【徹底解剖】なぜ今“マンションリノベーション”が人気なのか?|新築・戸建てを超える─現代最強の選択肢10の魅力

はじめに|“安いから”ではなく、“合理的だから”選ばれる時代へ

近年、都市部を中心に「中古マンションを購入してフルリノベーションする」という住まい方が急速に広がりを見せています。
かつては「新築こそ正解」とされていましたが、今では、住宅を取り巻く価値観は大きく変わりつつあるようです。

その背景となっているのは、単純な価格差では説明できない「合理性」の存在。
選択肢がないからではなく、“自分らしい暮らし方”を、都市の中で実現できるもっとも現実的な手段として、マンションリノベが選ばれているのです。

そこで本記事では、なぜここまでマンションリノベーションが支持されているのかを「新築や戸建てでは実現できない10の魅力」という切り口から、丁寧に掘り下げて解説していきます。

 

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マンションリノベーションで“設計事務所”が選ばれる理由|建築家が叶える空間デザイン・コストパフォーマンス・工事の安心感

 

 

Table of Contents

 

マンションリノベーションが注目される最大の理由は、「立地という価値を、現実的に手にできる」という点です。

そこで、まず初めに、マンションリノベーションの1つ目の魅力「駅近・好立地」について解説します。

 

新築で駅近に暮らすのは、もはや贅沢品

都心部における土地取得コストや建築コストの高騰にともない、新築マンションの価格も年々高騰し続けています。
一方で、新築・戸建て住宅では、そもそも土地から用意しなければならないため、利便性の高いエリアで持ち家で暮らすのは、現実的ではない方も多いのではないでしょうか?

結果、多くの人が以下のような“立地の不自由”を抱えることに・・・

・通勤・通学に時間がかかる
・駅やスーパー、病院が遠い
・子どもの教育環境に妥協が必要

にもかかわらず、住宅価格は決して安くはありません。
これが、都市部の新築住宅を取り巻く現実です。

 

 

中古マンションなら「都心の好立地」に暮らせる

住宅に対して、中古マンションはすでに都市インフラが整ったエリアに存在しているのが強み。
つまり、次のような“好条件の立地”を選べる可能性が生まれるのです。

・駅徒歩5分以内
・商業施設・病院・学校が徒歩圏
・人気学区内

さらに構造体がしっかりしていれば、フルリノベーションによって、内装は完全に刷新可能です。
古さや使い勝手を一掃し、最新の設備・自分好みのデザイン空間へと生まれ変わらせることもできます。

 

▼設備更新については、こちらの記事で解説しています。

【完全ガイド】マンションリノベーションの設備更新で失敗・後悔しないチェックリスト|配管・水回りなど判断基準と費用対効果

 

 

中古マンション+リノベ=「立地も空間も、自在に設計する」住まいの新基準

駅近で暮らすことと、自分らしい空間をデザインすること
その両方を同時に実現できるのが、「中古マンション×リノベーション」という選択肢です。

・無理なく好立地を手に入れる
・内装は完全に自分仕様に設計する
・建物の資産価値を活かしながら、価格は抑える

立地も、暮らしも、すべてを自分で整える。
そんな住まいの在り方が、今、合理的なスタンダードとして支持を集めています。

 

 

 

立地と並んで、マンションリノベーションの大きな魅力となるのが「コストと価値の最適なバランス」です。

そこでここからは、なぜマンションリノベが費用対効果に優れた選択肢なのかを解説。
価格の仕組み、設計の自由度、意味ある予算配分という視点から、住まいづくりの本質に迫っていきます。

 

 

「購入+リノベ」という発想が、コスト構造を合理化する

新築マンションの販売価格には、建築費以外にもさまざまな費用が上乗せされています。
たとえば、広告宣伝費、営業人件費、モデルルームの設営費、デベロッパーの利益など。
実は、これらが価格に含まれることで、実際に支払う金額と“実際に得られる価値”の間にギャップが生まれやすくなっているのです。

また、新築戸建てにも土地代・造成費・申請費・地盤改良の他、たとえば営業費など、見えにくいコスト要因が多数あります。一般的には、新築戸建ての場合も、「空間の質」よりも「諸費用や付帯コスト」に予算が取られてしまうのが実際のところでしょう。

その点、マンションリノベーションであれば、構造的に、次のようなメリットがあります。

・中古マンション本体を比較的割安に取得し
・内装や設備にピンポイントで予算を集中できる
・「買った瞬間に価値が下がる」という新築特有のリスクがない

つまり、「必要なところにだけ、確実にお金をかけられる」、そんな合理性こそがマンションリノベーションがコストパフォーマンスが高いといえる大きな理由です。

 

▼コスト戦略の詳細については、こちらの記事で解説しています。

マンションリノベーションの費用内訳と予算配分‐後悔しない“コスト戦略”とは?|判断基準・予算の優先順位の決め方

 

 

“価値のあるところ”にだけ、お金をかけられる

注文住宅と聞くと、「自由設計=好きなように作れる」と考える方も多いでしょう。
しかし実際には、ハウスメーカーや工務店が提供する“自由設計”の中には、あらかじめ決められた仕様やグレードの組み合わせを選ばされる“パッケージ型のカスタマイズ”に過ぎないケースも少なくありません。

外観や間取りは一見自由に見えても、中身は、半強制的に盛り込まれる設備や仕様で固められていることも多く、結果として、「本当に必要かどうか分からないもの」にまで予算が吸い取られていくこともあるようです。

その点、マンションリノベはスタート地点から考え方が違います。
多くが建築家や設計事務所に依頼する前提で進むため、“不要なものを徹底的に省き、意味のある部分にだけ予算を使う”という思想が根付いています。

・無垢材や左官壁などの素材にこだわる
・調光設計や間接照明で、光と影を丁寧にデザインする
・動線・収納・視線の流れを一から設計し直す
・キッチンや洗面台を、使い方に合わせて造作する

このような本質的な“空間の質”にお金をかけられるのが、マンションリノベの最大の醍醐味です。

つまり、コストパフォーマンスとは我慢のことではありません。
「価値の最大化」であり、「自分にとっての価値」を選び取る自由そのものなのです。

 

 

 

マンションというと、「間取りはある程度決まっていて変えられない」「水回りも動かせない」といったイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか?
しかし、フルスケルトンリノベーションを前提とすれば、そうした制約はほとんどありません。

むしろ、構造的に守られた躯体の中で、ゼロベースから空間を再設計できるという点で、マンションリノベは「自由設計の母体」として極めて優秀な条件を備えています。

そこでここからは、マンションリノベーションの間取りの魅力、スケルトンリノベーションについて解説します。

 

 

“柱と梁だけ残す”スケルトンリノベが可能になる理由

多くのマンションでは、RC造(鉄筋コンクリート造)ラーメン構造壁式構造といった強固な構造体(躯体)によって、建物全体が支えられています。
そのため、住戸内の内壁や設備をすべて撤去しても、構造上の安全性にはほとんど影響がありません。

この「構造体だけを残して空間を一度すべて解体する」という方法が、いわゆるスケルトンリノベーションです。

このスケルトン化によって、次のような本質的な自由設計が可能です。

・間取りを完全にゼロベースで再構築できる
・採光や風通しに合わせて空間配置を最適化できる
・回遊性や収納動線など、暮らしの導線そのものを再設計できる
・給排水ルートが確保できれば、水回りの位置も大きく動かせる

つまり、中古マンションであっても、構造的な制約さえクリアできれば“中身だけは新築以上に自由な家”をつくることが可能であり、既存構造を活かせる分、コスト面でも有利です。

 

 

「住まいに暮らしを合わせる」から「暮らしに住まいを合わせる」時代へ

かつては、建売住宅や分譲マンションのように、あらかじめ決められた間取りに自分の生活を当てはめるという発想が当たり前でした。しかし、現代ではその価値観は大きく変わりつつあります。

今、求められているのは、自分らしい暮らしを起点に、住まいのあり方そのものを編集していくという姿勢です。

・家事や育児を効率化する導線計画
・趣味や仕事のスペースを生活の中心に据える構成
・コンパクトでありながら、光・風・余白を感じられる設計

このような希望を、建築家や設計者とともに一からかたちにできる。それがマンションリノベの最も大きな魅力のひとつです。

 

 

 

間取りや設備を自由にデザインできる、それだけでは、快適な住まいは完成しません。
本当に安心して長く暮らすためには、“建物そのものの性能”が土台として備わっていることも欠かせないものです。

マンションリノベーションが優れているのは、内装や空間構成の自由度だけでなく、構造・断熱・気密といった“住宅としての基本性能”において、非常に優れたポテンシャルを持っているから。

そこでここからは、マンションならではの魅力、堅牢な構造と断熱性能について解説します。

 

 

鉄筋コンクリート造(RC造)という構造的な安心感

多くの分譲マンションは、鉄筋コンクリート造(RC造)や鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)によって建てられています。

RC造・SRC造は、木造戸建てと比較して、次のような構造的メリットがあります。

・地震や火災に対する耐久性が高い
・音や振動が伝わりにくく、生活音が気になりにくい
・経年劣化に強く、50年〜100年単位での使用にも耐える
・台風や集中豪雨など自然災害への耐性も高い

もちろん、木造も悪くはありませんが、耐震性においては、築30年のRCマンションが、最新の木造戸建てより安全性が高いという評価を受けるケースもあります。つまり、「築年数が古い=構造が弱い」という単純な判断は通用しないのが、マンションという建築物の特質です。

 

 

マンションのほうが、断熱・気密性能に優れる理由

意外かもしれませんが、断熱性・気密性という観点でも、マンションの方が有利になることが多いです。
その理由は単純で、マンションは上下左右を他の住戸に囲まれており、外気に触れる面積が少ないから。

そのため、

・冬は暖かく、夏は涼しい
・冷暖房の効率が良く、光熱費を抑えやすい
・室温が一定に保ちやすく、体にも優しい

このような、快適性と経済性の両立がしやすくなります。
これらは「内装の設計以前」に、建物としてのポテンシャルに支えられた恩恵だと言えるでしょう。

 

▼マンションリノベーションの断熱については、こちらの記事で解説しています。

マンションリノベーションで“断熱性能”を劇的に改善する5つの工夫|断熱リフォームの優先順位・費用対効果を徹底解説

 

 

 

設計者・施工者のあいだで、マンションリノベーションが“扱いやすい”と言われる最大の理由。
それは、建築確認申請が原則として不要である、という制度上のメリットです。

これは、設計自由度、コスト、施工期間に関わる重要な話でもあります。

マンションリノベーションは、理想の住まいを、よりストレスなく・合理的に実現できる土台が整っているのです。

そこでここからは、確認申請が原則不要という魅力について解説します。

 

 

建築確認とはなにか?そして、なぜ不要なのか

建築確認とは、建築基準法に基づき、計画した建物が法的に適合しているかどうかを行政または指定確認機関が審査・認可する制度のこと。
新築住宅や、既存建物の増改築などでは必ず必要となるステップです。

確認申請が必要な場合、

・間取りや設備配置に、法的な制限が生じる
・設計スケジュールが1〜2ヶ月以上延びる
・構造計算や書類作成にコストと手間がかかる
・特殊な設計は認可が通りにくく、設計者が限られる

このようなデメリットが生じ、自由設計であればあるほど“足かせ”になりやすい

しかし、マンションリノベーションの多くは「専有部分の模様替え」に該当するため、原則として確認申請が不要となります。これは法的にも構造的にも、極めて大きなアドバンテージです。

 

 

スピード・自由度・コスト、すべてに効く“制度的自由”

確認申請が不要であれば、次のようなメリットがあります。

・設計の自由度が高まり、制約を受けにくくなる
・工事着工までの時間が短縮される(構想から竣工までが早い)
・申請手数料・確認図書の作成費用など、間接コストが抑えられる

つまり、「最短距離で、自分にとってベストな住まいにたどり着ける」環境が整っているということ。

余計なコストも、無駄な待ち時間も、理不尽な設計の制限もない。
この制度的背景は、マンションリノベを検討する上で見逃せない大きな要素です。

新築戸建てや戸建てリノベでは、「自由設計」とうたいながらも、法規の制約・確認申請のハードルによって
“実質的には自由にならない”ケースも少なくありません。

その点、マンションリノベは制度上も“自由設計に最適化された環境”が初めから用意されているのです。

 

 

 

家を所有するということは、「建てること」以上に「維持すること」が重要です。
特に戸建て住宅では、屋根・外壁・基礎・配管など、すべてのメンテナンス責任が自分に降りかかってきます。

・雨漏りや外壁のひび割れ
・配管の詰まりや老朽化
・接道の補修や敷地境界のトラブル
・災害後の修繕対応 など。

それに対して、マンションという仕組みは、こうした維持・修繕の負担を仕組みで分担し、軽減してくれる合理的な構造を持っているのです。

そこでここからは、修繕・管理に関するマンションリノベーションの魅力を解説します。

 

 

「専有部分」と「共用部分」が明確に分けられている

マンションでは、次のように、建物全体が専有部分と共用部分に明確に分かれています。

専有部分:居住者が所有・管理する室内空間(リノベ対象エリア)
共用部分:構造体・屋根・外壁・廊下・エレベーター・縦管など

このうち、共用部分に関してはすべて管理組合と管理会社が責任を持って維持・管理するのが原則です。

つまり、住まい手が自分で対応するのはあくまで室内だけ
屋根が壊れても、配管に異常が起きても、構造や防水に問題が出ても、自分ひとりで抱える必要はありません

 

 

修繕積立金という“仕組み化された安心”

マンションには、毎月の管理費とは別に「修繕積立金」という仕組みがあります。
これは、すべての住戸が一定額を積み立てることで、将来の大規模修繕や設備更新に備えるための“共通の財源”です。

この積立金をもとに、あらかじめ策定された長期修繕計画に沿って、定期的に、次のようなメンテナンスが行われていきます。

・外壁や屋上の防水・塗装の改修
・配管(給排水・ガス)の更新・更生工事
・エレベーターやインターホンなどの設備交換
・地震・強風などに備えた構造の点検・補強

上記のような維持管理が、突発的な支出ではなく“計画的に実施される”というのは、マンションの大きな特徴です。

そのため、戸建て住宅のように、
「ある日突然、屋根が壊れて200万円」
「知らぬ間に配管が劣化して水漏れ」
といったリスクを、個人で背負う必要がありません

つまり、マンションという選択には、「修繕の責任をシステムに分散できる」という長期的安心感が備わっているのです。

これは、「自分の暮らしだけに集中したい」人にとって、非常に大きなメリットだといえるでしょう。

 

 

 

続いて紹介するマンション暮らしの大きなメリットが「日常の管理がシステム化されていること」です。

ゴミ出しや共用部の清掃、防犯管理などが仕組みとして整っているため、自分でやらなくていいことが圧倒的に多い。

この“手間のなさ”が、暮らしの質そのものを引き上げる快適さにつながっています。

そこでここからは、“管理された暮らし”が叶える、マンションならではの生活の快適性について解説します。

 

 

ゴミ出し、清掃、点検、防犯──あらゆる管理が“仕組み化”されている

戸建てに住んでいると、自分でやらなければならないことがとにかく多いものです。

・外構や植栽の手入れ
・エントランスや通路の清掃
・排水管や外壁の劣化チェック
・雨漏りや不具合の初期発見
・ゴミ出しスペースの整備と管理
・防犯カメラや照明の整備
・宅配ボックスや掲示物の整備

これらの全てを“自分ごと”として管理するのが戸建て住宅です。

 

 

一方、マンションではこれらの業務が管理会社や管理人によって日常的に運用されており、住民が直接手をかける必要がありません。

・共有部分の清掃はプロが実施
・ゴミは24時間出せる物件も多く、収集は自動化
・点検・修繕の手配も管理会社が一括対応
・エントランスや共用部の防犯システムも維持管理込み

つまり、時間と手間をかけずに“整った暮らし”が保たれる
それが、マンションという仕組みの本質的な快適性です。

 

 

「すべてをひとりで抱えない」という安心感

戸建てでは、なにかトラブルが起きたとき、すべての対応を自分で判断し、自分で手配しなければなりません。

・ご近所との境界や騒音の問題
・雪かきや雑草の処理
・災害時の初期対応
・不具合の原因特定や業者の選定

暮らしの外側まで、すべて自分が「管理者」として動く必要があるのです。

しかしマンションでは、こうした役割を“共通の責任”として分担する構造が用意されています。
管理人・管理会社・理事会がそれぞれの役割を持ち、住人は「暮らすこと」に集中できる。

この「ひとりで抱え込まない暮らし」こそが、心のゆとりに直結する安心感をもたらす。

共働き世帯、小さな子どもを育てている家庭、体力に不安のある高齢者・・・
どんなライフステージでも、マンションという仕組みが支えてくれる「目に見えない快適性」は、暮らすほどに実感されていきます。

 

 

 

都市部で暮らすうえで、日常に“安心”をもたらしてくれるのがセキュリティ環境の整備です。
そしてマンションは、戸建てと比べてその点において、構造的にも運用的にも高い防犯性を備えた住まいだといえます。

暮らしの中で「不安を感じなくて済む」という感覚は、目には見えないけれど、とても大きな価値。

そこでここからは、マンションのセキュリティ性の高さの魅力と防犯対策について解説します。

 

 

オートロック・防犯カメラ・管理人──複数の防犯層で守られている

多くの分譲マンションには、最初から防犯対策が建物設計の一部として組み込まれています

・各所に設置された防犯カメラ
・管理人の常駐または巡回体制
・宅配ボックスで非対面の荷物受取
・共用廊下・階段・エレベーターの出入り履歴

これらは一住戸では実現できない“建物全体の防犯設計”によるマンションならではの安心感。

住まいが多重のセキュリティに包まれていることで、不審者が入りにくく、犯罪が起きにくい構造そのものが出来上がっているというのは、マンションリノベーションの魅力の一つです。

 

 

戸建て住宅との決定的な違い

戸建ての場合、基本的には“1対1”で外部と向き合う構造になります。

・道路に面した窓や玄関
・夜間や留守中に暗くなる庭や裏口
・隣家との距離が近く、逆に死角が多い
・在宅・不在が外から見て分かりやすい

これらはすべて、防犯の観点からはリスク要因といえるでしょう。
個別にセンサーライトや警備サービスを導入したとしても、建物全体の設計思想で守られているわけではありません

一方マンションでは、「複数の物理的バリア」に守られているため、住戸そのものに強力な防犯性能を付加しなくても、一定以上の安全水準が保たれる。そこもマンションリノベーションならではの魅力でしょう。

 

 

子育て世帯・単身者・高齢者にとっての“仕組みとしての安心”

都市部で暮らす上で、防犯上の不安は誰にとっても無視できないものです。

・小さな子どもがいる家庭
・単身で暮らす女性
・加齢によって身体的な不安がある高齢者

このような方々にとって、「セキュリティが建物全体で担保されている」という安心感は、暮らしの根幹に関わる要素です。

玄関のドア1枚の向こうに、不特定多数の人が自由に出入りできる環境ではなく、

エントランス・共用部・オートロック・管理人という“複数のクッション層”を挟んでから、はじめて自宅にたどり着くアプローチ。
この仕組みこそが、安心して暮らし続けるためのセーフティネットになります。

 

 

 

「家は資産になる」
そう言われることがありますが、その点、本当に重要になるのは「価値の減り方」ではないでしょうか?
どれだけ資産価値が維持されるか?どれくらい先まで予測できるか?
ということを、住まいの選択における大きなテーマとしてしている方も多いことでしょう。

マンションリノベーションが優れているのは、価格が落ちきった地点で取得できる中古マンションに、自分の手で付加価値を上乗せできるという、きわめて堅実な構造を持っているからです。

 

 

新築は「買った瞬間」が最も高く、最もリスクが高い

新築マンションや新築戸建ては、販売価格の中に次のような“実質的な価値とは関係のないコスト”が含まれています。

・モデルルーム設営や広告・宣伝費
・デベロッパーや販売会社の利益
・新築という“ブランドプレミアム”
・初期保証や販売管理費などの付帯サービス

これらが上乗せされた状態で購入するため、入居した瞬間から価値は大きく目減りします。
わずか1〜2年で、数百万円単位の“評価落ち”が発生することも珍しくありません。

つまり、「価格」にお金を払っていて、「本質的な価値」に対する投資ではない」という構造になりやすいのです。

 

 

中古マンションは、すでに“価格が安定した地点”で手に入る

築20〜30年の中古マンションは、すでに相場が落ち着いていることが多く、「ここからさらに大きく下がる」リスクが極めて小さいというのが大きな特徴です。

特に次のような物件であれば、資産価値の安定性はむしろ高くなる傾向があります。

・駅徒歩5分以内など、立地に強みがある
・修繕履歴がしっかりしていて、管理状態が良好
・流通量が多く、地域としての需要が安定している

“価格の天井”ではなく、“底値圏”で購入できるという安心感は、資産形成を考えるうえで非常に重要です。

 

 

リノベーションによって、唯一無二の付加価値を上乗せできる

中古マンションは、「価格の安定性」という軸を持つだけでなく、自分の手で価値を“再構成”できる余地を持っています。

フルリノベーションを施すことで、単なる中古ではなく、設計力によって差別化された“唯一無二の住まい”に変わるからです。これは資産価値としても、有効となる場合も。

・賃貸に出す際にも「リノベ済・設計者監修」として高く貸せる
・将来売却するときも、築年数だけでなく「中身の質」で評価される
・内装デザイン・素材・設備の質が、価格以上の説得力を持つ

つまり、マンションリノベは、「価格が下がりにくい × 自分で価値を上乗せできる」という、極めて安定的かつ能動的な家づくりの方法なのです。

 

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マンションリノベーションを検討する際、「もっと広ければ快適なのに」と思うかもしれません。
でも本当は、広さが足りないんじゃなくて、設計が足りていないだけのことが多い。

限られた面積だからこそ、すべての空間に“意味と意志”を込められる「質の高い空間」を実現できます。
マンションリノベーションは、“密度の高い暮らし”をつくる最高の舞台です。

そこでここからは、マンションリノベーションの設計の魅力について解説します。

 

 

コンパクトだから、質にこだわれる

住まいは広ければ良い、というものではありません。むしろ、雑に設計してしまえば、広ければ広いほど、掃除などの手間がかかる上に費用もかかって仕方ありません。

逆に、質にこだわれば、コンパクトであれば、あるほど、暮らしやすいのは事実です。

コンパクトな住まいでは、1㎡のゆとりが、生活の快適さに直結するからこそ、

・家具のサイズや配置
・動線と視線の抜け
・収納の容量と使いやすさ
・光と風の入り方

このようなすべてを“整えて、選び抜いて、最適化”する設計が求められます。
だからこそ、空間の質は面積に比例しない。むしろ、逆転していくのです。

 

 

空間の“余白”が暮らしを整える

たしかに、何の工夫もなく、限られた広さに詰め込むだけでは息が詰まるかもしれません。
“余白”をつくる設計で、空間に呼吸が生みだしましょう。

・一面だけ壁を白く仕上げて光を反射させる
・造作家具と壁の間に少し“間”をあける
・窓の先にグリーンを添えて視線の抜けを演出する

このような微細な工夫こそ、建築家のデザインが光るポイントです。
工夫の積み重ねが、コンパクトな空間を“豊かに暮らせる住まい”に変えてくれます。

 

 

“ちょうどいい”暮らしを自分の手でつくる

無理に広さを求める必要はありません。

・モノを絞って、好きなものだけに囲まれる
・毎日の動線が美しく整理されている
・どこにいても、心が落ち着く

そんな「ちょうどよさ」=本質的な豊かさを、自分の暮らしに合わせて設計できるのが、マンションリノベの醍醐味です。

 

 

 

ここまで読んで、
「とはいえ、本当にそんなに自由にできるの?」
「実際のところ、築古って大丈夫なの?」
といった、現実的な疑問や不安が湧いてきた方も多いかもしれません。

そこでここからは、マンションリノベを検討する上でよくある質問を10項目にまとめてお答えします。
デザイン・性能・費用・資産性など、建築家としての視点も交えてわかりやすく解説しますので、ぜひ判断の参考にしてください。

 

 

Q1. 築古でも本当に大丈夫? 耐震性や劣化が不安です。

A.
マンションの多くは鉄筋コンクリート造(RC造)で、築30〜40年でも構造的には健全な物件が少なくありません。
大事なのは「構造」よりも「管理状態」。
大規模修繕の履歴や配管の更新状況、外壁・屋上の防水チェックを確認しましょう。
また、購入前に インスペクション(住宅診断) を実施することで、目に見えない劣化も可視化できます。

 

 

Q2. どんなマンションでも自由にリノベーションできるの?

A.
専有部分(室内)のみが基本的なリノベ対象です。
柱や梁、耐力壁、共用配管、窓・玄関などは変更不可のケースが多く、管理規約の確認が不可欠。
物件によって制限の程度は異なるため、購入前の段階で「リノベ適性」をプロと一緒に精査するのが安心です。

 

 

Q3. 水回りの移動はどこまで自由?

A.
キッチン・洗面・浴室などの移動は、スケルトン解体前提の物件なら高い自由度が確保されます。
ただし、直床構造や配管勾配の制限により、位置移動が難しい場合もあります。
検討物件が「配管移動に対応しているか」を事前に確認しておきましょう。

 

 

Q4. 音や近隣トラブルが不安です…

A.
RC造のため、上下左右の遮音性は戸建てより高めです。
ただし、管理規約にて 遮音フローリング(LL-45等) が指定されていることが多く、守らないとトラブルの元になります。
また、工事中の音や共有部使用なども細かいルールがあります。
施工者が管理組合との調整に慣れているかも重要なポイントです。

 

 

Q5. どんな人に向いている?

A.
以下のような価値観を持つ方に強くおすすめできます。

・都市の好立地で、予算に合う住まいを探している
・コンパクトでも上質に暮らしたい
・自分のライフスタイルを空間に反映したい
・戸建てのようなメンテナンス負担は避けたい
・将来の資産価値も重視している

 

 

Q6. 住宅ローンや減税は使えるの?

A.
マンションリノベでも、住宅ローン減税・登録免許税の軽減・不動産取得税の軽減などの制度は利用可能です。
ただし、築年数・床面積・リノベ費用の要件を満たす必要があります。
銀行ローンを使う場合は、「物件取得+リノベ一体型ローン」が使える金融機関を選ぶとスムーズです。

 

 

Q7. どのタイミングで設計者に相談すべき?

A.
物件探しと同時に設計者を巻き込むのがベストです。
設計者が初期から関与すれば、「設計しやすい物件かどうか」「構造・配管・方位などに問題がないか」をプロ目線で見極めてくれます。
購入後では手遅れになるケースもあるため、「探す前に相談」が理想的です。

 

 

Q8. リノベ費用はどれくらい? 新築より安い?

A.
目安として、60〜80㎡で800〜1,500万円程度が多い傾向です。
新築と違い「不要な仕様を削る」ことができるため、“コストの使い方を選べる”のが特徴。
高性能キッチンや無垢フローリングなど、「価値を感じる部分にだけ」投資することで、同じ予算でも質の高い空間が実現できます。

 

 

Q9. 管理費や修繕積立金って負担じゃない?

A.
月1〜2万円ほどかかるケースが一般的ですが、その中に清掃・点検・防犯・保険・将来の修繕が含まれています。
戸建てのように「急に200万円かかる」といった突発的支出が抑えられる点では、むしろ計画的で安全。
ライフスタイルによっては「合理的な支出」と捉える方も多いです。

 

 

Q10. 将来売るときに不利じゃない?

A.
好立地+リノベ済みであれば、再販時も十分な競争力があります。
とくにデザイン性の高いリノベ空間は、「唯一無二の物件」として評価されることも。
物件購入時に「再販しやすい立地・条件」を押さえ、設計で“価値を上乗せする”という戦略をとることで、資産価値を守ることが可能です。

 

 

 

マンションリノベーションは、単なる「内装を変える工事」ではありません。
暮らしを根本から見直し、立地・自由・性能・管理・資産性といった住まいの本質を、もっとも合理的に手に入れる手段です。

とくに設計事務所とタッグを組めば、中古マンションという“器”に、自分たちだけの“価値”をゼロから注ぎ込むことができます。

 

 

・駅近や好立地というプレミアムを、現実的な価格で手に入れる
・スケルトンからつくる、完全オーダーメイドの空間
・RC造による高い耐震・断熱・気密性能
・確認申請不要の設計自由とスピード感
・管理組合による維持体制と修繕積立金による長期的安心
・防犯・清掃・セキュリティが“自動化”された生活
・築年数が読めるからこそ見通せる資産価値

これらをトータルで見たとき、「豊かに暮らしたいけど、家づくりには賢さも必要」と考える人にとって、“中古マンション+リノベーション”は、もっとも本質的で合理的な選択肢であることが見えてきます。

 

 

家は、単なるモノではなく「暮らしそのもの」。
そして“どう暮らすか”は、“どう生きるか”に大きく関わってくるものです。

あなたの価値観に合った、無理のない、でも豊かな暮らしを。
その第一歩として、「マンションリノベ」という選択肢を、ぜひ検討してみてください。

 

 

 

マンションリノベーションは、目に見える空間だけでなく、生き方や価値観を見直すプロジェクトです。

すでにある構造や場所に、新築以上の意味を注ぎ込む。
与えられた条件を、むしろ自由の起点に変えていく。
それが、私たちが考えるリノベーションの本質です。

本記事でお伝えしてきたことが、あなたの中にある「本当に必要なもの」を見極める視点となり、これからの選択に、少しでも確かな軸を与えられたなら幸いです。

 

 

マンションリノベを検討している方へ

次のような方は、ぜひ一度ご相談ください。

・好立地や中古物件を活かして、無理なく豊かな暮らしを叶えたい
・新築とリノベで迷っていて、冷静に比較したい
・設計の力で、空間にも予算にも“意味の整合性”を持たせたい

構造・法規・設計・コストなど。
すべての要素を総合的に見極めながら、後悔のない選択肢を、一緒に設計していけたらと思います。

 

▼ 私たちの【設計実例】は、こちらからご覧いただけます。

 

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参考資料・公的機関リンク一覧(マンションリノベーション関連)

マンションリノベーションを検討中の方へ。
補助金・省エネ制度・住宅ローン・税制優遇など、信頼できる公的情報源をまとめました。制度の最新情報や申請条件の確認に、ぜひご活用ください。

 

国土交通省・経済産業省・環境省

住宅省エネ2025キャンペーン
https://jutaku-shoene2025.mlit.go.jp/

補助対象リフォームMAP
https://jutaku-shoene2025.mlit.go.jp/about/reform-map/

 

国土交通省

令和7年度長期優良住宅化リフォーム推進事業
https://r07.choki-reform.mlit.go.jp/

一般社団法人 住宅リフォーム推進協議会
https://www.j-reform.com/

住宅金融支援機構|フラット35リノベ
https://www.flat35.com/loan/reno/index.html

 

厚生労働省

福祉用具・住宅改修
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000212398.html

介護保険における住宅改修
https://www.mhlw.go.jp/general/seido/toukatsu/suishin/dl/07.pdf

 

環境省

先進的窓リノベ2025
https://window-renovation2025.env.go.jp/

 

経済産業省 資源エネルギー庁

給湯省エネ2025事業
https://kyutou-shoene2025.meti.go.jp/

 

国税庁

マイホームを増改築等したとき|住宅特定改修特別税額控除など
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/koho/kurashi/html/05_2.htm

No.1216 増改築等をした場合(住宅借入金等特別控除)
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1216.htm

 

 

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