既製品ではつくれないリノベーション|オーダー家具・造作建具が求められる理由とは?―設計事務所が解説

はじめに|リノベーションでは「家具・建具」を設計しよう

リノベーションを検討する際、間取りを変えることや、内装を新しくすることだけに留まっていませんか?
実は、もう一歩踏み込んで考えてほしいものがあります。

それが、オーダー家具や造作建具です。

なぜなら、空間デザインの完成度だけでなく、使いやすさまでも、劇的に向上させる可能性を秘めているからです。

新築とは異なり、リノベーションでは既存の建物を活かしながら新しい空間をつくっていきます。
建物ごとに条件が異なるため、既製品を並べるだけでは、どうしても対応しきれない部分が出てくるものです。

それが理由で、
数センチの隙間が残る、収納が使いにくくなる
といったことは多いもの。
空間全体に少し違和感が残ることもあるでしょう。

だからこそ、リノベーションでは建物に合わせて一つひとつ寸法を調整できる造作家具・造作建具が大きな役割を果たします。
単に「特注品をつくる」という話ではありません。
既存建物の制約を読み取り、暮らし方に合わせて、空間全体を丁寧に整えていくための設計です。

そこで本記事では、リノベーションにおいて、造作家具・造作建具が求められる理由を、設計事務所・建築家の視点から詳しく解説します。

 

リノベーションとオーダー家具・造作建具は相性がいい

まずは、なぜ、リノベーションでは、オーダー家具・造作建具が求められるのか?について解説します。

リノベーションの大きな特徴は、建物ごとの個別性が非常に高いことです。

同じ築年数、同じ広さの住宅でも、柱や梁の位置、天井高さ、窓の寸法、設備配管の位置などは異なります。
そのため、決められた寸法でつくられた既製品だけで、すべてを無駄なくきれいに納めることは、簡単ではありません。

例えば、壁から壁まで収納を設けたい場合。
既製家具では、どうしても左右に隙間が生まれたり、梁の下だけ収納が途切れたりすることがあるものです。
一方、造作家具なら、既存の壁や梁に合わせて寸法を決めることが可能です。
限られた空間を無駄なく使いながら、建築そのものと一体になったような自然な納まりをつくることができます。

 

造作家具なら、限られた空間を無駄なく使える

リノベーションでは、限られた床面積をどのように活かすかも大切なポイントです。

特にマンションやコンパクトな住宅では、数十センチの違いでも収納量や使い勝手に大きく影響します。

造作家具であれば、

壁いっぱいの収納。
梁下を利用した棚。
階段下の収納。
キッチン背面のカウンター。

といったように、既存建物の形に合わせて細かく設計することができます。

さらに重要なのは、単に「隙間なく家具を入れる」ことではありません。

何を収納するのか。どこで使うのか。
どの高さなら取り出しやすいのか。

暮らし方まで考えながら、寸法を一つずつ決めていくこと。
これが、造作家具の本当のメリットです。

家具を後から置くのではなく、建築の一部として家具を設計する。
そうすることで、空間をすっきり見せながら、使いやすさも高めることができます。

 

造作建具が空間の完成度を高める

リノベーションでは、造作家具と同じように、造作建具も重要な要素です。

建具とは、室内ドアや引戸、収納扉などのこと。
既製品にも多くの選択肢がありますが、サイズやデザインには一定の規格があります。

一方、造作建具なら、既存の開口寸法や天井高さに合わせて、幅や高さを自由に調整できます。

例えば、
天井まで届く高さの扉にする。
壁と建具のラインを揃える。
引戸を壁の中に引き込むことで、存在感を抑える。

このようなことも造作建具なら可能でしょう。
こうした部分は、一つひとつを見ると小さな違いかもしれません。
しかし、細部が積み重なることで、空間全体の印象は大きく変わります。
リノベーションの完成度を高めるには、間取りや素材だけでなく、家具や建具の納まりまで含めて設計することが大切なのです。

 

オーダー家具・造作建具は「見た目」のためだけではない

造作というと、
「デザインにこだわるためのもの」
という印象を持つ方もいるかもしれません。

しかし、本来の目的は、見た目を整えることだけではありません。

収納量や生活動線。
掃除やメンテナンスのしやすさ。
使う人の身長や身体の動き。

そうした日々の暮らしまで含めて、細かく調整できることに、造作の大きな価値があります。

また、既製品だけではどうしても生まれてしまう無駄な空間がなくなる合理性も、オーダー家具・造作建具mp強みです。

美しさと使いやすさを、別々に考えないこと。

そして、合理性。

すべてを一つの設計として整えられるのが、造作家具・造作建具なのです。

 

造作は高い?既製品との使い分けが大切

造作家具や造作建具は、既製品に比べて費用が高くなることがあります。
一つひとつ寸法を決め、材料を選び、職人が製作するためです。

そのため、何でも造作すればよいわけではありません。
大切なのは、造作する部分と既製品を使う部分を見極めること。

例えば、既製品で十分に納まる収納は既製品を使う。

一方で、
梁や柱が絡む場所、
空間の中心になる家具、
寸法調整が必要な建具などは造作する。

このように、必要な場所へ適切にコストをかけることで、予算と完成度のバランスを取りやすくなります。

造作家具は高価なものをつくるためではなく、建物や暮らしに合わせて必要なものを必要な形でつくるためのものです。
既製品と造作を上手に組み合わせることも、リノベーションにおける大切な設計の一つでしょう。

 

リノベーションでは細部まで考える設計力が求められる

造作家具や造作建具をきれいに納めるには、単に寸法を指定するだけでは十分ではありません。

既存建物の状態を確認し、
壁や床、天井との取り合いを考え、
設備や照明との関係まで整理する必要があります。

さらに現場では、解体して初めて分かることもあります。

図面上ではまっすぐに見える壁が実際には少し傾いていたり、
想定していなかった梁や下地が現れることも珍しくありません。

そうした状況に合わせて、寸法や納まりを調整していくことも、リノベーション設計の重要な仕事です。

家具、建具、照明、設備、内装。
それぞれを別々に考えるのではなく、一つの空間として整えていく。
そこに、設計事務所や建築家がリノベーションに関わる意味があります。

既製品を選ぶだけでは届かない部分まで考え、建物ごとの条件に合わせて答えをつくること。
それが、リノベーションに求められる設計力です。

 

まとめ|造作家具・造作建具が、その建物らしい空間をつくる

リノベーションでは、既存建物という条件があるからこそ、新築以上に細かな調整が求められます。

柱や梁、窓、段差といった条件を避けるのではなく、どう活かすかを考えること。
そのための有効な方法の一つが、造作家具や造作建具です。

空間に合わせて寸法を整え、暮らしに合わせて使い方を考える。
そうすることで、既製品を並べるだけでは生まれない、その建物だけの空間がつくられていきます。

リノベーションの価値は、古い建物を新しく見せることだけではありません。
既存建物の個性や制約を読み取り、そこに新しい暮らしを丁寧に重ねていくこと。
家具や建具まで含めて設計することで、リノベーションの可能性はさらに大きく広がるでしょう。

 

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【オーダー建具-再考-】なぜ“既製品の建具”では設計に限界があるのか?|注文住宅が劇的に変わる-“造作建具”の真価とは?

 

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私たち、設計事務所Tabiでは、既存建物の条件を丁寧に読み取り、造作家具・造作建具まで一体的に設計しながら、
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初回のご相談・ご提案は無料です。

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