studio-tabi.jp/home-correct-flow/

 

 

 

最後に、中古住宅+リノベーションをご検討中の方から、実際によくいただくご質問にお答えします。

設計者としての現場経験をもとに、不安や迷いをひとつずつクリアにしていただくためのQ&Aです。
物件選びで後悔しないために、ぜひご参考ください。

 

 

Q1. 図面や確認済証がない家でもリノベーションできますか?

A. 条件付きで可能ですが、リスクが高まるのは事実です。

とくに構造や法的整合性を確認できない場合、間取り変更の自由度が制限されたり、補助金・申請が通らなかったりする可能性があります。

最低でも「確認済証」「検査済証」「竣工図面」のうち、いずれかが残っている物件を選ぶことをおすすめします。

 

 

Q2. 物件購入前に設計事務所に相談しても大丈夫でしょうか?迷惑になりませんか?

A. まったく問題ありません。むしろ、購入前のご相談こそが理想的なタイミングです。

設計事務所は「設計図を描く場所」というより、家づくり全体を導くパートナーです。
ご相談いただくことで、内覧・購入判断・資金計画・設計の進め方などがスムーズになり、無駄な時間やトラブルを避けることができます。

 

 

Q3. 不動産仲介と設計事務所、どちらに先に連絡するべきですか?

A. 設計事務所を先にご相談いただくのが安全です。

不動産仲介は「売る」ことが目的のため、その物件がリノベに向いているか/法的リスクがあるか/設計が成立するかまでを精査することはありません。

設計者が先に関与することで、「そもそも買うべきでない物件」を早い段階でふるいにかけることができます。

 

 

Q4. 内覧同行には、どれくらいの費用がかかりますか?

A. 設計事務所によって異なりますが、1回あたり1〜3万円が相場です。

初回無料や、設計契約に含まれるケースもありますので、事前に確認されることをおすすめします。

この費用で「買ってから後悔するリスク」を排除できると考えれば、非常に合理的な投資と言えるでしょう。

 

 

Q5. 築年数の古い家でも、快適に暮らせるようにできますか?

A. 状態に応じて補強すれば、十分快適な住まいに変えることは可能です。

ただし、構造や劣化の程度・インフラの状況によっては、補強や改修にかかる費用が大きく異なります。

「古いから悪い」のではなく、見極めと設計力があれば、“味のある良質な家”に再生できる可能性は大いにあります。

 

 

Q6. 中古+リノベって、新築より本当に安いんですか?

A. 一概に「安い」とは言えませんが、“価値ある選択肢”になるケースは多くあります。

物件価格に加え、解体・補修費・設計費・登記・諸経費などを含めた総額で新築と比較する必要があります。

物件によっては、新築と同等かそれ以上になることもありますが、立地や環境、趣のある空間など、新築では得られない価値を得られる点が、中古リノベの大きな魅力です。

 

 

まとめ|“すべて自分で判断しようとしない”のが、リノベ成功の近道

中古住宅+リノベーションでは、構造・法規・設計・予算・スケジュール…
一つひとつの判断が、結果に大きく影響します。

それらすべてを自分ひとりで背負う必要はありません。
信頼できる専門家に早めに相談することが、もっとも確実で、最小コストで理想の住まいにたどり着くための近道です。

 

▼こちらの記事もおすすめです。

リノベーションで“理想の空間”を叶える7つの工夫|建築家のいる設計事務所が実践するシンプルモダン×機能美のデザイン術
https://studio-tabi.jp/renovation-ideal-design/

 

 

 

中古住宅+リノベーションは、「安くマイホームを手に入れる手段」になるかどうかは、物件次第です。
そのため、すでにある建物と真剣に向き合い、可能性を見極め、暮らしの質を根本から整えることが大切だといえます。

「見た目がきれい」「価格が手頃」そうした表面的な条件では、理想の住まいは手に入りません。
本当に見るべきなのは、建物の構造、法的な整合性、敷地の状況、図面や書類の有無、そして“どこまで設計の自由度があるか”という、目に見えない部分です。

 

 

「見える家」ではなく、「整う家」を選ぶ

私たち設計者が注目するのは、“この家が、未来の暮らしにどこまで寄り添えるか”という本質的な可能性です。

・構造がしっかりしているか
・法規的に設計変更が可能か
・性能向上が現実的か
・違法建築や境界トラブルの火種がないか

こうした視点をもって選んだ家こそが、安心して暮らせる土台になります。

 

 

「買ってから考える」ではなく、「考えてから買う」

中古住宅リノベの成功は、物件を買う前の判断で8割が決まります。
だからこそ、「どれを買うか」ではなく、
「どう選ぶか」「誰と選ぶか」を最初に整えておく必要があります。

失敗を避けるには、“整える目線”を持ったプロ、つまり設計者の視点を早期に取り入れてください。

 

 

設計事務所にできること|「選ぶところから、設計は始まっている」

私たち建築家は、間取りや仕様を決めるだけの存在ではありません。

・この家は設計的に伸びしろがあるか?
・将来的に性能向上リノベに耐えうるか?
・制度的にクリアすべき点は何か?
・快適性とコストを両立させるにはどの順番で進めるべきか?

そうした複数の判断軸を、“暮らしの整合性”という視点から統合するのが、設計事務所の役割です。

 

 

「選ぶ目」を、一緒に育てましょう

中古住宅選びに、絶対の正解はありません。
けれど、“失敗しないための考え方”と“相談できる相手”さえあれば、迷う必要はなくなります。

「どんな家ならリノベできる?」
「どの物件を避けた方がいい?」
「この家、本当に買っても大丈夫?」

そうした迷いがある方こそ、ぜひ一度ご相談ください。
私たちは、住まいの本質を「整える設計」で支えます。 

▼私たちの【設計実例】は、以下からご覧いただけます。

 

HPhttps://studio-tabi.jp/

資料請求・イベントhttps://studio-tabi.jp/project/event/

YouTubehttps://studio-tabi.jp/project/youtube/

Instagramhttps://www.instagram.com/tawks.tabi/

 

 

 

▼こちらの記事もおすすめです。

【2025年最新版】リノベーション補助金・減税制度まとめ|対象条件・金額・申請方法・注意点を完全ガイド
https://studio-tabi.jp/renovation-subsidy-guide/

 

参考資料・公的機関リンク一覧(リノベーション関連)

国土交通省 住宅局住宅生産課|一般社団法人 住宅性能評価・表示協会
既存住宅の住宅性能表示制度ガイド

https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/content/001594050.pdf

国土交通省|土地・建設産業局、住宅局
既存住宅流通市場の活性化

https://www.mlit.go.jp/seisakutokatsu/hyouka/content/001313273.pdf

国土交通省
令和7年度長期優良住宅化リフォーム推進事業

https://r07.choki-reform.mlit.go.jp/

一般社団法人 住宅リフォーム推進協議会
https://www.j-reform.com/

住宅金融支援機構|フラット35リノベ
https://www.flat35.com/loan/reno/index.html

国税庁
マイホームを増改築等したとき|住宅特定改修特別税額控除など

https://www.nta.go.jp/publication/pamph/koho/kurashi/html/05_2.htm

国税庁
No.1216 増改築等をした場合(住宅借入金等特別控除)

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1216.htm

 

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