吹き抜けとは?メリット・デメリットやその対策を解説!施工事例もご紹介します。

開放的で伸び伸びとした空間・住まいをつくりたいと考えている方は多いのではないでしょうか?

天井や床がなく、複数階をまたがって連続する空間「吹き抜け」は、開放感を演出するのに非常に効果的です。
家づくりをするにあたって、「吹き抜け」を希望する人は少なくありません。

けれども、「吹き抜け」のそれ以外の魅力・メリットの他、いくつかの大きなデメリットをご存知ない方も多いのが実際のところでしょう。

 

 

そこで今回は、吹き抜けのメリット・デメリットを解説します。
「吹き抜け」を取り入れた住まいの施工例なども紹介します。

ぜひ最後まで読んで参考にしてみてください。

 

 

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まずは、「吹き抜け」とは何か?その概要を整理しておきましょう。

「吹き抜け」とは、天井や床がなく、複数階をまたがって連続する空間のことを指します。

実は、正確には、ただ天井高が高い空間ではなく、複数階をまたがっていると「吹き抜け」というのです。

天井高のデザインについては、こちら↓の記事で詳しく解説しています。
【理想の天井高?高い、低い、ベストは?各メリット・デメリットや設計のポイント。】

 

 

 

 

続いて、吹き抜けのメリットを整理しましょう。代表的なメリットは次の3つです。

1.開放感を演出できる。
吹き抜けをつくると、上下階が繋がり、天井が高くなるため、立体的な開放感が生まれます。
特に、リビングやダイニングなど、家族が集まる場所に吹き抜けがある場合、全員が集まっても窮屈に感じることはなく、伸び伸びとした暮らしを実現できます。

 

開放感を演出するデザインについては、こちら↓の記事で詳しく解説しています。
【開放感のある家をつくる7つのポイント。間取りやインテリアの設計手法・デザイン。】

 

 

2.採光面で効果的。
採光のための窓は、高い位置に設けると、太陽光が届く範囲が広がり、大きな空間を明るくすることができます。
吹き抜けの2階にあたる位置・ハイサイド窓を十分な大きさでつくれば、日中は外から入る光だけでも1階部分を十分に明るくなります。
特に、周辺が建物密集地であったり、敷地が狭く1階の窓から光を取り入れることが困難な場合には、非常に効果的です。

 

窓のデザインについては、こちら↓の記事で詳しく解説しています。
【最高の開口部・窓のつくり方。4つのポイントと手順。住宅の設計デザインが決まる。】

 

 

3.上下階でのコミュニケーションが可能。
吹き抜けは1階・2階がつながるため、上下階でのコミュニケーションをとることが可能になります。
例えば、1階のリビングから2階の子供部屋へ声を掛けやすくなり、家族間の会話やコミュニケーションを取る機会が増えるでしょう。

 

 

 

続いて、吹き抜けのデメリットをご紹介します。代表的なデメリットは次の3つです。

1.光熱費が高くなる。
暖気・温かい空気は上に、冷気・冷たい空気は下に留まります。
吹き抜けにすると、縦方向に空間がつながりますので、空調設備による空間全体の温度管理は、少しだけ難しくなります。特に、冬場の暖房による空調コントロールには注意が必要で、空間があまりにも広いと、温かくなりにくいこともあるでしょう。

 

 
しかしながら、住宅程度の規模では、断熱性能・気密性能を高めれば、過度に光熱費や冷暖房の効率にナーバスになる必要はないと考えても良いと思います。

 

断熱性能については、こちら↓の記事で詳しく解説しています。
【住宅の断熱とは?最高の断熱材?メリットや各種類の特徴、注意点や重要ポイント。】

 

 

2.上下階間で臭い・音が伝わりやすい。
吹き抜けは、上下階でのコミュニケーションが取りやすくなりますが、臭いや音も同様に伝わりやすいと言えます。
例えば、1階の会話やテレビの音が2階まで聞こえてしまい、プライベートな空間を確保することが難しくなったり、1階のキッチンの臭いが2階まで充満しやすくなったりします。
特に、二世帯住宅の場合などは、吹き抜けの採用は、よく検討して判断しましょう。

 

 

3.メンテナンス・掃除が大変。
吹き抜けは、メンテナンス・掃除が大変だと言えます。
例えば、吹き抜け上部に設置された照明・窓・シーリングファンなどの掃除や交換は危険が伴い、業者を手配する必要もあるかもしれません。
吹き抜けは、このようなメンテナンスに関することも考えて、採用を検討しましょう。

 

 

 

前の項で、吹き抜けのデメリットをご紹介しましたが、ナーバスになる必要はありません。その対策もご紹介します。

1.暖気・冷気の対策
吹き抜けにすると、空調設備による空間全体の温度管理は少しだけ難しくなりますので、光熱費に関しても配慮して、次のような対策をしておいた方が無難だとは言えます。
・断熱性能、気密性能を高くする。
・シーリングファン、サーキュレーターを設置して空気の滞留を抑える。
・空調面積に余裕のあるスペックのエアコンを採用する。
・床暖房や薪ストーブを設置する。

 

 

2.紫外線対策。
吹き抜けでハイサイド窓を採用すると、紫外線が気になる方もいらっしゃると思います。その場合には、次のような対策が効果的です。
・紫外線をカットする性能のあるガラスやフィルムを採用する。
・1階から操作できるようにロールカーテンなどを設置する。

 

 

3.臭気対策。
吹き抜けでは、上下階で臭いが伝わりやすく、臭気が家中に充満しやすいです。臭気にも配慮したい方は、次のような対策が効果的です。
・通風計画に配慮する。
・こまめな換気をする。
・シーリングファンを設置する。
・漆喰などの消臭効果のある内装材を使用する。

 

 

4.メンテナンス対策。
吹き抜け上部に設置された照明・窓・シーリングファンなどの掃除や交換は危険が伴います。あらかじめ対策するのであれば、下記の工夫が有効です。
・長寿命のLED照明を採用し、取り替える回数を減らす。
・脚立などを使用すれば届く位置にブラケット照明やペンダント照明を採用する。
・掃除やメンテナンス用にキャットウォークを設ける。

 

 

 

ここからは、私の設計事務所の施工事例、吹き抜けを採用したプロジェクトを2つ紹介します。

【HOME-YO】

のどかで豊かな田園風景を存分に楽しめる伸び伸びとした住まい。
吹抜と大きなハイサイド窓を設けることで、外部の空を切り取り、開放感を演出。
太陽光で満たされた明るいリビングとなりました。
暖気・冷気の滞留の対策として、吹き抜けの天井部分には、シーリングファンを設置しています。

 

 

 

 

 

 

【HOME-YO】のその他の写真は、【こちら】からどうぞ。

 

続いては、こちら↓の作品の紹介です。

 

【HOME-KN】

親戚や友人が大勢集まることもある、2世帯住宅。
吹抜と大きな窓を設け、床面積でなく、空間の広がりによる開放感を演出。
こちらも、太陽光で満たされた明るいLDKになっています。
家族間での仲も良い住まい手なので、家族同士の気配がLDKから伝わりやすいような間取り。
コミュニケーションがとりやすく、楽しい住まいです。

 

 

 

 

 

 

 

【HOME-KN】のその他の写真は、【こちら】からどうぞ。

 

その他の施工事例は、こちら↓からご覧頂けます。 

【WORKS-作品事例】

 

 

 

今回は、吹き抜けのメリット・デメリット、その対策を解説し、吹き抜けを取り入れた住まいの施工例などを紹介しました。

吹き抜けを効果的に取り入れたり、魅力的な吹き抜けとするために、大切なのは、設計力・アイデア・提案力です。

 

 

「設計力」が高くなれば「費用」も高くなると考える方も多いと思います。しかしながら、そのようなことはありません。

「設計力」も「コストパフォーマンス」もどちらも優先し、高いクオリティを実現出来るのが「建築家のいる設計事務所」との家づくりです。ぜひ、一度は相談に行ってみましょう。

こちら↓の記事で詳しく解説していますので、ぜひ、参考にしてみて下さい。
【建築家・設計事務所が最もコストパフォーマンスに優れる!?設計料など費用面を徹底解説!】

 

 

私たちの設計事務所では、ご相談・間取りなどの提案は無料です。もちろん、土地探しからのご相談も歓迎です。

施工をしない・建築家の家づくりは、工務店・ハウスメーカーなどとは大きく違います。
少しでも家づくりにこだわりたい気持ちがあり、建売などではなく注文住宅を採用されるのであれば、まずは建築家に相談してみること、それから色々と考えるのがおすすめです。

その際、私たちのような、機能・デザイン・コストなど全方位でバランスの良い住まいを目指す建築家であれば、より相談できることは多いことでしょう。

建築家の仕事に距離は関係ありません。私も全国から依頼を承っております。
遠方の方でも距離を気にせずに、建築のことであれば何でもお気軽にお問い合わせ頂けると幸いです。

 

 

最後に。
住宅設計は、人生のデザイン。
住まいは、生涯の大半を過ごすであろう空間です。
皆様が妥協・後悔・失敗することなく、豊かな暮らしを送れますように。
夢の実現を全力でサポートする、良きパートナー・建築会社が見つかることを願っています。

 

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