造作家具・オーダー家具とは?特注の費用は?メリット・デメリット、施工事例。

造作家具・オーダー家具について、詳しくご存知でしょうか?
条件に合わせて、家具職人さんに特注・オーダーメイドで造ってもらう家具のことです。

より心地よい素敵な住まいにしたいのであれば、造作家具・オーダー家具を採用することをおすすめします。
けれども、費用がかかりそう、と不安に思ったり、既製品の家具では何が違うの?と疑問を持っている方も多いでしょう。

 

 

そこで今回は、次の4つのポイントについて解説します。

1.造作家具・オーダー家具とは?
2.造作家具の魅力・メリット
3.デメリットや注意点。特注した時の費用は?
4.オーダー家具の施工事例集

ぜひ、最後まで読んで参考にしてみてください。

 

 

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まずは、造作家具・オーダー家具とは、どのようなものか?ご説明します。

「造作家具」と「オーダー家具」は、ほぼ同じ意味の言葉で、オーダーメイド・特注の造り付けの家具のことです。
設置する空間のデザインや住まい手の使い方・ライフスタイル・好みに合わせて、素材を選び、特注のサイズで製作します。

 

 

「造作」とは、建築工事における、床・天井・壁・家具などの内装をつくる職人さんの手仕事・工事のことを指します。
「オーダー」は、オーダーメイド・特注という意味ですね。

収納、テーブル、椅子、キッチンなど、あらゆる家具を「造作家具」で、オーダーメイド・特注することが可能です。

 

 

 

次に、造作家具・オーダー家具のメリットや魅力について紹介します。

造作家具・オーダー家具のメリットや魅力は、次の5つです。

1.上質な空間デザインを実現できる。
2.空間を有効活用できる。
3.住まい手の使い方・ライフスタイルを反映できる。
4.オンリーワンの個性や好みを表現できる。
5.皆にやさしいデザインにできる。

それぞれ、詳しく解説します。

 

 

 

1つ目のメリットや魅力は「上質なインテリア空間を実現できる。」という点です。

上質なインテリア空間を実現するために大切なことの1つが「空間全体を統一したコンセプトのデザインで調和させる」ことです。

既製品の家具では、フローリングなどと素材が微妙に異なっていたり、壁の素材感と合わない、ということがよくあります。

 

 

けれども、造作家具・オーダー家具であれば、素材を厳選できます。
そのため、統一した仕上げにしたり、逆に空間に合わせたアクセントとなるような素材にすることもできますよね。
いずれにしても、細かな差異までこだわれるので、結果として、トータルでバランスのよい、より上質な空間づくりが実現出来るのです。

上質なインテリア空間のつくり方は、こちら↓の記事でも詳しく解説しています。
【最高のインテリア・上質な内装とは?内部空間をデザインする7つのポイント。施工事例集。】

 

 

 

2つ目のメリットや魅力は「空間を有効活用できる。」という点です。

造作家具・オーダー家具は、好きなサイズで製作することが出来ます。
スペースに合わせた寸法に調整すれば、隙間や空間を有効に活用することが出来ますよね。
住空間と収納などの家具が一体化する計画ができると、家の中に無駄がなくなります。
結果として、隅々まで使いやすくなり、家全体のコストをおさえられることにもつながるのです。

無駄のない家・空間の有効活用の重要性は、こちら↓の記事でも詳しく解説しています。
【最高の間取りの7ルール。間取りの良い悪いは何が基準になるの?】

 

 

 

3つ目のメリットや魅力は「住まい手の使い方・ライフスタイルを反映できる。」という点です。

造作家具・オーダー家具で選べるのは、素材・サイズだけではありません。
「引出し収納」「扉付き」「オープン収納」など、しまうモノ、使う人に応じた収納方法で設計・製作することが可能です。
「ここにこんな機能が欲しい」など、細かなオプションをプラスすることもできます。

 

 

さらに、身長が高い・低い、左利きなど、ご家族の身体的な個性にも自由に合わせることができることも魅力の1つです。収納が容量の面だけでなく、機能面・使い勝手の面でも充実していることは、住み心地を快適にすることに大きく貢献します。

住宅の収納については、こちら↓の記事で詳しく解説しています。
【注文住宅の収納計画。失敗・後悔しない7つのポイント。適切な収納量・割合などを解説。】

 

 

 

4つ目のメリットや魅力は「オンリーワンの個性や好みを表現できる。」という点です。

造作家具・オーダー家具では、デザイン、素材も住まい手が自由に選ぶことができるので、見た目・デザインで、個性や好みを表現することが可能です。
世界にたった一つだけ、唯一無二であることは長く愛着を持って暮らすためには大切なことですよね。

 

 

 

5つ目のメリットや魅力は「皆にやさしいデザイン。」という点です。

造作家具・オーダー家具は、好きな形状で自由に設計製作することができます。
例えば、角を丸くする、あるいは、曲線的な形状を採用することで、ぶつかったときの衝撃を和らげるように、幼いお子さんや年配の方を配慮したり、動線をスムーズにすることも可能です。

 

 

アレルギーなどに対する対策で、住宅に使用する材料を厳選した自然素材で統一する際にもオーダー家具が適しており、壁など建築と一体的に取り付けることが多いため、震災の際、家具の転倒の心配もありません。

さらに、ペットと暮らす家では、愛犬、愛猫に合わせた設計製作とすることも可能で、例えば、台所への侵入防止の扉、猫ドア、キャットウォークを兼ねた収納などもオリジナルでつくることができます。

このように、造作家具・オーダー家具であれば、皆にやさしいデザインにすることが可能です。

 

 

 

続いて、造作家具・オーダー家具のデメリットや注意点について解説します。
特注した時の費用についても紹介しますね。

ここでは、次の4つのポイントでお話します。

1.費用について。
2.デザインについて。
3.打合せについて。
4.採用について。

それぞれ詳しく解説します。

 

 

 

まず一つ目のポイント「費用」についてです。

造作家具・オーダー家具は、既製品の家具よりも、どうしても高額になることが多いです。
建築会社に採用したいことを伝えれば、多くの場合、仕様や中身に関わらず、非常に高い金額を提示されることでしょう。その金額は、数が多かったり、仕様が高ければ、何百万~1000万円以上になることもあります。

 

 

そこで、オーダー家具に特別得意な設計事務所に家づくりを依頼することをお勧めします。
例えば、自社で家具の設計デザイン・施工図を作成する技術力、1人親方の家具職人さんに直接発注することができるようなルート・コネクションを持っている設計事務所が望ましいです。
このような設計事務所であれば、数百万円かかる家具工事を半値程度にすることが可能です。
それだけのインパクトがあれば、住宅全体にかかるトータルコストを大幅に削減することにつながりますよね。

 

 
数社の建築会社を比較する際には、住宅全体にかかる費用だけでなく、造作家具・オーダー家具などの詳細な内容と具体的な費用を確認しましょう。

このような確認を怠ると、後からオプションで追加費用が大きくかかることになり、思い描いた通りにいかず、後悔してしまうことにつながります。むしろ、このような結果で家づくりを失敗・後悔されている人の方が多いかもしれません。

 

 

 

二つ目のポイント「デザイン」についてです。

家具は、空間の華となるエレメントの一つです。
費用もかかりますので、素晴らしいデザインにしたいところですよね。
けれども、デザイン性に優れたオーダー家具を設計するには、住宅設計だけでなく、家具専門の知識が必要です。

 

 

・間取りやインテリアデザインなど住宅設計全般の専門知識
・丁番、素材、木材の樹種ごとの特性、ビス、引手・取手、ありとあらゆる家具の専門知識

少なくとも、この2点を高いレベルで持ち合わせているデザイナーや設計士にオーダー家具を依頼するのがおすすめです。全体のインテリアを統合しながら、オーダー家具を詳細に設計・製作することが必要だからです。

オーダー家具を採用する家づくりを考えているなら、家具だけでなく、設計デザイン全般に関する幅広く深い専門知識を持つ建築会社に依頼しましょう。ただし、そのような建築会社は、ごくわずかに限られています。

 

 

 

三つ目のポイント「打合せ」についてです。

前述したように、簡単な棚くらいは対応できる工務店・ハウスメーカーは多いですが、デザイン性・クオリティの高いオーダー家具を実現出来る建築会社は、ごく一部に限られます。
造作家具の採用を考えているのに、家具が得意でない建築会社を家づくりのパートナーに選んでしまうと、オーダー家具を採用しても、無理が生じてしまうことでしょう。家具だけでなく、全体のデザイン性やコスト、使い勝手なども悪くなるかもしれません。

 

 

オーダーメイドの家具に関しては、設置する空間の寸法は当然のことながら、住まい手の身長や好み、使い方、ライフスタイルなども考慮した仕様で設計にしたいものですよね。
けれども、お打ち合わせをしたとしても、住まい手・施主側から自発的に要望とその答えを全て建築会社から伝えるのは非常に難しいものでしょう。

 


そこで建築会社が、詳細にまで行き届いた丁寧なヒアリングによって、住まい手の要望を上手く引き出さなくてはいけません。オーダー家具の場合は、より特別な専門知識も必要になります。しかしながら、建築会社は家具屋ではありませんので、このような極めて高度な打ち合わせをできる建築会社は限られていることは容易に想像できるのではないでしょうか?打ち合わせの質が低ければ、当然、手に入るものも低レベルだと考えた方が無難だと思います。

けれども、オーダー家具もヒアリングも得意な設計事務所であれば、質の高い打ち合わせによって、要望以上のデザイン性・クオリティの高いものが、まず手に入ることでしょう。

 

 

 

四つ目のポイントは、「採用」についてです。

ここまで、オーダー家具・造作家具の魅力を解説してきました。

けれども、造作家具よりも、既製品の方が優れている面もあります。
特にキッチンなど機能性が重要なものは、予算次第では、既製品の方が良いケースもあるでしょう。
その場合には、既製品をカスタムして、オーダーキッチンのように見せるなど、部分的にオーダー家具を取り入れることもできます。

 

 

また、造作家具には、大工工事・家具工事があります。
大工工事は、現場に材料を搬入して、大工さんが施工する工事です。
家具工事は、家具工房・工場などで製作した家具を現場に搬入して設置する工事です。
家具工事の方が精巧なものを製作できますが、コストは高くなります。

この大工工事と家具工事の範囲を上手く使い分けることで、空間のクオリティとコストバランスを調整することも重要です。

 

 

 

ここからは、私の設計事務所が手掛けてきた「オーダー家具の施工事例集」を紹介します。

 

オーダーキッチン

カウンター収納・床と同じ樹種・天然素材のナラ材を採用して、一体的にデザインしたオーダーキッチンです。
空間全体に統一感が生まれ、調和しているのが分かりますよね。
住まい手のライフスタイル・使い方に合わせ、収納を充実させるとともに、使い勝手にもこだわって設計しています。

 

 

 

 

洗面カウンター

既製品の天板・鏡収納を組み合わせてデザインしたオーダー・特注家具の洗面カウンター。
状況に応じて、座って、お化粧などができるようになっています。
収納も充実しているとともに、既製品やタイル仕上げなどを上手く採用することで、使い勝手・耐水性などにも配慮しています。

 

 

 

造作ソファ・ベンチ収納・マガジンラック

ソファの座面や背面のクッション、窓際の引出し式のベンチ収納、ソファの周りのマガジンラックなどの収納。
それらを一体的に一連のオーダー家具として、設計デザインした作品。
クッションについては、サンプルをもとに、座り心地や生地の色味なども追及しました。
機能性、収納量に優れ、スペースも有効利用できています。
デザインに統一感のある心地よい、くつろぎスペースを演出できていますね。

 

 

 

シューズボックス

玄関にオーダー家具を設け、素敵なお出迎え空間を演出するのもおすすめです。
こちらは、シューズボックスを造作家具で造った例です。
オーダー家具の背面は、アクセントとなる壁の仕上げを採用しました。

 

 

 

今回は、造作家具・オーダー家具について、次の4つのポイントについて解説しました。

1.造作家具・オーダー家具とは?
2.造作家具の魅力・メリット
3.デメリットや注意点。特注した時の費用は?
4.オーダー家具の施工事例集

 

 

より心地よい素敵な住まいにするには、造作家具・オーダー家具が最適であり、最もおすすめしたいものの一つです。

しかしながら、機能性・性能とデザイン性を両立するようなデザイン性・クオリティの高い、丁寧に設計されたオーダー家具を実現するには、特別な専門知識が必要です。住まい手だけの力だけでは非常に難しく、専門家や本当に設計力のある設計士・建築家ならではのものでしょう。

 

 

しかしながら、設計事務所に依頼すると、どうしても「費用」も高くなると考える方も多いと思います。けれども、建築家・設計事務所によっては、そのようなことはありません。

実は、「設計力」も「コストパフォーマンス」もどちらも優先し、高いクオリティを実現出来るのが「建築家のいる設計事務所」との家づくりです。ぜひ、一度は相談に行ってみましょう。

こちら↓の記事で詳しく解説していますので、ぜひ、参考にしてみて下さい。
【建築家・設計事務所が最もコストパフォーマンスに優れる!?設計料など費用面を徹底解説!】

 

 

私たちの設計事務所では、ご相談・間取りなどの提案は無料です。もちろん、土地探しからのご相談も歓迎です。

施工をしない・建築家の家づくりは、工務店・ハウスメーカーなどとは大きく違います。
少しでも家づくりにこだわりたい気持ちがあり、建売などではなく注文住宅を採用されるのであれば、まずは建築家に相談してみること、それから色々と考えるのがおすすめです。

その際、私たちのような、機能・デザイン・コストなど全方位でバランスの良い住まいを目指す建築家であれば、より相談できることは多いことでしょう。

建築家の仕事に距離は関係ありません。私も全国から依頼を承っております。
遠方の方でも距離を気にせずに、建築のことであれば何でもお気軽にお問い合わせ頂けると幸いです。

 

 

最後に。
住宅設計は、人生のデザイン。
住まいは、生涯の大半を過ごすであろう空間です。
皆様が妥協・後悔・失敗することなく、豊かな暮らしを送れますように。
夢の実現を全力でサポートする、良きパートナー・建築会社が見つかることを願っています。

 

名古屋の設計事務所 Tabiでは、家づくりに必要な情報や予備知識をブログにまとめ発信しています。
ぜひ、参考にしてみて下さい!

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