高い天井、大きな窓、視線が遠くに抜ける開放的な住まいには多くの魅力が詰まっています。
けれども、それが弱点を生むこともあることを知っていましたか?

そこで今回は、開放感のある家のメリット・デメリットを紹介。
開放的な間取りを設計する際の注意点や対策なども解説します。
ぜひ、最後まで読んで参考にしてみてください。

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開放感のある家・開放的な間取りを設計するには?
開放感のある家・開放的な間取りをデザインする方法は、ご存知でしょうか?
次の7点が開放感を演出するための設計のポイントです。
1.空間に強弱をつける。
2.視線の抜けをつくる。
3.スッキリとしたシンプルな空間をつくる。
4.大きな窓を効果的に設ける。
5.内と外を一体的に設計する。
6.その先の空間を想像させる。
7.アイストップをデザインする。
開放感を演出する設計手法は、こちら↓の記事で詳しく解説しています。ぜひ、参考にしてみてください。
【開放感のある家をつくる7つのポイント。間取りやインテリアの設計手法・デザイン。】

開放感のある家のメリット
それでは、まずは、開放感のある家のメリットを紹介します。
開放感のある住まいの代表的なメリットは次の4つです。
1.自然光に満たされた明るい住まいになる。
2.風通しの良い家になる。
3.圧迫感がなく、心地よい。
4.コミュニケーションが取りやすい。
それぞれ詳しく解説します。

メリット1.自然光に満たされた明るい住まいになる。
開放感を演出する代表的な手法に「閉鎖感をなくすために、窓などの開口部分を大きく取る」ことが挙げられます。
空間が開放的にするために窓が大きくなれば、その分、自然光も室内に入ってきます。自ずと自然光で空間全体が満たされた明るい住まいになると考えても差し支えないと言えるでしょう。

メリット2.風通しの良い家になる。
開放感を演出する代表的な手法には「極力、壁などの仕切りを排して、できるだけ大きな空間をつくる」というものもあります。
間仕切り壁が少なくなれば、風の通りを妨げるものは少なくなり、その結果、風の通りが良くなりますよね。
臭気などを効率よく排出し、カビや湿気なども発生も抑えることができるため、健康的な住まいになります。
通風計画については、こちら↓の記事で詳しく解説しています。
【風通しのいい家。そのメリットと設計のポイント、間取りや窓の配置など。】

メリット3.圧迫感がなく、心地よい。
開放感のある家は、視界を妨げるものが少なく、視線が抜け、圧迫感がありません。
圧迫感のない空間では、家族全員が集まっても閉塞感や狭さを感じることなく、ゆったりとリラックスできます。

メリット4.コミュニケーションが取りやすい。
開放感のある家は、空間が広範囲でつながっていることが多いことが特徴的です。
いつでも家族の気配を感じたり、互いにコミュニケーションをとることにつながります。

開放感のある家のデメリット・注意点・対策
開放感のある家にはメリットだけでなく、デメリットもあるので注意が必要です。
ここからは、開放感のある家のデメリット、注意点、それに対する対策を解説します。
次の5つが代表的なデメリットです。
1.冷暖房効率の低下。
2.プライバシーが損なわれる。
3.メンテナンスに手間がかかる。
4.音や臭いが広がりやすい。
それぞれ詳しく解説します。

デメリット1.冷暖房効率の低下。
天井が高く面積の広い空間、大きな窓は開放感を生み出します。
けれども、それが原因で冷暖房の効率が低下するリスクもあります。
【対策】
・高気密・高断熱の仕様を採用する。
・大きな窓には、断熱サッシ、Low-Eなどの高性能ガラスを使用する。
・余裕のあるスペックの空調システムを採用する。

ここで注意して頂きたいのは、「決して快適に暮らせなくなるわけではない」ということです。
開放的になれば、多少の冷暖房効率への影響はあるでしょう。
しかしながら、現代の住まいでは、標準的な性能の基準が高いため、そこまでナーバスになる必要はありません。
吹き抜けなどの空間であっても、ルームエアコンのスペックが十分であれば、快適に過ごすことができます。
極端に大きな空間でなければ、極端に冷暖房費が増えることもありません。
断熱については、こちら↓で詳しく解説しています。
【住宅の断熱とは?最高の断熱材?メリットや各種類の特徴、注意点や重要ポイント。】

プライバシーが損なわれる。
大きな窓やたくさんの窓を配置することは開放感を演出するのに効果的です。
けれども、隣家や道路などの周辺環境に配慮せずに窓を設けると、プライバシーが損なわれてしまうリスクがあります。
結局、カーテンなどで窓からの視界を遮断した暮らしをすることになりやすく、それでは意味がありません。
【対策】
・隣家や道路などの周辺環境からの視線を遮断できる位置に窓を設ける。
・植栽、塀、フェンス、ルーバーなどで外部からの視線を遮る。
窓のデザインについては、こちら↓で詳しく解説しています。
【最高の開口部・窓のつくり方。4つのポイントと手順。住宅の設計デザインが決まる。】

メンテナンスに手間がかかる。
大きな窓や高い天井を採用すると、清掃や電球などの交換などに手間がかかります。
その都度、専門の業者に依頼するなどの特定のメンテナンスが必要になることもあります。
【対策】
・掃除、交換などに配慮した位置に窓や照明器具を設ける。
・掃除や交換用のキャットウォークなどを設ける。
・必要な設備や道具を用意する。

音や臭いが広がりやすい。
開放感を演出するために、高い天井・大きな床面積を採用したり、間仕切り壁の少ないオープンフロアプランを採用すると、生活音や臭いが住まい全体に広がりやすいリスクがあります。
【対策】
・通風計画を充実させる。
・壁や床に吸音材を使用する。
・各部屋の間に廊下や収納を設け、音や臭いの緩衝材とする。
・換気設備に高スペックのものを採用する。
・音や臭いの発生源の空間は、天井高を下げたり、部分的に間仕切りや可動間仕切りを設ける。

まとめ
今回は、開放感のある家のメリット・デメリットを紹介。開放的な間取りを設計する際の注意点や対策なども解説しました。
高い天井、大きな窓、視線が遠くに抜ける開放的な住まいには多くの魅力が詰まっていますが、それが弱点を生むこともあります。しかしながら、適切な対策を採用すれば、デメリットを克服し、多くの魅力あふれた理想の住まいが実現できることでしょう。

そのためには設計力が必要であり、建築家・設計事務所であれば間違いありません。
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実は、「設計力」も「コストパフォーマンス」もどちらも優先し、高いクオリティを実現出来るのが「建築家のいる設計事務所」との家づくりです。ぜひ、一度は相談に行ってみましょう。
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私たちの設計事務所では、ご相談・間取りなどの提案は無料です。もちろん、土地探しからのご相談も歓迎です。
施工をしない・建築家の家づくりは、工務店・ハウスメーカーなどとは大きく違います。
少しでも家づくりにこだわりたい気持ちがあり、建売などではなく注文住宅を採用されるのであれば、まずは建築家に相談してみること、それから色々と考えるのがおすすめです。
その際、私たちのような、機能・デザイン・コストなど全方位でバランスの良い住まいを目指す建築家であれば、より相談できることは多いことでしょう。
建築家の仕事に距離は関係ありません。私も全国から依頼を承っております。
遠方の方でも距離を気にせずに、建築のことであれば何でもお気軽にお問い合わせ頂けると幸いです。

最後に。
住宅設計は、人生のデザイン。
住まいは、生涯の大半を過ごすであろう空間です。
皆様が妥協・後悔・失敗することなく、豊かな暮らしを送れますように。
夢の実現を全力でサポートする、良きパートナー・建築会社が見つかることを願っています。
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